マエスロラスゴ(Maestrazgo)にある標高約1300にある石灰岩の丘の絶壁の淵で、カンタビエハの村は歴史を積み重ねてきた。
カンタビエハは、13世紀にはテンプル騎士団の勢力圏にあり1211年にはすでに自治体憲章(carta puebla)を有していた。現在も残されている城壁や城はこの時代に築かれた。次いで1317年には聖ヨハネ騎士団の支配下となり19世紀まで勢力を保った。村内の主要なモニュメントは、聖ヨハネ騎士団支配の時代に建設されたものである。
またこの地は、「マエスロラスゴの虎」ラモン・カブレラ将軍が指揮をした19世紀のカルリスタ戦争(王位継承戦争)の重要な舞台としても知られている。村内には、カルリスタ戦争博物館があり、この緊迫した時代に起こった出来事について知ることが出来るため、興味のある人は訪れてみると良い。
この村の見どころは、3つの面がアーケード状になっているクリスト・レイ(Cristo Ray)広場である。左の面には、1730年から15年の月日を経て完成したアスンシオン(Asunción)教会がある。建築家アントニオ・ナダル(Antonio Nadal)によるバロック様式の建築が見事である。正面には役場庁舎があり、旗とエンブレムが掲げられている。
クリスト・レイ広場の入口には1612年にロマネスク様式で建てられた鐘楼がある。2014年に改装され、内部では1918年当時の学校の様子、カンタビエハ伝統の火祭り、18世紀の陶器コレクションなどに関する展示が行われている。
その他、1411年に建てられたサン・ミゲル(San Miguel)教会や、15世紀に使われていた冷蔵庫、1700年に建てられたロレート(Loreto)修道院など見どころも多い。
また伝統的な料理も豊かで、クルミとはちみつをベースに作られるナビダード・コカ(Navidad Coca)と呼ばれるお菓子や、カルナバル・ペロータス(Carnaval Pelotas)と呼ばれるパンくずと肉加工品をボール状に丸めた料理などを味わいたい。
城壁に囲まれたカルリスタ戦争の防衛拠点の周囲には雄大な大自然もあるので、この村を拠点にサイクリングをするのも爽快だろう。