クリュペ/Crupet

 

【水面に映し出される中世の城を望む村】

 

穏やかな流れの小川に縁どられたこの村は、

水車を用いた多くの職人の営みによって賑わいを見せた。

その歴史を13世紀に遡る領主の城は、

威厳を保ちつつも自然と共存する牧歌的な姿が印象的。

「ワロンの最も美しい村」協会の本部が置かれたこの村は、

12世紀の鐘楼を持つ教会から巡礼者も訪れる20世紀の人工洞窟まで、

住民の誇りとなる様々な文化遺産を守り続けている。

クリュペ/Crupet

 

【水面に映し出される中世の城を望む村】

 

穏やかな流れの小川に縁どられたこの村は、水車を用いた多くの職人の営みによって賑わいを見せた。

 

その歴史を13世紀に遡る領主の城は、威厳を保ちつつも自然と共存する牧歌的な姿が印象的。

 

「ワロンの最も美しい村」協会の本部が置かれたこの村は、12世紀の鐘楼を持つ教会から巡礼者も訪れる20世紀の人工洞窟まで、住民の誇りとなる様々な文化遺産を守り続けている。




クリュペ城

 

池の水面に幻想的な姿を映し出すのは、13世紀に建てられたクリュペ城。石灰岩で建てられた重量感のある姿が印象的で、16世紀に入ると木の骨格にレンガを組み合わせた上階部分と、階段として用いるための塔が付け加えられた。

 

城から橋で結ばれたすぐ目の前の敷地はかつて堀と城壁に囲まれていたと考えられており、領主の農場として用いられていた。現在は北側に建てられた家畜小屋および穀物庫と、跳ね橋の名残が残る正面門が残されている。

クリュペ城

池の水面に幻想的な姿を映し出すのは、13世紀に建てられたクリュペ城。

 

石灰岩で建てられた重量感のある姿が印象的で、16世紀に入ると木の骨格にレンガを組み合わせた上階部分と、階段として用いるための塔が付け加えられた。

 

城から橋で結ばれたすぐ目の前の敷地はかつて堀と城壁に囲まれていたと考えられており、領主の農場として用いられていた。

 

現在は北側に建てられた家畜小屋および穀物庫と、跳ね橋の名残が残る正面門が残されている。

サン・マルタン教会

 

墓地の塀に囲まれた小高い丘の上に佇むのは、サン・マルタン教会。茶色い砂岩と白い石灰岩の美しい色の対比を、教会前に植えられた樹齢100年を超えるシナノキが惹きたてる。最も古い塔の建設は12世紀に遡り、17世紀に洋梨のような膨らみを持つ小尖塔が付け加えられた。

 

教会内は白を基調としており、石灰岩の円柱が空間を彩る。ロマネスク様式の伝統的な洗礼盤や、1607年に亡くなったこの村の領主、ギヨーム・ド・カロンデレの横臥彫像とゴシック様式の墓石などが見どころとなっている。

サン・マルタン教会

墓地の塀に囲まれた小高い丘の上に佇むのは、サン・マルタン教会。

 

茶色い砂岩と白い石灰岩の美しい色の対比を、教会前に植えられた樹齢100年を超えるシナノキが惹きたてる。

 

最も古い塔の建設は12世紀に遡り、17世紀に洋梨のような膨らみを持つ小尖塔が付け加えられた。

 

教会内は白を基調としており、石灰岩の円柱が空間を彩る。

 

ロマネスク様式の伝統的な洗礼盤や、1607年に亡くなったこの村の領主、ギヨーム・ド・カロンデレの横臥彫像とゴシック様式の墓石などが見どころとなっている。

司祭館

 

サン・マルタン教会のすぐ隣に位置しているのは、かつて神父が生活をした司祭館。建物南側の壁に鉄を加工して作られた1654の数字が刻まれていることから、その歴史は少なくとも17世紀に遡ると考えられている。

 

綺麗にリノベーションされた建物は、現在「ワロンの最も美しい村」協会の本部として用いられている。また観光協会も併設されているので、ベルギーの美しい村めぐりやクルペ集落の位置するアセス町観光の拠点としても訪れてみると良いだろう。

司祭館

サン・マルタン教会のすぐ隣に位置しているのは、かつて神父が生活をした司祭館。

 

建物南側の壁に鉄を加工して作られた1654の数字が刻まれていることから、その歴史は少なくとも17世紀に遡ると考えられている。

 

綺麗にリノベーションされた建物は、現在「ワロンの最も美しい村」協会の本部として用いられている。

 

また観光協会も併設されているので、ベルギーの美しい村めぐりやクルペ集落の位置するアセス町観光の拠点としても訪れてみると良いだろう。

サン・タントワーヌ・ド・パドゥーの洞窟

 

司祭館の西側には、サン・タントワーヌ・ド・パドゥーの洞窟がある。聖アントワーヌの生涯を追体験できるようになっており、悪魔を撃退する場面があることから別名「悪魔の洞窟」の名で呼ばれることもある。

 

この洞窟はクルペ司祭を務めたジュール・ジェラール聖堂参事会員の発案により、1900年から1903年にかけて住民と力を合せることで建設された。当時は社会主義と自由主義の台頭によって宗教的な影響力が弱まった時期であり、ジェラール司祭は住民の信仰心を高めるためにこのような宗教建築物を造らせた。

サン・タントワーヌ・ド・パドゥーの洞窟

司祭館の西側には、サン・タントワーヌ・ド・パドゥーの洞窟がある。

 

聖アントワーヌの生涯を追体験できるようになっており、悪魔を撃退する場面があることから別名「悪魔の洞窟」の名で呼ばれることもある。

 

この洞窟はクルペ司祭を務めたジュール・ジェラール聖堂参事会員の発案により、1900年から1903年にかけて住民と力を合せることで建設された。

 

当時は社会主義と自由主義の台頭によって宗教的な影響力が弱まった時期であり、ジェラール司祭は住民の信仰心を高めるためにこのような宗教建築物を造らせた。

水車小屋

 

この村を流れる小川の畔には水車の跡が数多くみられ、かつて油や紙の製造や金属の鋳造、ビールの醸造などに携わる職人が生活していたことを今に伝えている。その中でも黒い瓦を被った「アヴィロン・ムーラン」と呼ばれる建物は、1885年に火災によって消失してしまったものの、その歴史を1495年に遡ることの出来るこの村で最も古い水車小屋だったと知られている。

 

またさらに上流には、1770年に建てられた「デルヴォサル」と呼ばれる建物がある。水車を使って紙を作っていたと考えられており、空気を取り入れるための大きな窓が取り付けられた最上階は紙を乾かす場所として用いられていた。19世紀に入ると農業用の施設へと変わり、水車も小麦を挽くために活用された。

水車小屋

この村を流れる小川の畔には水車の跡が数多くみられ、かつて油や紙の製造や金属の鋳造、ビールの醸造などに携わる職人が生活していたことを今に伝えている。

 

その中でも黒い瓦を被った「アヴィロン・ムーラン」と呼ばれる建物は、1885年に火災によって消失してしまったものの、その歴史を1495年に遡ることの出来るこの村で最も古い水車小屋だったと知られている。

 

またさらに上流には、1770年に建てられた「デルヴォサル」と呼ばれる建物がある。

 

水車を使って紙を作っていたと考えられており、空気を取り入れるための大きな窓が取り付けられた最上階は紙を乾かす場所として用いられていた。

 

19世紀に入ると農業用の施設へと変わり、水車も小麦を挽くために活用された。

セルについて詳しく知りたい!

ベルギーの最も美しい村

ナミュール州アセス町クリュペ/Crupet (Assesse, PROVINCE DE NAMUR)

面積:78,16 km2 (アセス町)

人口:6,964人(アセス町、2018年現在)

2022年9月20日:ページ更新

行き方

ビールでも有名なナミュール州の小さな街シネイから運行している、バスで訪れることが出来ます。ただし1日の便数が限られているため、近郊の街からタクシーを利用するのがお勧めです。

 

2022年にこの村を訪れた際はレンタカーを利用しました。ワロン地方の牧歌的な風景を眺めながらの、思い出に残るドライブになりますよ。

ブリュッセル中央駅(Bruxelles-Central)から電車に乗って、シネイ駅(Ciney)下車。(約1時間30分)

 

シネイ駅前停留所(CINEY/Gare d’autobus)からワロン公共交通(TEC wallon)の128番線(ligne 128)に乗って、クルペ:サン・ロッシュ礼拝堂停留所(CRUPET/Chapelle St-Roch)下車(約30分)

ブリュッセル(Bruxelles)から90km(約1時間)

デュッセルドルフ(Düsseldorf)から210km(約2時間20分)

ブリュッセル国際空港から80km(約1時間)

デュッセルドルフ国際空港から220km(約2時間20分)




クリュペのお勧めホテル

村内がオレンジに輝く夕暮れ時や、夜のライトアップ、朝霧に包まれた街並みなど、時間によって様々な表情を見せるのが美しい村の魅力。

 

ベルギーの最も美しい村の予約はbooking.comが便利で、毎回お世話になっています。2022年に実際に宿泊したホテルも含め、クリュペにあるお勧めの宿を紹介いたしますので参考にして頂ければ幸いです。

Booking.comのロケーションスコア9.3と高評価なこの宿泊施設は、クリュペ城まですぐの場所に位置しているので村の散策に便利。水車小屋の項目でも紹介させて頂いた、1770年に建てられた「デルヴォサル」と呼ばれる建物を綺麗にリノベーションしており、村の大切な文化財の中で宿泊することが出来ます。木の梁がむき出しになった客室は趣がありますよ。2022年にベルギーと日本の美しい村協会を結んでのオンライン学習会をコーディネートした際に宿泊させて頂きましたが、とても満足感のある滞在が出来ましたので自信を持ってお勧めさせて頂きます。特に地元の食材にこだわった朝食は絶品でした。料金は2名1泊で90€(朝食別)です。



Booking.com




【一緒に訪れたい美しい村】

クリュペから車で20分(30km)

クリュペから車で60分(60km)

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