イタリア南部のガッリーポリ・コニャート自然公園(Parco Naturale di Gallipoli Cognato)のほど近く、ドロミーティ・
村の名前は、10~11世紀にこの地域一帯を支配していたノルマン人のピエトラペルトーザ城(Castello di Pietrapertosa)とブリンディジ・モンターニャ城(Castello di Brindisi di Montagna)を結ぶ道の中間地点だったこの場所に要塞を築いたことに由来する。(※イタリア語で「castello」は城、「mezzano」は中央の意味)その後、1310年に村はポテンツァ(Potenza)司教区の管轄となり、次いで1324年にアチェレンツァ(Acerenza)司教区へと渡った。宗教権力と結びついたことで村は繁栄の時代を迎えた。
カステルメッツァーノの一番の見どころは、13世紀に建てられた聖母マリア教会(Chiesa Madre di Santa Maria)である。地元で採れる石を用いて建設され、内部ではオルモ(Olmo)と呼ばれる子供と聖母マリアの14世紀の木製の像が保管されている。その他、村内にはサント・セパルクロ礼拝堂、マドンナ・デッラニュンツィアータ(※聖マリアの受胎告知)礼拝堂、サン・マルコ礼拝堂、レジーナ・チェリ(天の女王)サンタ・マリア礼拝堂などがある。
また街の中には村の最後の領主を務めたデ・レルマ公邸(palazzo ducale dei De Lerma)をはじめ、メルリーノ邸(Merlino)、パッレッラ邸(Parrella)、コイロ邸(Coiro)、パテルノ邸(Paternò)、カンパーニャ邸(Campagna)など数多くの館が構えているので探して歩くのも楽しい。
1805年に封建権力が消滅すると村から人々が離れていき、19世紀前半には自然と一体化し、密林に覆われた独特な地理的条件から山賊の隠れ家として用いられていたこともあった。
この村を訪れたら、子羊のハーブ風味や子ヤギのグリルを試してみると良いだろう。またバジリカータ州特産のクルストーレ(crustole)と呼ばれるバラ型のクリスマス菓子も試してみたい。
かつてノルマンノ・スヴェーヴォ(normanno-svevo)の要塞だった名残から、岩を削って作られた細くて急な階段が山の上まで続いている。バセント川(Basento)が流れる渓谷を見張るための高台も、現在では素晴らしい景色を眼下に映し出し多くの人の目を楽しませている。