ブルージュ(ブルッヘ)/Bruges(Brugge)

 

【天井のない美術館と称される中世の商業都市】

 

中世の趣が色濃く残る美しい中心市街地はもちろん、

鐘楼とベギン会修道院という3つの異なる世界遺産を持つこの街。

旧市街に張り巡らされた運河は北海に通じており、

ヨーロッパ内陸部とイギリスや北欧を結ぶ

貿易の拠点として栄光の時代を享受した。

ヤン・ファン・エイクやハンス・メムリンクなど

北方絵画を代表する多くの芸術家を魅了したことから、

初期フランドル芸術の揺籃の街としても知られている。

ブルージュ(ブルッヘ)/Bruges(Brugge)

 

【天井のない美術館と称される中世の商業都市】

 

中世の趣が色濃く残る美しい中心市街地はもちろん、鐘楼とベギン会修道院という3つの異なる世界遺産を持つこの街。

 

旧市街に張り巡らされた運河は北海に通じており、ヨーロッパ内陸部とイギリスや北欧を結ぶ貿易の拠点として栄光の時代を享受した。

 

ヤン・ファン・エイクやハンス・メムリンクなど北方絵画を代表する多くの芸術家を魅了したことから、初期フランドル芸術の揺籃の街としても知られている。




世界遺産:ブルージュ歴史地区

 

この街の運河の歴史は12世紀に遡り、中世にはヨーロッパにおける商業の中心地として大きく発展した。特に北ヨーロッパの都市が団結することで強固な商業圏を築いたハンザ同盟の中核都市として栄え、15世紀に栄華の絶頂を極めた。

 

ヨーロッパ北部に広くみられるレンガ造りのゴシック建築が数多く残り、まるで中世にタイムスリップしたかのような街並みが広がる。2000年からは「ブルージュ歴史地区」としてユネスコの世界遺産にも登録されている。

世界遺産:ブルージュ歴史地区

この街の運河の歴史は12世紀に遡り、中世にはヨーロッパにおける商業の中心地として大きく発展した。

 

特に北ヨーロッパの都市が団結することで強固な商業圏を築いたハンザ同盟の中核都市として栄え、15世紀に栄華の絶頂を極めた。

 

ヨーロッパ北部に広くみられるレンガ造りのゴシック建築が数多く残り、まるで中世にタイムスリップしたかのような街並みが広がる。

 

2000年からは「ブルージュ歴史地区」としてユネスコの世界遺産にも登録されている。

世界遺産:ブルージュの鐘楼

 

1240年にこの街で初めての鐘楼が建設されたが、当時は木造建築だったため1280年に起きた火災により焼失してしまった。現在の鐘楼は1296年に再建されたものが基礎となっており、数々の改築を重ねながら、1822年にネオ・ゴシック様式の新しい屋根が付け加えられた。

 

1999年に「ベルギーとフランスの鐘楼群」としてユネスコの世界遺産にも登録された鐘楼は、自由都市における市民の力の象徴。366段の螺旋階段によって結ばれた最上部の高さは83mにも達し、街をどの建物よりも高い場所から見下ろしている。

世界遺産:ブルージュの鐘楼

1240年にこの街で初めての鐘楼が建設されたが、当時は木造建築だったため1280年に起きた火災により焼失してしまった。

 

現在の鐘楼は1296年に再建されたものが基礎となっており、数々の改築を重ねながら、1822年にネオ・ゴシック様式の新しい屋根が付け加えられた。

 

1999年に「ベルギーとフランスの鐘楼群」としてユネスコの世界遺産にも登録された鐘楼は、自由都市における市民の力の象徴。

 

366段の螺旋階段によって結ばれた最上部の高さは83mにも達し、街をどの建物よりも高い場所から見下ろしている。

マルクト広場

 

鐘楼が位置するマルクト広場は、カフェやレストランが建ち並ぶこの街の中心地。数多くの歴史ある建築物に彩られており、1878年から再建が始まったフランドル州庁舎はネオ・ゴシック様式が美しく、ハンザ商人の富を象徴するギルドハウスは王冠を被ったような切妻屋根が印象的。

 

マルクトとはオランダ語で「市場」を意味しており、12世紀には世界中の商人が集まる初めての国際市が開催された。今日でも毎週水曜日に朝市が開かれるほか、12月にはクリスマス・マーケットも催される。この広場から発着する街を散策できる馬車も、昔ながらの風情ある街並みを演出している。

マルクト広場

鐘楼が位置するマルクト広場は、カフェやレストランが建ち並ぶこの街の中心地。

 

数多くの歴史ある建築物に彩られており、1878年から再建が始まったフランドル州庁舎はネオ・ゴシック様式が美しく、ハンザ商人の富を象徴するギルドハウスは王冠を被ったような切妻屋根が印象的。

 

マルクトとはオランダ語で「市場」を意味しており、12世紀には世界中の商人が集まる初めての国際市が開催された。

 

今日でも毎週水曜日に朝市が開かれるほか、12月にはクリスマス・マーケットも催される。

 

この広場から発着する街を散策できる馬車も、昔ながらの風情ある街並みを演出している。

ブルグ広場

 

マルクト広場の裏手に位置する、ブルグ広場も由緒ある建築物が訪れる人々を魅了する。14世紀に建てられたブルージュの市庁舎はフランドル地方最古とも言われ、ゴシック様式の威厳溢れる外観が楽しめる。19世紀に庁舎内は綺麗にリノベーションされ、現在は資料館として用いられている。煌びやかなゴシック様式の会議室は、一見の価値あり。

 

また市庁舎の隣に佇む、聖血礼拝堂も必見。12世紀にロマネスク様式の教会として建てられ、十字軍に参加した際にフランドル伯が持ち帰ったキリストの血が祀られている。宗教的にも非常に重要で巡礼の地としても名高いことから、バジリカ教会(大聖堂)を名乗る特権が与えられている。

ブルグ広場

マルクト広場の裏手に位置する、ブルグ広場も由緒ある建築物が訪れる人々を魅了する。

 

14世紀に建てられたブルージュの市庁舎はフランドル地方最古とも言われ、ゴシック様式の威厳溢れる外観が楽しめる。

 

19世紀に庁舎内は綺麗にリノベーションされ、現在は資料館として用いられている。

 

煌びやかなゴシック様式の会議室は、一見の価値あり。

 

また市庁舎の隣に佇む、聖血礼拝堂も必見。

 

12世紀にロマネスク様式の教会として建てられ、十字軍に参加した際にフランドル伯が持ち帰ったキリストの血が祀られている。

 

宗教的にも非常に重要で巡礼の地としても名高いことから、バジリカ教会(大聖堂)を名乗る特権が与えられている。

世界遺産:ベギン会修道院

 

ベルギーやオランダなどフランドル地方で発展したベギン会とは、教会の周りに小さな集合住宅を建て単身女性たちが助け合いながら暮らした半聖半俗のコミュニティのこと。その文化的独自性と建築・都市計画的な価値が認められ、1998年には「フランドル地方のベギン会修道院群」としてユネスコの世界遺産にも登録された。

 

その中の代表例としても知られるこの街のベギン会修道院は、1245年にフランドル公爵夫人によって設立された。1604年に再建されたサント・エリザベス教会が見守る中庭は、15~18世紀に建てられた白塗りの住宅に囲まれている。18世紀末にフランス革命の波が押し寄せると消滅の一途をたどったが、代わってベネディクト会修道女たちが住まい、敷地内は今なお厳かな雰囲気に包まれている。

世界遺産:ベギン会修道院

ベルギーやオランダなどフランドル地方で発展したベギン会とは、教会の周りに小さな集合住宅を建て単身女性たちが助け合いながら暮らした半聖半俗のコミュニティのこと。

 

その文化的独自性と建築・都市計画的な価値が認められ、1998年には「フランドル地方のベギン会修道院群」としてユネスコの世界遺産にも登録された。

 

その中の代表例としても知られるこの街のベギン会修道院は、1245年にフランドル公爵夫人によって設立された。

 

1604年に再建されたサント・エリザベス教会が見守る中庭は、15~18世紀に建てられた白塗りの住宅に囲まれている。

 

18世紀末にフランス革命の波が押し寄せると消滅の一途をたどったが、代わってベネディクト会修道女たちが住まい、敷地内は今なお厳かな雰囲気に包まれている。

愛の湖公園

 

ベギン会修道院の南側に位置するのが、様々な言語で愛の湖と訳される水辺に広がる公園。湖の名前(オランダ語で「Minnewater」)の由来は諸説あるものの、かつてこの場所に住んでいたとされる水の精霊(「minnen」)にちなんでいると紹介されることもある。

 

ブルージュ市民の憩いの場であるとともに、人気のデートスポットとしても知られる。まるで恋人たちを祝福するかのように羽を休める白鳥の群れに、湖の水面に投影されるネオ・ゴシック様式の邸宅。緑豊かな公園は、いつ訪れても穏やかでロマンチックな雰囲気に包まれている。

愛の湖公園

ベギン会修道院の南側に位置するのが、様々な言語で愛の湖と訳される水辺に広がる公園。

 

湖の名前(オランダ語で「Minnewater」)の由来は諸説あるものの、かつてこの場所に住んでいたとされる水の精霊(「minnen」)にちなんでいると紹介されることもある。

 

ブルージュ市民の憩いの場であるとともに、人気のデートスポットとしても知られる。

 

まるで恋人たちを祝福するかのように羽を休める白鳥の群れに、湖の水面に投影されるネオ・ゴシック様式の邸宅。

 

緑豊かな公園は、いつ訪れても穏やかでロマンチックな雰囲気に包まれている。

聖母教会

 

この街の宗教の中心である聖母教会は、13世紀にトゥルネー風ゴシック様式を用いて建てられた。その鐘楼の高さは115,5mにも達し、レンガ造りの建物としては世界で2番目に高いことでも知られている。

 

教会内は様々な宗教芸術に彩られており、その中でもミケランジェロが手掛けた「聖母子像」の大理石彫刻は必見。またブルゴーニュ公シャルル・ル・テメレールとその娘マリ・ド・ブルゴーニュの彫像が横たわる1対の墓碑も見ごたえがある。

聖母教会

この街の宗教の中心である聖母教会は、13世紀にトゥルネー風ゴシック様式を用いて建てられた。

 

その鐘楼の高さは115,5mにも達し、レンガ造りの建物としては世界で2番目に高いことでも知られている。

 

教会内は様々な宗教芸術に彩られており、その中でもミケランジェロが手掛けた「聖母子像」の大理石彫刻は必見。

 

またブルゴーニュ公シャルル・ル・テメレールとその娘マリ・ド・ブルゴーニュの彫像が横たわる1対の墓碑も見ごたえがある。

メムリンク美術館(旧聖ヨハネ施療院)とグルートフーズ博物館

 

ヨーロッパでも最も古い歴史を持つと言われる旧聖ヨハネ施療院は、12世紀に設立された。現在はメムリンク美術館として公開されており、15世紀フランドル地方で活躍した画家ハンス・メムリンクが残した7つの最高傑作にも数えられる「聖ウルスラの聖遺物箱」などが展示されている。

 

この街を訪れたら見逃せないもう一つの美術館は、13~19世紀のブルージュゆかりの工芸品や調度品を集めたグルートフーズ博物館。中世のビール醸造に欠かすことのできない香草に関わる商取引で財を成した、グルートフーズ家の邸宅を利用している。聖母教会と隣接するよう1472年に建てられた、品のある礼拝堂も必見。

メムリンク美術館(旧聖ヨハネ施療院)とグルートフーズ博物館

ヨーロッパでも最も古い歴史を持つと言われる旧聖ヨハネ施療院は、12世紀に設立された。

 

現在はメムリンク美術館として公開されており、15世紀フランドル地方で活躍した画家ハンス・メムリンクが残した7つの最高傑作にも数えられる「聖ウルスラの聖遺物箱」などが展示されている。

 

この街を訪れたら見逃せないもう一つの美術館は、13~19世紀のブルージュゆかりの工芸品や調度品を集めたグルートフーズ博物館。

 

中世のビール醸造に欠かすことのできない香草に関わる商取引で財を成した、グルートフーズ家の邸宅を利用している。

 

聖母教会と隣接するよう1472年に建てられた、品のある礼拝堂も必見。

ブルージュについて詳しく知りたい!

基本情報

ウェスト・フランデレン州ブルージュ/Bruges(Brugge) (WEST-VLAANDEREN)

面積:140,99 km2

人口:12万人(2022年現在)

写真9枚目:Photoed by Dimitris Kamaras – Flickr

2023年3月6日:ページ更新

行き方

東京から直行便が就航しているブリュッセル国際空港や、フランス北部の中核と都市リールなどから電車で簡単に訪れることが出来ます。

 

ベルギーは比較的小さな国なので、レンタカーを借りて、ワロンの最も美しい村などベルギーに点在する小さな村巡りの拠点の街として滞在するのもお勧めです。

成田空港から直行便の飛行機に乗って、ブリュッセル国際空港へ。(約12時間)

 

ブリュッセル空港駅(Brussels Airport-Zaventem)から電車に乗って、ブリュッセル中央駅(Brussels-Central)へ。(約30分)

 

ブリュッセル中央駅から、ブルージュ駅(Brugge)へ。(約1時間)

ミシュラン星付きレストラン

2022年のミシュランガイドで一ツ星に輝いた、2つのレストランを紹介させて頂きます。

ブルージュの歴史地区を囲む運河からすぐ近くの場所に佇むこのレストランは、観光の合間にも利用しやすい立地です。20年以上に渡ってミシュラン3つ星を守り続けてきた伝説のシェフ、ヘルト・ヴァン・ヘッケ氏がよりリーズナブルな価格帯で料理を楽しめるようにと新たに開業したお店です。

 

美しい絵画に彩られた店内は、まるでお屋敷に招かれたかのような、家庭的でありながらも気品ある空間が広がります。前菜+メイン+デザートで構成されるコースは103€から。

ブリュージュ歴史地区から少し離れた閑静な住宅街に佇むこのレストランは、2006年から星を獲得し続けている名店。シェフのヘンク・ファン・アウデンホーヴェ氏は、ローストといった古くから存在する技法を好んで使い、伝統的な料理を至高の味わいへと昇華させます。

 

こだわりのシャルキュトリー+前菜+メイン+デザートで構成される、お昼のコースは55€からです。料理の内容に合わせて、お勧めのグラスワインがセットになったコースもお勧め。

特産品

運河沿いにセンスの良い土産物屋が数多く並んでいるので、買い物をするにはとても楽しい街です。ベルギー名物のフライドポテトやワッフルなども、街のカフェやスタンドなどで気軽に食べることが出来ます。

 

ここではブルージュを訪れたらぜひ味わいたい、お勧めの味を紹介させて頂きます。

ベルギーでは各地で様々な味わいのビールが作られていることで有名で、この街を代表する地ビールは世界的にもその名を知られる「ブルッグス・ゾット(Brugse Zot)」です。ビールの名は「気の狂ったブルージュ人」という意味で、神聖ローマ帝国マクシミリアン1世がこの街の反乱を収めたのちに、祭りの開催と新たな精神病院の建設を要求したブルージュ市民に対して、「ブルージュの城門をすべて閉めてしまえば、この街はすでに精神病院ではないか。」と言い放ったとの逸話にちなんでいます。

 

中心市街地には、今日でもビールの醸造所が営業をしているので、訪れたその場で作りたてのビールを味わってみるのもお勧めです。




ブルージュのお勧めホテル

ベルギーにある美しい村々を訪れるなら、ブルージュを拠点にしてみてはいかがでしょうか?

 

ホテルの予約はbooking.comが便利で、毎回お世話になっています。この街にあるお勧めの宿を紹介いたしますので参考にして頂ければ幸いです。

Booking.comの総合スコア9.5と高評価なこの宿泊施設は、この街の中心市街地の運河沿いに位置しているので観光にも便利。夜はライトアップも行われ、ロマンチックな雰囲気が楽しめます。内装や調度品にもこだわっていて、クラシカルかつエレガントな王道の空間。郷土料理を提供するレストランも併設されているので、食事を楽しみながらゆっくりと滞在するのにもお勧めです。宿泊者のニーズに応じた値段が異なり、料金は2名1泊で270€~470€です。

Booking.comの総合スコア9.7と高評価なこの宿泊施設は、美しい運河を望む立地で街の散策に便利。元々はブルゴーニュ公爵家の相談役を務めたヴァン・クリーフ侯爵家の邸宅として建てられ、白を基調とした気品ある空間が広がります。午後にはイギリス風のアフタヌーン・ティーなども提供しているので、いつもより少し贅沢な特別感のある滞在を楽しんでみても良いかもしれません。宿泊者のニーズに応じた値段が異なり、料金は2名1泊で380€~560€(朝食別)です。



Booking.com




ブルージュ近郊の美しい村

ワロンの最も美しい村

【牧歌的な景観が魅力】

 

ベルギーに行くなら、ベルギー南部に点在する「ワロンの最も美しい村」も訪れてみてはいかがでしょうか?長閑で素朴な魅力に溢れる村々は、煌びやかな都市とは異なるこの国のもう一つの魅力となっています。ワロン地方と言っても多様性に富んでおり、レンガや木組み、砂岩や石灰岩などそれぞれの村に個性が光ります。比較的小さなエリアに31の村が集中しているため、レンタカーなどを借りれば1日に何カ所も訪れる事が可能ですよ。

 

この地方の代表的な美しい村:クリュペ、セル、シャスピエールなど

ワロンの最も美しい村

【牧歌的な景観が魅力】

 

ベルギーに行くなら、ベルギー南部に点在する「ワロンの最も美しい村」も訪れてみてはいかがでしょうか?

 

長閑で素朴な魅力に溢れる村々は、煌びやかな都市とは異なるこの国のもう一つの魅力となっています。

 

ワロン地方と言っても多様性に富んでおり、レンガや木組み、砂岩や石灰岩などそれぞれの村に個性が光ります。

 

比較的小さなエリアに31の村が集中しているため、レンタカーなどを借りれば1日に何カ所も訪れる事が可能ですよ。

 

この地方の代表的な美しい村:クリュペ、セル、シャスピエールなど