ブレル/Blesle

 

【オーベルニュの由緒正しき村】

 

クレルモン・フェランからカオールへと抜ける

サンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼路上。

狭く入り組んだ谷の窪地に穏やかな暮らしが息づくこの村は、

ベネディクト会修道院とフランスの名門貴族オーヴェルニュ家という

2つの権力の下で力強い発展を遂げた。

過去の繁栄の歴史に思いを馳せながら、

職人や商人が集った往時の面影を留める街並みを眺めれば、

特別な時間を過ごすことが出来るだろう。

ブレル/Blesle

 

【オーベルニュの由緒正しき村】

 

クレルモン・フェランからカオールへと抜けるサンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼路上。

 

狭く入り組んだ谷の窪地に穏やかな暮らしが息づくこの村は、ベネディクト会修道院とフランスの名門貴族オーヴェルニュ家という2つの権力の下で力強い発展を遂げた。

 

過去の繁栄の歴史に思いを馳せながら、職人や商人が集った往時の面影を留める街並みを眺めれば、特別な時間を過ごすことが出来るだろう。




村の歴史

 

この地の歴史は古く、新石器時代にはすでに移動牧畜の通り道にあり、西暦1世紀頃のガロ・ローマ時代に人々が定住し集落が形成されたと考えられている。

 

村の名が初めて現れるのは、1095年にフィレンツェ女子大修道院長がローマ教皇へ宛てた手紙の中である。その書によると、9世紀後半にオーヴェルヌ侯爵夫人エルメンガルドが設立したベネディクト会修道院が、今は無きサン・テティエンヌ・シュル・ブレル教会に最初の寄付を行ったと綴られている。

村の歴史

この地の歴史は古く、新石器時代にはすでに移動牧畜の通り道にあり、西暦1世紀頃のガロ・ローマ時代に人々が定住し集落が形成されたと考えられている。

 

村の名が初めて現れるのは、1095年にフィレンツェ女子大修道院長がローマ教皇へ宛てた手紙の中である。

 

その書によれば、9世紀後半にオーヴェルヌ侯爵夫人エルメンガルドが設立したベネディクト会修道院が、今は無きサン・テティエンヌ・シュル・ブレル教会に最初の寄付を行ったと綴られている。

サン・ピエール大修道院付属教会

 

その後もベネディクト会修道院による庇護は続いたと伝えられ、現在は12世紀から13世紀にかけて建てられたサン・ピエール大修道院付属教会から当時の記憶を垣間見ることが出来る。

 

教会は豊かな装飾に彩られたオーヴェルニュ・ロマネスク様式で、内部の柱などには美しい細かな彫刻を目にすることが出来る。また大修道院に由来する礼拝衣装や金銀細工、彫像などの宝が大切に保管されている。

サン・ピエール大修道院付属教会

その後もベネディクト会修道院による庇護は続いたと伝えられ、現在は12世紀から13世紀にかけて建てられたサン・ピエール大修道院付属教会から当時の記憶を垣間見ることが出来る。

 

教会は豊かな装飾に彩られたオーヴェルニュ・ロマネスク様式で、内部の柱などには美しい細かな彫刻を目にすることが出来る。

 

また大修道院に由来する礼拝衣装や金銀細工、彫像などの宝が大切に保管されている。

ブレル城

 

サン・ピエール大修道院付属教会の建立と時を同じくして、フランス名門貴族オーヴェルニュ家末裔であるメルクール男爵が城を建設し、村の城塞化が進められた。

 

かつて教会権力と張り合うようにして建てられたブレル城の主塔はメルクールの塔と呼ばれ、20個の角を持つ独特の形をしている。中央の柱に支えられたロマネスク様式の窓やマシクーリと呼ばれる石や矢を落とすための開口部も特徴的である。また村を囲っていた城壁の名残りとして、見張り台としても用いられていた塔が点在している。

ブレル城

サン・ピエール大修道院付属教会の建立と時を同じくして、フランス名門貴族オーヴェルニュ家末裔であるメルクール男爵が城を建設し、村の城塞化が進められた。

 

かつて教会権力と張り合うようにして建てられたブレル城の主塔はメルクールの塔と呼ばれ、20個の角を持つ独特の形をしている。

 

中央の柱に支えられたロマネスク様式の窓やマシクーリと呼ばれる石や矢を落とすための開口部も特徴的である。

 

また村を囲っていた城壁の名残りとして、見張り台としても用いられていた塔が点在している。

中世の面影を留める街並み

 

1558年にはオーベルジュの由緒正しき街(Bonnes villes d’Auvergne)の仲間入りを果たした。弁護士、公証人、商人と共になめし革職人、織物職人、ワイン製造関係者などが集まり、村は活気に溢れた。基礎を成す石造りの土台の上に建つ木組みの家々が点在する街並みは、その頃の賑わいを今に伝えている。

 

また、17世紀にフランスの有力貴族ヴァンドーム公によって所有されていた慈善病院は、現在帽子の資料館として活用されている。18世紀終わりから20世紀初めにかけて作られた、様々な種類の帽子の展示を楽しむことが出来る。

中世の面影を留める街並み

1558年にはオーベルジュの由緒正しき街(Bonnes villes d’Auvergne)の仲間入りを果たした。

 

弁護士、公証人、商人と共になめし革職人、織物職人、ワイン製造関係者などが集まり、村は活気に溢れた。

 

基礎を成す石造りの土台の上に建つ木組みの家々が点在する街並みは、その頃の賑わいを今に伝えている。

 

また、17世紀にフランスの有力貴族ヴァンドーム公によって所有されていた慈善病院は、現在帽子の資料館として活用されている。

 

18世紀終わりから20世紀初めにかけて作られた、様々な種類の帽子の展示を楽しむことが出来る。

ブレルについて詳しく知りたい!

フランスの最も美しい村

オート・ロワール県ブレル(ブレール)/Blesle (HAUTE-LOIRE)

面積:29,8km2

人口:628人(2015年現在)

2018年4月22日:ページ更新

2020年6月30日:ページ更新

行き方

オーヴェルニュ地方の中心都市クレルモン・フェランからマシアック・ブレルという駅まで電車が運行していますが、村の名前が入っているのにも関わらず駅から村の中心部までは徒歩で2時間程かかるので注意が必要です。

 

2017年および2020年に訪れた際は、リヨンからレンタカーを利用しました。クレルモン・フェランから車を手配して、近郊の街や村を巡るのもお勧めです。

パリ・ベルシー駅(Gare de Bercy)またはリヨン・パール・デュー駅(Gare Lyon Part-Dieu)駅 からSNCFに乗って、クレルモン・フェラン駅(Clermont-Ferrand)で乗り換え、マシアック/ブレール駅(Massiac-Blesle)下車。

マシアック/ブレール駅から、タクシーに乗って約10分。

クレルモン・フェランから80km(約1時間10分)

リヨンから240km(約2時間40分)

クレルモン=フェラン・オーベルニュ空港から80km(約1時間)

紹介動画

フランスの人気テレビ番組「フランス人が選ぶお気に入りの村」で、2013年にブレルがノミネートされた際の動画がYoutubeの「Le Pays préféré des Français」公式チャンネルにて紹介されています。この村の魅力が詰まった動画で、見たら行ってみたくなること間違いなしです。映像だけでも十分に楽しめますが、順次日本語訳を紹介していく予定なので楽しみにお待ちいただければ幸いです。

レストラン

人口は600人ほどの小さな村ですが、地元の方が通う小さなレストランが何店か営業しています。冬場のオフシーズンでもレストランには住民が集まっていて、賑やかに食事を楽しんでいましたよ。

 

2017年に実際に利用したブレルのレストランを紹介させて頂きますので、参考にして頂ければ幸いです。

2017年に訪れた際には村長さんに村の案内をして頂き、一緒に食事をしたのがこのレストランでした。村長さんが事前に連絡をして準備をして頂いた特別メニューだったため、通常営業では異なる部分もあるかもしれませんが、地元の食材をふんだんに使用した料理はどれも美味しかったです。

特産品

生活感のあるこの村では肉屋や日用雑貨店、薬局など必要最小限のお店は全て揃っているという印象でした。ただし観光地の雰囲気はあまりないので、お土産屋等はあまり充実していません。

 

ここではブレルを訪れたらぜひ味わいたい、地元の味を紹介させて頂きます。

2009年に村の郊外にオープンしたラ・ダモワゼルという工房で作られるクラフトビールは、早くもこの村の名産品となっています。爽やかな香りのホワイトビールから、コクのあるアンバービールまで様々な種類を扱っています。製造した商品のほとんどが地元の飲食店やマルシェで販売され、村から外にはほとんど出ることの無いビール。ぜひ味わってみてくださいね。

細部に宿る美

この村を訪れたら是非とも注目したいのが、民家の扉や雨戸の塗装です。2010年に「テール・エ・クルール」というアソシエーションが、住民ボランティアと一緒に天然顔料オークルを使って全て塗り直したそうです。

 

2017年に「フランスの最も美しい村」協会のパスカル事務局長と同行し、時間が経つと共に上品さを増す自然の風合いの大切さを教えて頂きました。そして実は、事務局長自身もアソシエーションのボランティアとしてこの村の塗装に携わったそうですよ!

ブレルのお勧めホテル

村内がオレンジに輝く夕暮れ時や、夜のライトアップ、朝霧に包まれた街並みなど、時間によって様々な表情を見せるのが美しい村の魅力。

 

フランスの最も美しい村の予約はbooking.comが便利で、毎回お世話になっています。2020年に実際に滞在した宿も含め、ブレルにあるお勧めの宿を紹介いたしますので参考にして頂ければ幸いです。

2020年に滞在したのはBooking.comのロケーションスコア9.0と高評価なこのホテル。中心市街地に位置しており村の散策に便利でした。古き良き村のホテルという感じで、温かみを感じる内装。レストランも併設されているのでのんびりと滞在を楽しめます。料金は2名1泊で100~120€(朝食別)です。

 

また、3人用の部屋も備えているので家族での利用もお勧めです(3名1泊で140€)。

Booking.comの総合スコア9.0と高評価なこの宿泊施設は、郊外の緑豊かな場所に位置しています。野外プールやビリヤード台などを備えているので、自然の中でゆったりとした滞在をしたいという方にピッタリです。中心市街地までは4kmほど離れているので、車で移動できる方にお勧め。料金は2名1泊で100€(朝食込)です。

 

また、ファミリールームでは最大5名までの宿泊が可能です(5名1泊で180€)。



Booking.com




【一緒に訪れたい美しい村】

ブレルから車で40分(40km)

ブレルから車で40分(50km)

ブレルから車で50分(60km)

ブレルから車で1時間40分(90km)

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