ブルアージュ

Brouage

沼地に囲まれた要塞貿易港

大西洋に浮かぶオレロン島(Île d’Oléron)とロシュフォール(Rochefort)の中間地点、かつてはサントンジュ湾(Saintonge)へと続く塩貿易の港として栄えたが、現在は沼地となり要塞化された中世の都市ブルアージュを取り囲んでいる。村は、ケベック地域を築き、カナダのフランス領「ヌーヴェル・フランス」の父として知られる、サミュエル・ド・シャンプラン(Samuel de Champlain)の生まれ育った街としても名高い。

 

空からの眺めは、ブルアージュの村の様々な面を映し出すのに適している。沼地が生み出す一風変わった風景、100種を超える鳥類の楽園、中世において北ヨーロッパの国々へ塩を運び出していた塩税関としての機能、プロテスタントやラ・ロシェルの軍隊に対抗するため街を治めていたリシュリュー枢機卿(Cardinal de Richelieu)の命によって17世紀に築かれた要塞の姿がはっきりとわかる。

 

街を取り囲む壁は全長2km、高さ8m、7つの稜堡、 19の物見台によって構成されている。とりわけ外に突き出した稜堡は印象的で、1685年に軍事技術者として名高いヴォーバンの手によって改築が施されたことを示している。また、周囲の壁の上を歩けば、地平線まで沼地が広がる眺望に息を呑むことだろう。

 

村内には王立の鍛冶場、地下貿易港、火薬庫など往時の繁栄を伝える数多くの歴史的な建物が残されている。また、煉瓦づくりが印象的なアール・オ・ヴィーヴル(Halle aux vivres)と呼ばれる屋内型の市場は、現在軍事建築の資料センターとして活用されているほか、ブルアージュと塩貿易に関する常設展が行われているので時間に余裕があれば立ち寄って見ると良いだろう。

 

13世紀に建てられたサン・ピエール教会(Église Saint-Pierre)は、村の中央に堂々とした姿で佇む。教会内部では、村と縁深い「ヌーヴェル・フランス」についての展示物や17世紀に莫大な富を成した塩の貿易商などの墓、フランスとケベックの友好を祝すステンド・グラスなどを見ることが出来る。

 

村にはルイ14世と宰相を務めたマザラン枢機卿の姪だったマリー・マンシーニの間に起きた、17世紀の悲恋の物語が語り継がれている。結婚を誓い合うほどの恋に落ちた二人だったが、スペインとの和平の証しとして政略結婚が取り決められたため、絶対に叶わぬ恋となり二人は引き裂かれ、マンシーニはブルアージュの地へと幽閉された。今でも村には、スペイン王女との結婚後、この街に立ち寄った若きルイ14世が失恋の思いで涙を流したと言われる、マリー・マンシーニの階段(Escalier Marie Mancini)が残されているので、二人の辛い過去を想像しながら登ってみると良いだろう。

 

砦の壁の外の天日塩田は牡蠣やムール貝の養殖場や放牧へと姿を変え、村の中にあった職人の工房兼販売所は、品のいいブティックへと入れ替わり、シャラント地方の建築に特徴的なシンプルで明るいファサードからなる街並みを活気づけている。沼地に閉じ込められたブルアージュの過去の運命に思いを馳せながら村を散策すると、未来に向かって進んでいる美しい村としての真の姿が浮かび上がってくるだろう。




シャラント・マリティーム県イエ・ブルアージュ村ブルアージュ/Brouage (Hiers-Brouage, CHARENTE-MARITIME)

面積:31,35 km2 (イエ・ブルアージュ村

人口:626人(2016年現在)(イエ・ブルアージュ村

公共交通機関の場合:

パリ・モンパルナス駅(Paris Montparnasse 1 et 2)からTGVに乗ってラ・ロシェル駅(La Rochelle)下車。(約3時間20分)

ラ・ロシェル駅(La Rochelle)で在来線に乗り換えて、ロシュフォール駅(Rochefort)下車。(約40分)

ロシュフォール駅(Rochefort)駅からタクシーに乗って、ブルアージュへ(※約30分)

車の場合:

ボルドー(Bordeaux)から170km(約2時間)

飛行機の場合:

ボルドー・メリニャック空港から170km(約2時間)

「フランスの最も美しい村」協会 加盟村(2017年より加盟)

2019年02月27日:ページ更新

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