【2016年】第1位:ロシュフォール・アン・テール/Rochefort-en-Terre|フランス人が選ぶお気に入りの村

2016年の「フランス人が選ぶお気に入りの村」で1位となったロシュフォール・アン・テールに関して、3つの動画が公開されています。

①番組放送前のプロモーション・ビデオ(約1分)

②番組本番での村の紹介(約10分)

③1位を祝すセレモニーと村の様子(約10分)

※2012年~2015年のような村の紹介に興味があるという方は、②を見ることをお勧めします。

今年はフランスの大人気司会者ステファン・ベルンさん(Stéphane Bern)が、実際に村を訪れて村人にインタビューを行っているのでその様子にも注目してください!

では、美しい村ロシュフォール・アン・テールの魅力を余すところなく楽しんでくださいね!

 

▼村の詳しい説明はこちらから

【ロシュフォール・アン・テール】ゼラニウムの花に彩られた村

【ロシュフォール・アン・テール】プロモーション・ビデオ

まずは、番組放送前のプロモーション・ビデオをご覧ください!

ブルターニュの小さな村ロシュフォール・アン・テールが2016年の「フランス人が選ぶお気に入りの村」にノミネートされました。この村は、カフェで語り合ったり、のんびりしたり、街並みを眺めるのに最高の場所であることは間違いありません。中世の旧市街の美しさ、牧歌的な風景の中で宝石のように佇む村の姿、花崗岩とシストで造られた石造りの建築物は訪れる人々を魅了するのは、忘れられない街の散策を約束します。

この村に一度足を踏み入れれば、必ずや恋に落ちます。

ロシュフォール・アン・テールでは地元の名産や昔ながらの職人仕事。村を彩る花々の香りが皆様を待っています。(ぜひとも投票してくださいね!)

ということで、この短い映像でもすでに村の素晴らしさが伝わってきますが、ぜひ本番の村紹介も見てみてくださいね!

↓次の動画に続きます。

【ロシュフォール・アン・テール】村の紹介動画

ブルターニュ/モルビアン県(Bretagne / Morbihan)
「フランスの最も美しい村」協会 加盟村

【小さくとも歴史あるブルターニュの村】

ボンジュールと村人と気さくに挨拶を交わすステファンさんが、ロシュフォール・アン・テールの村を紹介します!

「ブルターニュに到着しました。感じますか?海も近くにあるんです。今回はロシュフォール・アン・テールという村へと向かいます。しかし、なぜロシュフォール・アン・テールと呼ぶか知っていますか?19世紀終わりに地域の都市計画が発達した時、フランス国内に17もの『ロシュフォール』という場所があったんです。他の『ロシュフォール』と区別するために『ロシュフォール・アン・テール』という村の名前になりました。」

ギューゾン渓谷(Vallée du Gueuzon)を見下ろす岩山の上に佇むロシュフォール・アン・テールの村はブルターニュで最も小さな村の一つで、697人の住民しか住んでいません。

ただ、ロシュフォール・アン・テールの村は小さいというだけではなく、ブルターニュで最も歴史ある村でもあり、街の始まりは12世紀に遡ることが出来ます。そして、実はヨーロッパで最も歴史あるカフェが残っているのです。その名も「カフェ・ブルトン」(Café Breton)。中央通りに店を構え、1544年の創業です。

この中央通りでは、細部に至るまで実に入念に手入れがなされています。案内表示板は統一感があり、小路は綺麗に石畳が敷かれ、一年中活気に溢れています。

【陶芸のデモンストレーションに拍手喝采】

生き生きとした村の秘訣は、受け継がれてきた村の魅力を、スペクタクルを見ているかのように楽しむことが出来ることです。今日では、村の中央のマルシェ広場に陶芸のアトリエを構えるミシェルさんが、先代からバトンを受け取り伝統を守っている。制作の様子を一般に公開して、多くの訪問客の心を掴んでいる。

ステファンさん:「とても印象的ですね。気取ったようでありながら、手の動きは官能的でもある。」
ミシェルさん:「女性と接するときのように」
ステファンさん:「ということは、ミシェルさんはもてるということですね。」
ミシェルさん:「今はもうダメだね。 笑」

そんな、冗談交じりの楽しい会話を交わす二人。

ミシェルさん:「確かに、すべての陶芸家の人生は上手く回ってるね。だって赤ワインを飲んだ次の日には女性の所に忍び込んでるからね。」

※轆轤を回す(tourner)、順調である(tourner rond)、丸い(rond)、四角い(carreé)、忍び込む(encarrer)

ステファンさん:「あなたは、陶芸家というより、もはや役者ですね。」
ミシェルさん:「これで完成です!」

観衆を巻き込んでミシェルさんを称える歓声が起こる。

そんな拍手喝采が沸き起こる日常では、ポスト・カードに描かれた世界が覆い隠されてしまうかのようだ。つまり、この村を訪れると本当にこの村の民家で生活しているかのような気持ちになる。ロシュフォール・アン・テールは、家族的な空気が流れて入れ、通りに出ると人と人が交流する楽し気な雰囲気で溢れている。

【村の銘菓:クイニーアマン】

ところで、ロシュフォール・アン・テールの住民は名物のクイニーアマンのような所があるかもしれない。つまり、素朴でありながら寛大な人柄/リッチな味わい(Généreux)なのだ!

ステファンさん:「クイニーアマンとは何ですか?」
店員さん:「パン生地をバターと砂糖と一緒に発酵させて焼いたお菓子です。」
ステファンさん:「大量にバターが入ってるんじゃないですか?」

店員は首を傾げ、食べてみて試してくださいとでも言いたげな表情。お互い顔を見合わせながら笑い合う。ステファンさんは冗談を交わしながら、試食用のクイニーアマンを配って訪問客と交流をする。

ロシュフォール・アン・テールでは、美味しいクイニーアマンを食べることが出来るのでぜひお試しあれ。

【思わず恋に落ちる石造りの建築物】

この村の魅力はお菓子だけではない。ロシュフォール・アン・テールの歴史に詳しいジラールさんにお話を伺った。

ステファンさん:「あなたはこの村の歴史家ですよね。」
ジラールさん:「はい、長くこの村でガイドを行いながら、この村の歴史を調査に情熱を注いできました。」
ステファンさん:「この村に足を踏み入れると、村が歴史を物語るかのように佇んでいるような印象を受けるんです。」
ジラールさん:「テーマパークであるかどうかはわかりませんが、この村は長い歴史を持っていますし、街の成り立ちは12世紀に遡ることが出来るのです。」
ステファンさん:「あなたもこの村に初めて訪れた時、私と同じような印象を受けましたか?」
ジラールさん:「その通りです。建築物の保存状態は見てわかるように素晴らしく、信じられません。」
ステファンさん:「石の建築材が多く使われていませんか?」
ジラールさん:「シストや花崗岩が多く使われています。というのも、この2種類の石は周辺の地域で多く産出されているのです。
ステファンさん:「色々と聞かせてください。私たちは村の中心にいるんですよね?」
ジラールさん:「ここは村に2つある大きな広場のうちの1つで、村のポストカードなどでもよく使われている場所です。」
ステファンさん:「どのような経緯でジラールさんはロシュフォール・アン・テールの村で生活をするようになったんですか?」
ジラールさん:「愛の物語がありました。」
ステファンさん:「女性のためでしたか。好きな女性のためにこの村に来たのですか?」
ジラールさん:「ある部分ではそうだね。それでも、この村の建物の質の高さにも惚れました。ロシュフォール・アン・テールを訪れる多くの人々が恋に落ちるのもそうした部分でしょう。

【ゼラニウムの街:村を変えた1人の画家の物語】

ジラールさんが語った恋物語もさることながら、ロシュフォールを特別な場所にした美しい物語も残されている。

その物語は20世紀初頭に遡る。1人のアメリカ人画家がこの小さな街に恋に落ちた。彼はこの村を世界で1番美しい村にしようと決心する。

その画家の名は、アルフレッド・クロッツ(Alfred Klots)。12世紀に建てられ廃墟と化した城を購入して、今日村を見守る豪華な館へと改装した。

しかし、それだけではない。この時代に、彼は村に新たな活力を生み出す別の取り組みも行った。それは、愛らしい村の景観を創り出すため、最も美しく花々に彩られたバルコニーを表彰するコンクールを開催する、という1つのアイデアだった。ゼラニウムの花の愛好家だった彼は、すべての住民に自宅を彩るのに必要な花を贈り、彼の夢は実現した。

今日ロシュフォール・アン・テールが、ゼラニウムの街(Cité du Géranium)という愛称で呼ばれるのもそうした理由からである。

ロシュフォール・アン・テールのジャン=フランソワ村長は、1人の画家から生まれたコンクールの開催当時の様子がわかる貴重な資料を大切に保管している。

村長:「この掲示物は1911年の資料です。城の持ち主だったクロッツ氏によって作られ、例えば窓の装飾のルールなどについて書かれています。最優秀賞には25フランの賞金が与えられました。」
ステファンさん:「つまり彼は、ロシュフォール・アン・テールの住民のためにコンクールを実施したんですね!そして、この村が今日最も美しい花の村として認識される最初のきっかけを作ったのですね。」
村長:「その通りです。そして今、私たちの村には彼のような素晴らしい仕事をする造園家がいます。」
ステファンさん:「花のバルコニーは、今日では花の村と呼ばれていますね。そして村長は伝統を途絶えさせることなく受け継いでいる。

考えてみてください。ロシュフォール・アン・テールは、花の村のラベルが創設される前から、花のある生活に誇りを持っていた。そして現在、ゼラニウムの花が本物の文化として定着している。少数精鋭による村専属の園芸家が、9,000以上の苗を栽培し、村を一年中飾り立てる。

【村の挑戦:ノートルダム・ド・ラ・トロンシェ教会の改修】

しかし村が立ち向かうべき試練はこれだけではない。現在役場が挑戦しているのは、ノートルダム・ド・ラ・トロンシェ教会(Église Notre-Dame-de-la-Tronchaye)の修復である。街が成立した少し後になって建設され、村を探索するには必ず横を通過しなければならない大切な場所にある。住民の伝承によると、ある牧師が12世紀に聖母マリアの形をした木製の像を発見した。尊敬の意を込めて住民たちは像を発見した場所に教会を建設することを決めたのだそう。

歴史は非常に美しい・・・のだが、事実はもう少し複雑だ。基礎作らずに建てられた石の教会は、地殻変動の影響を受けているにもかかわらず補修もされずに時間だけが過ぎていた。2度の改修計画を経て、未だに立っていたのが奇跡だったという結果が示された。最後の工事は教会の鐘楼であり、全部で8カ月の期間を要する屋根の改修が残されている。

ステファンさん:「このガーゴイル像は素敵ですね。像の中で少し植物が育っているのが見えます。花壇としても活用できますね!」

そんなジョークを言いながら教会の鐘の下まで登ったステファンさんは、絶景に思わず息を呑む。

ステファンさん:「美しいですね。村の全体を一望できて、本当に素晴らしいです。」

大工のジャン=ルイさんは贈り物を用意して待っていてくれた。屋根の改修に関するすべての仕事を垣間見ることが出来るのだ。昔ながらの仕事のやり方はすごく珍しいものになってしまったが、先人から受け継いだ遺産を守っていくことは賞賛に値する。屋根に取り付ける前に、石材の形を整え、時代の欠片をつなぎ合わせながら、鐘楼に再び命を与える。

ステファンさん:「今は何の作業をしているところなんですか?」
ジャン=ルイさん:「今は同僚が形を整えてくれたアルドワーズを張り付けているんです。」
ステファンさん:「どういう形状のアルドワーズを張り付けていけば良いのですか?」
ジャン=ルイさん:「実は形状についてはそこまで重要じゃないのです。見てわかるように、すべてのアルドワーズが規則正しく並んでいるわけではありません。」
ステファンさん:「だから、あなたの匙加減一つで決めて良い訳ですね。すべて屋根を葺き終えるまでに後どのくらいの期間が必要ですか?」
ジャン=ルイさん:「おそらくあと2か月程度というところでしょうか。」
ステファンさん:「本当に印象的な仕事です。考えても見てください。この村を訪れる観光客は、必ずや皆さんの素晴らしい仕事の成果を見ることになるのですよ!もしかしたらこの教会を見た小さな子供たちが、10年後には大工を志すかもしれませんね。本当に素敵でした。今日はありがとうございます。」

さて、リアルタイムではこの時点で順位はわからない状態で、番組は結果発表へと移ります。最高の名誉を授けられた瞬間のロシュフォール・アン・テール住民の様子は次の映像をご覧ください。

↓次の動画に続きます。

【ロシュフォール・アン・テール】1位を祝すセレモニー

司会のステファンさんは、過去4年にわたって行われた「フランス人が選ぶお気に入りの村」で1位に選ばれた村は平均で40%ほど観光客が増加するという話をしていました。村にとっては、大きな経済的な効果も期待できますね!

村長さんは明日から大混雑が予想されることが悩みと語っている反面、喜びに溢れた表情をしていたのが印象的でした。

また、2015年に同番組で1番に輝いたプルマナックの村長からも祝福のメッセージが届いていました。2年連続でブルターニュの村が最高位を獲得しましたが、映像からもブルターニュ村民の熱狂が伝わってきますね。

【一緒に読みたい】

このページでは、フランス2のテレビ番組「Le Village préféré des Français」の公式チャンネルから、各村の紹介を取り上げ、運営者が日本語でまとめの記事を作成しています。

※フォトクレジット:Photoed by Terres de France Resort & hotel nature – Flickr

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