オートワール

Autoire

険しい崖に囲まれた「小さなヴェルサイユ」

石灰岩台地の密集するコース・ド・グラマ(Causse de Gramat)地方で、滝のように切り立つ石灰岩の崖に谷間にオートワールの村は佇んでいる。周囲の険しい谷の様子は、ジュラ地方で見られる山地の斜面をスプーンでえぐったような圏谷を彷彿とさせる。

 

村の低くなった部分には17世紀の建築の特徴である屋根から飛び出す三角窓が印象的な17世紀のラロック・デルプラ(Laroque-Delprat)家住宅や、15世紀の館に防衛のための増・改築を繰り返したリマルグ(Limargue)城がある。また、村の小高い場所にはローズ(lauze)と呼ばれる板石の屋根に覆われたハト小屋が美しい、16世紀の終わりに建設されたビュスキーユ(Busqueille)城がそびえ立っている。

 

カステルヌノー(Castelnau)家やグラマ(Gramat)家の属領となった後、14世紀にはテュレンヌ(Turenne)公の属国となった。しかし彼らの下で街が保護されていたにも関わらず、すでにケルシー地方でも勝利を収めていたイングランド軍によって攻囲されてしまった。イングランドの城(chèateau des Anglais)とも呼ばれる村の城の一つは、百年戦争の際に市民兵の隠れ家として使用された。付近にある30mの高さから流れ落ちるオートワールの滝(Cascade d’Autoire)も必見である。

 

ペイリュス・ド・バンズ(Peyrusse de Banze)の城と共に要塞化されたオートワールの村は1562年にカルヴィン主義者によって荒廃させられ、1588年まで平和が戻ることはなかった。現在の唯一の残存物は、11世紀にその歴史を遡るサン・ピエール教会である。村内の他の建物とは異なる、少し黒みのあるローズ(lauze)のみを使用し屋根葺きされ、彫刻が施されたロマネスク様式の建物が美しい。100年戦争の際に四角い鐘楼は嵩上げされ、銅製の4匹のイルカに潤いをもたらす泉の広場を飾り立てている。

 

村内には、上階が張り出す四角いハト小屋や、円錐型の屋根が特徴的なかつての封建領主の館ジャンティヨミエール(Gentilhommière)などが数多く残っている。かつて「小さなヴェルサイユ(Petit Versailles)」との名でも呼ばれ田舎の保養地ともなったオートワールの村は、城・館・ハト小屋などが赤みがかった褐色の屋根の下で一体となり唯一無二の景観を生み出している。

ロット県オートワール/Autoire(LOT)

面積:7,15km2

人口:356人(2015年現在)

公共交通機関の場合:

トゥールーズ・マタビオ駅(Toulouse-Matabiau)からSNCFに乗って、カプドナック駅(Capdenac)で乗り換えて、グラマ駅(Gramat)へ(※最も早い乗り換えルートで約3時間)

グラマ(Gramat)からタクシーに乗って、オートワールへ(※約20分)

車の場合:

トゥールーズ(Toulouse)から180km(約2時間)

ボルドー(Bordeaux)から260km(約3時間)

飛行機の場合:

トゥールーズ・ブラニャック空港から180km(約2時間)

ボルドー・メリニャック空港から270km(約3時間)

「フランスの最も美しい村」協会 加盟村

Photoed by Montvalent – pixabay.com

2018年7月28日:ページ更新

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