グリュイエール

Gruyères

絶品チーズが生まれた城下町

スイスの中央部に位置するグリュイエール。チーズで有名なこの村の名前は、この地で鶴(grue)を仕留め村の礎を築いたとの伝説が残る偉人グリュリウス(Grurius)に由来している。村の紋章に鶴が描かれているのは、そのためである。

 

グリュイエール公の名は11世紀の文献にすでに表れている。以後、グリュイエール家は広大な土地を支配し続け、サヴォワ公国の従属となりながらも独立を維持した。しかしグリュイエール家最後の領主ミシェル公は、1544年に当時ベルン公国とフリブール公国との争いに巻き込まれる形で、領主権を売却せざるを得なくなってしまった。

 

主に13世紀から発展を遂げた小さな村は、封建制時代の名残を見事に留めている。特に15世紀の城壁、シュピア・バルバ(Chupia-Bârba)と呼ばれる四角い塔やベリュアール(Belluard)と呼ばれる15世紀の櫓(やぐら)門は、完全な状態で残されている。

 

村の小高い丘の上にあるグリュイエール城は12世紀に建設され、1480年以降の大規模な改修を経て、現在も威厳ある姿で聳え立っている。とりわけ、13世紀に円状の中庭を囲むように築かれたサヴォワ公国風の主塔は必見である。1555年以降はフリブール公国のバイイ裁判所として用いられ、1848年にはジュネーブの名門だったボヴィ家へと渡った。1938年からは、フリブール州政府の管理となりグリュイエールの歴史を伝える遺産として一般に公開されている。

 

城の内部のサル・デ・シュヴァリエ(※騎士団の部屋の意)には、フランス人画家ジャン=バティスト・カミーユ・コローやスイス人画家バルテルミ・メンによって描かれた風景画が飾られているので、ぜひとも訪れたい。また城の中庭には15世紀に再建された、サン・ジャン・ペティスト礼拝堂があるので併せて見てみると良いだろう。大切に守られ続けている15世紀のステンドグラスは必見の美しさである。

 

中央の広場から少し下ったところには、サン・テオドゥール教会が佇んでいる。外陣は1860年、内陣は1731年にそれぞれ建てられ、教会正面の鐘楼には1680年に作られた玄関口がそのまま残されている。

 

レストランやお店が建ち並ぶ中央通り沿いには、15世紀から17世紀に建てられた多くの民家が残されている。とりわけ14世紀にグリュイエール公に仕えた道化師シャラママの名で呼ばれる家は、細かな装飾が施された窓が見事である。また、キリストの彫像が飾られたラ・カルヴェールという建物は16世紀に建てられ、18世紀には塩の売買所として使われていた。現在は、芸術家がやって来て作品を展示するギャラリーとして用いられている。

 

村の郊外には、1307年に設立されたパール・デュー・カルトゥジオ会修道院がある。1848年に活動を終えてしまったため、修道院の関係施設のほとんどは無くなってしまったが、現在でも城壁と教会、メインに使われていた建物が大切に残されている。時間が許せば足を運んでみると良いだろう。

 

この村を訪れた際にぜひとも味わいたいのが、村名産のグリュイエール・チーズである。特に同じくこの地域特産のヴァシュラン・チーズと一緒に溶かして作られる、モワティエ・モワティエと呼ばれるチーズ・フォンデュは絶品である。目と舌を喜ばせるこの村の滞在は、忘れられない思い出となる事だろう。

フリブール州グリュイエール/Gruyères (FRIBOURG)

面積:28,38 km2 

人口:2,200人(2018年現在)

公共交通機関の場合:

ベルン中央駅(Bern Hauptbahnhof)からスイス連邦鉄道に乗って、フリブール駅(Fribourg)およびビュル駅(Bulle)で乗り換え、グリュイエール駅(Gruyères)駅下車。(約1時間40分、ただしベルン―ビュル間直通電車の場合は約2時間

グリュイエール駅前から、グリュイエール旧市街まで徒歩で約20分

車の場合:

ベルンから70km(約50分)

ジュネーヴから130km(約1時間30分)

チューリッヒから190km(約2時間)

飛行機の場合:

ジュネーヴ・コアントラン国際空港空港から120km(約1時間20分)

バル=ミュールーズ空港から170km(約1時間50分)

チューリッヒ空港から190km(約2時間)

「フランスの最も美しい村」協会 加盟村(2015年より加盟)

2020年03月26日:ページ更新

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