ガルダ湖から北へと抜け、テンノ市の中でも山道を登り切った場所に位置するのがカナーレの村である。
村の名前の「カナーレ」とは水路の意味で、ほど近い場所にはトレンティーノ地方で最も水質が良いとされるテンノ湖があり、ターコイズ色に輝いている。
円天井形のアーチ、地下通路や小路など中世の村の特徴を有している。第2次世界大戦後から人口が激減し一時はゴーストタウンと化していたが、1980年代から徐々に改修が進められ石造りの住居、石畳の小路、木製のバルコニーなど現在の美しい姿を見せるようになった。
そのため、カナーレ・ディ・テンノは廃墟を再生するため1960年代から設立された文化研究センターであるカーザ・デイ・アルティスティ(Casa degli Artisti)が置かれていることでも有名である。画家であったジャコメ ヴィットーネ(Giacomo Vittone)のアイデアから生まれ、作品の展覧会や、アーティストの短期滞在など様々な目的で活用されている。
滞在に余裕があれば近隣のフラッポルタ(Frapporta)集落に立ち寄っても良い。そこには12世紀に建てられた、サン・ロレンツォ教会がありこの地域のロマネスク様式を代表する建築である。
自転車や徒歩でテンノ湖までの大自然を満喫したい。村に戻れば美しく修景された街並みに疲れは吹き飛ぶことだろう。