マタラニャ川(Matarraña)とアルガールス川(Algars)という二つの河川に挟まれた丘の上に、カラセイテの村は位置する。
古くはこの場所にアラブ人の集落カラト・ザイド(Qal’at Zayd, ザイドの砦)が築かれていた。ラモン・バランゲー4世(Ramon Berenguer IV)によりレコキスタが組織され、キリスト教徒によりこの地を再征服したのが1151年の事である。1180年から1428年は、カラトラバ騎士団(Orden de Calatrava)の支配下となり、1452年にトゥルトーザ大聖堂(Catedral de Tortosa)の評議会がカラセイテの領地を購入することを決定し、街は解放された。
1644年にフェリペ4世の軍隊がカタルーニャとの戦争の際に、12世紀の教会をはじめカラセイテの街を焼き払った。それゆえに、この街の建物は平和と経済的な拡大の時代にあった18世紀に再建されたものが大半を占める。
役場庁舎は1609年から1612年のルネサンス様式の建築で、1階には魚市場と牢屋があり、2階が執務室として使われている。中庭には昔の小教区教会で使われていたゴシック様式の鍵、15世紀の彫刻モチーフ、古いゴシック様式の十字架などが保存されているので覗いてみると良いだろう。
カッソラーダ(cassolada)と呼ばれるツグミと豚のリブを米と一緒に煮た料理や、エスカルゴと地元の野菜を煮込んだカッソラーダ・デ・ロールト(cassolada de l’hort)、マグロ、胡椒、トマトで作るカラセイテ伝統のピザの一種コック・エン・プリメント(cóc en primentró)など郷土料理も豊富なので、この村を訪れた際にはぜひ味わいたい。