【紹介動画】コロンジュ・ラ・ルージュ/Collonges-La-Rouge|フランス人が選ぶお気に入りの村(2012年)

リムーザン/コレーズ県(Limousin / Correze)

「フランスの最も美しい村」協会 加盟村

リムーザンとケルシーの間に位置するコロンジュ・ラ・ルージュの村の名は、民家に使用される石の色にちなんでいる。燃えるような石の色は訪れる人々を驚かせ、コレーズの地で中世から続くこの村に比類のない特徴を与えている。このような独自性を持つ貴族の屋敷や歴史ある民家などは、コロンジュ・ラ・ルージュを「フランスの最も美しい村」と呼ぶにふさわしい類まれなる建築物群と言えるだろう。

 

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【コロンジュ・ラ・ルージュ】赤色と生きる最も美しい村運動発祥の地

【赤い石造りの民家】

ブリーヴ・ラ・ガイヤルドから19キロ程離れた場所に位置するのが、皆様による投票の結果第9位に選ばれたコロンジュ・ラ・ルージュ。別名「25の塔を持つ街」とも呼ばれるこのリムーザンの真珠は、燃え上がるような色に包まれた個性あふれる村である。

エリック・ペイロノー(Eric Peyronnaud)さんは、この村の赤い中世の小路に惹かれ15年ほど前にこの地に腰を据えた。

エリックさん:「コロンジュ・ラ・ルージュの名は、この村を形成する建物に使用されている石の色に由来しています。私たちは砂岩の地理的断層の上に住んでいて、酸化鉄が混ざることにより、村全体を赤色に染め上げているのです。

観光客は赤色の石を目当てにこの村へ訪れ、工芸品を販売する商店へ立ち寄りながら、小路が入り組む小さな街のそぞろ歩きを楽しむ。ここには皆を喜ばせるものしかないのだ。

観光客:「ここは一年を通じて、人が住んでいるのですか?」
エリックさん:「もちろん、ここは常に人の住む生きた村です。約400人の住民がいて、冬になると観光客は少なくなりますが、とても温かくて優しいコロンジュの村民が暮らしています。

【コレーズ名物:ナイフ】

コロンジュ・ラ・ルージュにて、エリックさんが営む金物製品の工房を訪ねた。妻と共に、この地域の名産であるコレーズのナイフの製造と販売をしている。

エリックさんの奥様:「ここのナイフはコレーズで作られる製品のように、ずっしりと力強さがあります。そしてコレーズ地域のシンボルである栗の木の葉が柄の部分に飾られます。」
エリックさん:「私たちの田舎では、幼年時代を終えると父親と母親がナイフをプレゼントしてくれます。だから、このナイフは私たちにとって誇りでした。一人前の男になるという事だったのです。

エリックさんのナイフは同時に、ある一人の女性へ幸せをはこんだ。玄関口にナイフが結んだ素晴らしい出会いが飾られている。

 

エリックさん:「これは、ヒラリー・クリントンさんから頂いた感謝のお手紙です。コレーズに訪問された際に、寄せ木細工の技法で片側にアメリカの星条旗、もう一方の側にフランス国旗の模様を施した特別なナイフを作ったのです。」

【マスタードを使ったオリジナルレシピ】

エリックさんは自ら作ったナイフを片手に、コレーズ風の食事をするため村の広場へと出かけた。

私たちは集落に8件あるレストランの内のひとつへ来ている。この店舗の名物はマスタード。18種類のマスタードを味わうことができ、特に人気があるのはブドウ果汁をベースにコロンジュ村で作られるスミレ色のマスタードである。

このマスタード屋さんのシェフは、すべての料理の味付けはもちろん、デザートにまでマスタードを使用する。皆さんも家で黒マスタード風味のチョコレートケーキを試してみてはいかがだろうか?

シェフ:「ほろ苦くて少し刺激のある味わいを想像しているかもしてませんが、皆さんの抱いているマスタードのイメージとは全く異なるものです。マスタードは非常に甘みがあって香り豊かで、一度食べると新たな発見が待っています。」

このレストランを良く知るエリックさんにとっては、すでにもう新しい発見では無くなっているかもしれません。

エリックさん:「私のデザートですね!本当に美味しいです。」

【村に伝わる歴史と伝説】

この村にあるすべてのテラス席は最高の眺めを提供して、時の流れが止まったかのような気持ちにさせる。844年から村はフランス王家とは独立していたテュレンヌ公によって統治され、美しい建築物でこの街を飾り立て始めた。

エリックさん:「ここには美しい建築物しかありません。とりわけ、貴族の屋敷や城館。ここは田舎の保養地で、今の時代でいえばサン・トロペのような場所と言えるかもしれません。」

この特別な空間は多くの映画の撮影にも使われた。

エリックさん:「この村から電柱や電線を無くした結果、たくさんの映画がこの村で撮られるようになりました。(ジュール・ルナールの小説を原作とした1932年の映画)『にんじん(Poil de Carotte)』や(テオフィル・ゴーティエの小説を原作とした1961年の映画)『キャプテン・フラカス(Capitaine Fracasse)』。ここは本当に魔法のような村です。

エルベさんが村のもう一つの魅力を紹介してくれた。案内に従って教会の塔の上に到着すると、村とデュアルヌネ湾を一望出来る素晴らしいパノラマが広がっていた。

魔法は村の郊外にある林の中にも存在した。赤土の小路を散歩すると、かつてコロンジュ村民を何代にも渡って震え上がらせてきた「悪魔の椅子」と呼ばれる岩が表れる。

エリックさん:「伝説によれば、ある満月の夜に現れた悪魔の王を迎えるために、魔女がこの岩の周りに集まったと言われています。現在、この有名な悪魔の椅子に腰を掛けると、50年のさらなる命が得られると言われています。」

50年の寿命が与えられたエリックさんですが、コロンジュ・ラ・ルージュについて間違いないと考えていることがあります。

エリックさん:「フランスにはとても美しい村がたくさんあります。でもこの場所は本当の魂が与えられた場所なのです。それは豊かな建築物やその特別な色もそうですが、住民の親切心のおかげです。それが、コロンジュ・ラ・ルージュという村なのです。」

【一緒に読みたい】

※このページでは、フランス2のテレビ番組「Le Village préféré des Français」の公式チャンネルから、各村の紹介を取り上げ、運営者が日本語でまとめの記事を作成しています。

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