【紹介動画】ペルージュ/Pérouges|フランス人が選ぶお気に入りの村(2013年)

ローヌ・アルプ/アン県(Rhône-Alpes / Ain)

「フランスの最も美しい村」協会 加盟村

ドンブ地方アン平野、小さな丘の頂上に佇むペルージュは、城壁に囲まれた小さな村である。かつてこの地はドーフィネ公国とサヴォワ公国の君主がその支配権を巡り争いを繰り広げたことで知られている。近代に入り、少しずつこの織物とワインの街から人々が離れていったが、往時の華麗な姿を取り戻したいというペルージュとリヨンの住民の強い熱意と情熱によって、1910年頃から村の復興の動きが生まれた。そのおかげで今日のペルージュでは、職人の工房や歴史ある民家に縁取られた曲がりくねった小路や、樹齢200年を超えるシナノキが木陰を作る広場と出会うことが出来る。リヨンから35kmほど離れた村ペルージュ。同心円状に広がる2つの城壁の内側には、素晴らしい建築物と美しい城塞教会が隠されている。

 

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【ペルージュ】丸石が敷き詰められた可愛い散策路

【住民が集まる中央広場】

「小さな天国」と形容されるに相応しいであろう中世の村ペルージュは、リヨンから40kmほど離れた場所に佇んでいる。小さな丘の上では、木組みの民家や丸い小石が敷き詰められた小路が続いており、時の流れを忘れさせてくれる滞在を約束する。

こちらにいらっしゃるのは、村長のポールさん。お祭りの今日、中央広場で私たちを迎え入れてくれた。

ポール村長:「私たちは村の中心の広場にいます。かつては最も栄えていた場所の一つで、レストランが集まっていたり、市場が開かれていました。ここに来れば皆が挨拶を交わすことの出来る、村の交流の中心的な役割を果たす最高の広場でした。

この広場の真ん中にあるのは、フランス革命の時期に植えられた樹齢200年を超えるシナノキである。しかしながら、その外側にある同心円状の道は時代をさらに遡り、中世からルネサンス期に起源を持つ。その時期のペルージュは織物の街として、その名を知られていた。

【ペルージュの街並みを彩る2つの特徴】

ポール村長:「かつての織物の活動を今に伝える道に来ています。その証拠に、この民家には壁面から突き出した梁があり、布を乾かすため木の棒が掛けられていました。この美しい建物にです。」

村内の美しい建物は有産階級の民家で、12世紀から15世紀に建てられた。すべての建物が一体となって、オーセンティックな印象を与えている。加えて、もう村のもう一つの魅力は……

マリージョさん:「私がここへやって来て、村への門をくぐった瞬間に自動的に歩き方を変えなければなりませんでした。卵の上を歩いているようだという方もいますし、私に言わせれば猫の頭の上を歩いているような感覚です。」

 

猫の頭とは、ペルージュの道に敷き詰められた丸石の事である。数多くの映画監督が、中世へと誘う、この装飾に彩られた石畳の道に魅了されてきた。例えば、1964年のロマンス映画『天使の公爵夫人(Angélique, Marquise des Anges)』や1962年公開の『山賊マンドラン(Mandrin met le feu aux poudres)』の撮影地となった。

【ペルージュをもっと深く知る2つのエピソード】

再び、昔からペルージュに住んでいるジョルジュさんとマリージョさんの忘れられない思い出話に耳を傾けよう。まずは、アレクサンドル デュマの小説を原作にしたミレーヌ・ドモンジョ出演の映画『三銃士』についてのエピソードである。

ジョルジュさん:「この映画には知り合いの多くのペルージュ住民がエキストラとして出演していました。エキストラには10フランしか支払われなかったんですが、そこに出演した牛には20フランも払っていたんです。人間よりも動物により多くのお金を払うなんで酷い話ですよ。(笑)」

ペルージュで起きた次なる重要な出来事は、ビル・クリントン大統領の突然の訪問だ。リヨンで開催されたG7の際に立ち寄り、ジョルジュさんの営むレストランで昼食のため食卓に就いた。

ジョルジュさん:「とても大変でした。それというのも、彼はダイエット中で、生クリーム・バター・アルコール抜きのメニューを用意しなければならなかったんです。このブレス地方に来て、そんなの不可能ですよ!でも、彼は規則を破って、好きなものを何でも食べていました。甘いガレットと一緒に、少量のクリームも食べていましたね。」

【昔と変わらない名物ガレット】

美味しいものに目がないクリントン大統領は、ペルージュの名物甘いガレット屋の横を素通りすることは出来なかったようだ。

クリストフさん:「100年ほど前は、毎週金曜日に村のかまどでパンを焼いていました。その日を活用して、このガレットを作るようになったそうです。とても軽いお菓子ですよ。何と言っても、バターとバター、それにバターが必要ですから。」

砂糖に砂糖、そして砂糖。仕上げにクリーム、そしてクリームを添えて完成だ。ガレットはこの街のどこでも買うことが出来る。多くのお店では古い商店のやり方と同様、垂直に開く雨戸の上で販売しており、ディディエさんもまた、かつてのお菓子屋と変わらぬ方法で店を営んでいる。

ディディエさん:「上に開く雨戸は日光や雨風から商品を守る上で役立っています。下に開く網戸の上には、商品を置いていたんです。だから早く売れるように、最も綺麗に出来たものを陳列していました。『雨戸の上で選別する』(※フランス語の慣用句で厳選するの意)という表現は、こうした商習慣に由来しているのです。」

こうした小話は、ペルージュの子供であればよく知っている。村の歴史に関心を持つことで、ペルージュのことがますます好きになるのだ。

子供:「ペルージュでかくれんぼをすると、まるで巨人の城で遊んでいるみたいなんだ。最高すぎるよ!」
子供:「ペルージュにいると、1000年の時を遡ったかの印象を受けるんだ!」

ペルージュは大人にとっても、子供にとっても、中世から変わることのない特別な場所だ。

 

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※このページでは、フランス2のテレビ番組「Le Village préféré des Français」の公式チャンネルから、各村の紹介を取り上げ、運営者が日本語でまとめの記事を作成しています。

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