エブロ川支流のマタラニャ川がバルデロブレスの村の中心部を流る。ゴシック様式のアーチが素敵なサン・ロケ橋(Puente de San Roque)を渡った先には、高低差があり狭い道が続く旧市街が広がっている。川沿いには古くからの民家が立ち並び、橋から眺める街並みは思わず息をのむ美しさである。
急な階段を上ってたどり着く丘の頂上には、バルデロブレス城(Castillo de Valderrobres)がそびえたっている。14世紀に建設が始まったこの城は、当初複数の貴族の館として使われいた。また、レオノール・デ・アルブルケルケアラゴン(Leonor de Alburquerque)やマリア・デ・カスティーリャ(María de Castilla)といった歴代のアラゴン王妃の一時滞在先としても使われるなど、由緒正しき建築物である。
城の隣には、アラゴン王国の典型的なゴシック様式で建てられたサンタ・マリア・ラ・マイヨール(Santa María La Mayor)教会が構えている。1314年に建設が始まったが、ペストの流行により中断を余儀なくされ、1390年になりようやく建設が再開される。その後、約3世紀かかり1720年に完成した姿を今日の私たちは見ることが出来る。
街の中には、14世紀後半に始まった要塞化の一環として作られた、城壁やガーゴイル、パラウ(Palau)と呼ばれるかつての役場、また16世紀に建てられた役場や貴族の館などが立ち並ぶ。王妃になった気分で優雅な散歩を楽しみたい。