【紹介動画】ムスティエ・サント・マリー/Moustiers-Sainte-Marie|フランス人が選ぶお気に入りの村(2013年)

プロヴァンス・アルプ・コートダジュール/アルプ・ド・オート・プロヴァンス県

(Provence-Alpes-Côte d’Azur / Alpes de Haute Provence)

「フランスの最も美しい村」協会 加盟村

ヴェルドン渓谷の玄関口に佇むムスティエ・サント・マリーは、崖の麓に段を成すように民家が建ち並んでいる。はちみつやラベンダーなど南フランスの香り漂うこの村では、青い空を背景に典型的なプロヴァンスの街並みが広がっている。サント・クロワ湖のほど近く、ヴェルドン自然国立公園の中心に位置するが、これらの豊かな自然景観がこの村を有名にしている訳ではない。3世紀に渡って続く高品質の陶器生産が、この村の名声を轟かせている。14軒にも及ぶアトリエが点在し、泉や木陰など変化のある入り組んだ小路で訪れた人々を楽しませる。共同洗濯場を備えた小さな広場では、かつて多くの女性が集まり衣類を洗っていた。素晴らしい眺めに興味のある方は、ヴァランソン平原へも足を延ばしてみると良い。ただしその場所へたどり着くためには、365段の階段を登る覚悟を決める必要があるだろう!

 

▼村の詳しい紹介はこちらから

【ムスティエ・サント・マリー】星が輝く陶器の村

【フランス料理の巨匠アラン・デュカス氏も推薦】

この風格ある素敵な村の名前はムスティエ・サント・マリー。陶器愛好家には良く知られており、アルプ・ド・オート・プロヴァンス地方の街マノスクから50kmほど離れた小さな村である。この村はフランス料理界の巨匠として知られるアラン・デュカス氏の心も鷲掴みにしている。

デュカスさん:「雄大な自然にラベンダー、荒々しい山岳地帯。これらヴェルドン渓谷の魅力を一度に見ることが出来る場所は他にありません。」

同じ理由からジョアンさんも、ムスティエに居を構えることを選んだ。この陶芸家はこの地にアトリエを開き、幸せを感じない日は無いという。

ジョアンさん:「毎朝教会の鐘を見ながら、仕事場へと向かうのはとても気持ちの良いこと。本当に素晴らしい人生です。」

ムスティエの魅力に惹かれているのは彼だけではない。

住民:「私はこの最も美しい村に生まれました。なぜこの村を捨て、他の場所へ移る必要があるでしょうか?

【世代を超えて受け継がれるムスティエ焼き】

この優美に満ちた小さな街は、美しい陶器の生産地として17世紀から18世紀にかけてすでに名を知られていた。この伝統は今日まで受け継がれ、アトリエは十数軒にも及ぶ。気軽に店の扉を開けて製作の様子を見学してみてください。

ジョアンさん:「この家族の長女クリスティーヌさんを紹介します。彼女のお父さんも、お爺さんも陶器職人でした。」
クリスティーヌさん:「この仕事を選ぶということは、ほとんど当然なことでした。私と妹はアトリエの中で育ち、この場所で大きくなったんです。」

情熱と技術は世代を超えて受け継がれ、ムスティエ焼きが成功を収める秘訣となっている。ただし、それだけではない。

クリスティーヌさん:「なぜこんなにもムスティエ焼きは高い評価を得ているのか?それは絵付けの繊細さなど、高品質であると認められているからだと思います。陶芸の技術はイタリアの修道士によって伝えられたと言われています。見ての通り、粘土の上に塗られた白い化粧土が見事な輝きを放っています。」

【村の象徴!星のオブジェ】

ムスティエの村の魅力は陶器だけという訳ではない。プロヴァンスの典型的な街並みが、世界中から多くの訪問者を惹きつけている。

デュカスさん:「(たくさんの観光客が訪れているにも関わらず、)村の外からの影響は未だほとんどありません。それがムスティエの美しい所で、他の場所との違いを作り出しているのです。」

その一つに、250メートルの高さに吊り下げられた星のオブジェが挙げられるだろう。数世紀も前に2つの崖の間に取り付けられた村の象徴である。ただし、その起源については謎に包まれている。

ジョアンさん:「誰が、何の目的でその星を吊るしたのか正確にはわかっていないのです。あの星が落ちてしまった時は大変です。というのも1世紀の間に2回ほど落ちたことがあるのです。その時は、儀式さながら再び取り付けられました。もし見つからなかったときは、服を脱がされて裸になったかのような気分になり、何か物足りなく感じます。」

【地元食材のこだわったビスケット】

多くの人々にインスピレーションを与えてきたこの星を、村の小路でひっそりと営むマリーさんのアトリエで楽しんでみてはいかがだろうか?ここでは、星の形をした美味しいビスケットが焼かれている。ぜひ、食べてみたいですね!

マリーさん:「出来る限り地元の食材を使ってお菓子作りをするようにしているんです。例えば、ヴァランソン平原のラベンダーやアーモンド。ラベンダーから採れた蜂蜜や近郊の街アルマーニュ・アン・プロバンスから取り寄せた新鮮な卵などです。」
ジョアンさん:「例えば、ラベンダーの香りが強すぎるということはありませんか?」
マリーさん:「もちろん、適切な分量を知る必要がありますよ。本当に作る楽しみがあって、ムスティエ陶器づくりにも匹敵するやりがいのある仕事です。」

【崖の上の礼拝堂に残る伝説】

ビスケットを少し味見してエネルギーを補充したら、ノートル・ダム・ド・ボーヴォワール礼拝堂へたどり着くための262段にも及ぶ階段道を登ってみよう!道の途中の見晴らしの良い場所で少し休憩をすれば、ここでしか見られない絶景が待っている。

再び登っていくと、礼拝堂の麓にたどり着く。ジョアンさんの友人グエンさんは、定期的にガイドツアーを企画しており、この歴史ある巡礼地の秘密と伝説について良く知っている。

グエンさん:「16世紀になると、胎児蘇生の奇跡という信仰が始まりました。死産を経験した産婦にとって、子供は天国へと旅立てず、キリスト教の墓に埋葬される権利がありませんでした。なぜなら、亡くなった胎児は洗礼を受けていなかったからです。そこでこの礼拝堂へと足を運び祈りを捧げ、胎児は礼拝のため再び生を得ることが出来たと言い伝えられています。」

歴史への知的好奇心が満たされたところで、スポーツ・アクティビティーも忘れるわけにはいかない。ここでは、村と大自然を満喫するためのすべてが用意されている。

ジョアンさん:「すべては人々が楽しいと感じることばかりで、よく考えてみれば、この村は天国に近い場所なのかもしれません。
デュカスさん:「ムスティエが皆様にとってもお気に入りの村になることを期待しています。」
 

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※このページでは、フランス2のテレビ番組「Le Village préféré des Français」の公式チャンネルから、各村の紹介を取り上げ、運営者が日本語でまとめの記事を作成しています。

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