【2013年】第2位:ロクロナン/Locronan|フランス人が選ぶお気に入りの村

ブルターニュ/フィニステール県(Bretagne / Finistère)
「フランスの最も美しい村」協会 加盟村
まずは、フランスの大人気司会者ステファン・ベルンさん(Stéphane Bern)による紹介です。
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今年の「フランス人が選ぶお気に入りの村」で見事第2位に輝いた村は、海から数キロ程離れた場所に佇む、灰色に薄い青色を帯びた花崗岩で覆われた魅力ある小さな街です。時が止まったかのようなオーセンティックな村で、その手つかずの建築物は、数多くの映画の撮影にも使われました。例えば、1892年に書かれたトーマス・ハーディの小説を原作とした映画『テス(Tess)』やジャン=ピエール・ジュネ監督による『ロング・エンゲージメント(Un long dimanche de fiançailles)』などです。
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▼村の詳しい紹介はこちらから
【麻帆布の名産地】
ここが、映画の舞台となったロクロナンです。この魅力あふれるブルターニュの村の周囲は自然に囲まれ、カンペールから17キロ程離れた場所に位置しています。皆様による投票の結果第2位に選ばれたこの集落は、花崗岩の民家やサン・ロナン教会など数百年に渡って変わらぬ街並みを留めています。
村に受け継がれる無形の技を継承するのは、この村出身のエルヴェ・ル・ビアン(Hervé Le Bihan)さんです。この村の魅力を語る上で、欠かすことの出来ない人物でしょう。エルベさんは、この村の最後の機織職人で小さい頃から村の歴史に興味を持っていたそうです。
ブルターニュの歴史は15世紀から18世紀にかけて10世代にも渡る帆布生産と結びついており、その高品質の麻帆布は世界中の海軍に使用されました。
【フィニステール名物:クイニーアマン】
近年では毎年45万人以上の観光客が訪れ、愛すべき歴史的な石の建築物は多くの人々を惹きつけていますが、美味しい食べ物もこの村の魅力のひとつです。それというもの、名物クイニーアマン屋さんの横を素通りすることは出来ないでしょうからね。
クイニーアマンはバターのお菓子で、パン生地・バター・砂糖から作られています。これらを全体の均質性を保つために数回折り込むだけというシンプルなレシピは、1860年に偶然の産物として発明されました。
*ブルターニュ地方以外では日常的に無塩バターを使用している。
【神聖なサン・ロナン教会】
ロクロナンを訪れたならば、15世紀の教会を訪れない訳にはいきません。この地域でキリスト教の布教を行ったアイルランド人の聖ロナンの墓が収められており、村の名前は「ロナンの地」という意味に由来しています。
この聖人を称えるために、住民は6年に1度グランド・トロメニー(La Grande Troménie)と呼ばれる礼拝行進を開催し、昔ながらの衣装を纏いながら村の周囲で行列を行います。ロクロナンの村民は現在準備の真っ最中で、この祭りは7月に開催されます。
もし今年の夏ブルターニュでヴァカンスを過ごすのであれば、絶対に見逃せないイベントです。
【地元の住民だけが知る村のもう一つの顔】
エルベさんが村のもう一つの魅力を紹介してくれました。案内に従って教会の塔の上に到着すると、村とデュアルヌネ湾を一望出来る素晴らしいパノラマが広がっていました。
(ブルターニュの伝統音楽と共に踊る人々)
村から離れる前に、地元のバーに立ち寄るのを忘れないでくださいね。活気に溢れた伝説的な時代の雰囲気を味わうことが出来ます。
【一緒に読みたい】
※このページでは、フランス2のテレビ番組「Le Village préféré des Français」の公式チャンネルから、各村の紹介を取り上げ、運営者が日本語でまとめの記事を作成しています。
※2019年9月より動画が「Le Pays préféré des Français」へと移り、現在動画は非公開となっております。