サン・キラン

Saint-Quirin

クリスタルのように煌めくロレーヌの聖地

ヴォージュ山脈の小さな丘の麓にサン・キランは佇んでいる。マツやブナ、ナラの木々が立ち並ぶ周囲を取り囲む広大な森には、多くの野生動物や鳥が生息している。村を守護する聖人への信仰心から巡礼の地としても栄えた。

 

山の上のクロワ・ギヨーム(Croix-Guillaume)と呼ばれる場所は、1世紀~3世紀のガロ・ローマ時代の遺跡が残り、かつての山頂文化を今に伝える。

 

サン・キランの村の名は、132年のローマ皇帝ハドリアヌス統治時代にローマの軍隊が仕えた神クイリヌス(Quirinus)に由来している。千年を超える長い歴史の中で受け継がれてきた豊富な文化財を有し、栄光の時代を今に伝える。

 

村の中央に構えるプリオラル教会は1722年に建てられた。三段の球体が重ねられた独特な屋根が特徴的で、バロック様式の美しいシルエットには思わず見とれてしまう。17世紀初頭に数多くの名高いオルガンを製造してきたジルバーマン(Silbermann)によって1746年に製造されたオルガンも必見。また、同じく「フランスの最も美しい村」に加盟するエギスハイム出身のローマ教皇レオン9世の妹によって1050年に持ち込まれた、聖キランの聖遺物も大切に保護されている。

 

プリオラル教会は、現在は牧師館として使用されていているかつての小修道院に囲まれている。教会を少し下ったところには、聖キランの御加護によって肌の病気を治すと言われている奇跡の泉があるので併せて訪れて見ると良いだろう。

 

小高い山の上に佇む礼拝堂は1180年の建築で、ロマネスク様式が美しい。キリストの昇天祭(Ascension)の日には、プリオラル教会から聖キランの聖遺物を運ぶ礼拝行列が執り行われ、丘の上の礼拝堂へと運ばれる。

 

15世紀にこの土地を統治していたマルムーティエ修道院がレッテンバッハ(Lettenbach)集落にガラス製品の工房を建設し、後のルイ15世の時代には「王室御用達工房」の名を獲得し栄光の時代を迎えた。このガラス工房は1844年に廃業となってしまったが、その建物は現在子供用の施設として使われている。

 

村内にはクリスタル・ガラスをはじめ、多くのアトリエがあるので立ち寄ってみると良いだろう。また一年を通じて、コンサートやマルシェなど多くのイベントも開催されており、タイミングを合わせて何度も訪れたくなる村である。

 

周りの山々の鮮やかな緑に縁取られたサン・キラン村。褐色の屋根と共に浮かび上がるこの村を鳥のさえずりを聴きながら散策すれば、清々しい気分になるだろう。

モゼル県サン・キラン(サンキラン)/Saint-Quirin (MOSELLE)

面積:53,34 km2 

人口:722人(2016年現在)

公共交通機関の場合:

パリ東駅(Paris Est)からTGVに乗って、ナンシー駅(Nancy)下車。(約1時間40分)

ナンシー駅からSNCFに乗って、サルブール駅(Sarrebourg)下車(約40分))

サルブール駅前からタクシーに乗って、サン・キラン旧市街へ(約20分)

車の場合:

ナンシー(Nancy)から90km(約1時間10分)

ストラスブール(Strasbourg)から90km(約1時間10分)

パリ(Paris)から440km(約4時間30分)

飛行機の場合:

ストラスブール国際空港から80km(約1時間10分)

パリ・シャルル・ド・ゴール国際空港から430km(約4時間20分)

「フランスの最も美しい村」協会 加盟村

2020年01月02日:ページ更新

スポンサーリンク




次の美しい村を巡る