【フランスの風格ある小さな街】とは?

【フランスの風格ある小さな街】とは何か?

「風格ある小さな街(Petites Cités de caractère)」のコンセプトは1976年にブルターニュ地方で生まれ、魅力的で質の高いコミューンに「風格ある小さな街(Petites Cités de caractère)」のブランドを与えることで、旅行者が訪問先としてその街を選ぶ目印となっています。その後、フランシュ・コンテ、ペイ・ド・ラ・ロワール、ポワトゥー・シャラント、シャンパーニュ・アルデンヌなどへ徐々に地域が拡大し、2009年には「フランスの風格ある小さな村(Petites Cités de caractère de France)」として全国組織の協会が設立され事務局はレンヌ(Rennes)に置かれています。また、中国の代表が視察を行うなど、国際的にも拡がりを見せようとしています。

コンセプトが生まれた背景として、かつて宗教・政治・軍事の中心であった街が、産業革命以降その都市機能が失われ、人口減少に悩まされるようになったことが挙げられます。しかし、街の財産を守るには多くの人々の力が必要であり、街の誇りとも言うべき建築物の価値を高めたいという住民の強い願いも後押ししました。

「風格ある小さな街(Petites Cités de caractère)」のコンセプトを通じて、街として限られた人口しか受け入れられない田舎でありながら、その歴史や財産の面では十分な質があり大都市に引けをとらない、そんな型にはまらない自治体の価値を高める活動をしています。そして、地域発展の原動力として世襲財産を守り、価値を高めていこうという共通の目的の下で多様なアクターを結びつけるプロジェクトを展開しています。

Le concept Petites Cités de Caractère® met en valeur des communes atypiques, à la fois rurales par leur implantation, leur population limitée, et urbaines par leur histoire et leur patrimoine de qualité. Le projet consiste à fédérer les différents acteurs autour d’un objectif commun : la sauvegarde et la valorisation du patrimoine comme leviers de développement du territoire.

2015年10月地域色豊かな小さな街広報誌―設立40周年を祝って

http://www.petitescitesdecaractere.com/fr/espace-presse

2018年現在は、準加盟も併せて136の自治体が加盟しています。

【加盟している自治体の一覧はこちらから】

【フランスの風格ある小さな街】の創設者

Ouest France, 2013年9月29日の記事より引用

創設したジャン・ベルナール・ヴィゲッティ(Jean-Bernard Vighetti)氏は、主にブルターニュ地方の観光促進に取り組み、2013年にはブルターニュ州文化委員会議長を務めた他、1980年から2004年まではレンヌ観光協会(Office du tourisme de Rennes)の理事、ブルターニュの芸術的な街(Cités d’art de Bretagne)設立や7月上旬に1週間に渡って開催される芸術祭「たそがれ(Tombée d’une nuit)」の開催などに携わりました。

また、1989年から2014年には人口約2,000人の小さな村ペイヤック(Peillac)の村長としても活躍しました。

「フランスの最も美しい村」との違いについて

「フランスの最も美しい村」協会と「フランスの風格のある小さな街」の間のもっとも大きな違いとして加盟できる自治体の人口規模があります。

「フランスの最も美しい村」協会:2,000人以下のコミューン
(※フランスの法律では、2,000人以下のコミューンについて「村(village)」と呼ばれる)
「フランスの風格ある小さな街」協会:6,000人以下のコミューン

そのため、「フランスも最も美しい村」協会の加盟村は同時に「フランスの風格ある小さな街」協会加盟することが出来ます。下記にリストを作りましたので参考にして頂ければと思います。

「フランスの最も美しい村」と「フランスの風格ある小さな街」の両方に加盟している村一覧
シャロルー(Charroux)

おまけ:【フランスの風格ある小さな街】の名称について

このパートについてはおまけですので、興味の無い方は飛ばしてください。

フランス語の正式名称は、「プティット・シテ・ド・キャラクテール(Petites Cités de caractère)」と言うのですが、まだ日本に定着した名前は無いようで「個性のある小さな町」や「特色のある小さな町」、「特徴的な小さな町」、「特徴のある小さな町」など様々な訳語が混在しているようでした。

公式Webサイトによれば、

「Cités」は、自治体の起源と都市的な世襲財産を想起させる。(pour rappeler leurs origines et leurs patrimoines urbains)
かつての中心的な都市であったという点と、フランスの法律的な「村(village)」を含む概念であることを考慮して「町」ではなく「街」を訳語としました。
「de caractère」は、唯一無二な街と力強く言葉にしがたいほど見事な建築物を表現する。(pour exprimer leur singularité, leur puissance d’évocation et leur splendeur architecturale souvent indicibles)
個人的には地域に根差した活動であるため「地域色豊かな」という訳語も検討しましたが、協会の意図を尊重して各自治体の威厳を高めるような「風格ある」という訳語を採用しました。
「petites」は、 今日の人口や財源の脆弱さを想起させる。(pour rappeler la faiblesse de leur population aujourd’hui et donc de leurs moyens.)
この訳語については「小さな」という最もポピュラーな訳としました。

「日本で最も美しい村」連合への加盟条件が概ね1万人以下の自治体ですので、ちょうどその中間ぐらいの組織と言えます。「フランスの風格ある小さな街」についてはまだまだ日本では知られていませんが、その取り組みは日本の自治体にとって参考に出来る部分が多くあるかもしれません。今後もより詳しく調べてみようと思います。

レンヌ(Rennes), Photoed by ludo38 – pixabay.com

 

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