【2012年】第1位:サン・シル・ラポピー/Saint-Cirq-Lapopie|フランス人が選ぶお気に入りの村


ミディ・ピレネー/ロット県(Midi-Pyrénées / Lot)

「フランスの最も美しい村」協会 加盟村

カオールから30kmほどの場所にあるサン・シル・ラポピーは、思わず息を呑むような急斜面に佇む。ロット渓谷を見下ろす素晴らしいパノラマや、中世から変わらずに残る建築物など、人生で一度は訪れる価値のある場所である。

【魔法にかけたれた村】

この地域に生まれたエミリーさんは、10年前にこの村に恋に落ちて、地元の産品を販売する小さな商店を開業した。彼女はこう語る。

「この村のすべての小路は中世の趣を残していて、今でも騎士が飛び出してくる姿を想像できるんです。まるで魔法にかけられているかのようです。」

フォワグラやアカシアの蜂蜜など、この地域の豊かな食を求めて多くの観光客が彼女のお店を訪れる。

【芸術家に愛される特別な地】

また、村の美しい景観は多くの芸術家を魅了し、とりわけシュルレアリスムの父としても知られるアンドレ・ブルトンは1950年にこの村の魅力に惹きつけられた。生涯を遂げるまで、毎年夏になるとオーベルジュ・ド・マリニエと呼ばれる家で過ごした。その部屋は彼がこの世を去った時のまま保存されている。アンドレ・ブルトンは、サン・シル・ラポピーについてこう語っている。

私は別の場所で、私自身であることを願うことをやめました。/J’ai cesse de me desirer ailleurs…

芸術家として村を離れることは出来ないと語るメリダさんのアトリエなど、今日でも多くの店が軒を連ね、村は賑わいを見せている。

【受け継がれる伝統】

かつては、皮なめし職人、鋳掛屋、轆轤鉋(かんな)工などの職人が豊かな村の生活を支えていた。例えば、最盛期には38名の轆轤鉋職人がいたとされるが、現在は村で生まれたパトリックさん一人で伝統工芸品を作り続けている。木の持つ色や香りといった自然の魅力が、訪れる客の心をつかんでいるのだという。このように、今日でも博物館やアトリエがこれら伝統の再興に努めている。

【大自然の中で散歩】

村を降りると、ロット川の崖を沿うように掘られた人工の道がある。かつては商品運搬のための主要路として用いられていたが、現在は芸術家による彫刻などが施され、大自然の中での散歩や遊覧船での川下りを楽しむことが出来る。

 

【フランスで1番美しい村】

山頂に印象的にそびえる要塞化されたゴシック様式の教会からは、滝のように連続する褐色の瓦屋根、アーケードを備えた絵葉書のような民家、可愛らしい木骨組みの家々、城門や険しい小路が一体となる調和した街並みを見下ろすことが出来る。フランスで1番美しい村をいつまでも眺めたい。

【一緒に読みたい】

このページでは、フランス2のテレビ番組「Le Village préféré des Français」の公式チャンネルから、各村の紹介を取り上げ、運営者が日本語でまとめの記事を作成しています。

※フォトクレジット:Photoed by samboep – pixabay.com

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