アプルモン・シュル・アリエ

Apremont-sur-Allier

祖父の意思を継いだ理想の村

ロワール川支流のアリエ川沿いに、パルク・フローラル(Parc floral:「花の公園」の意)に縁どられたアプルモン・シュル・アリエの城が映し出される。

 

フランス・ベリー地方の小さな村は、ボカージュ(bocage)と呼ばれる民家が林に囲まれた風景が多くみられる。かつては石切工や輸送を行う船頭の住む平和な村で、ここで採れた石はオルレアンのサント・クロワ大聖堂(Cathédrale Sainte-Croix d’Orléans)やサン・ベノワ・シュル・ロワール大修道院(Abbaye de Saint-Benoît-sur-Loire)、村の外れに佇む船乗りの家などに用いられている。

 

中世にはブルゴーニュ公国によってアプルモンの城が所有され、強固な要塞化がなされた。それから4世紀後の1894年に、1722年より城を所有していた家族の末裔アントワネット・ド・サン・ソヴール(Antoinette de Saint-Sauveur)と結婚したフランスの実業家ウジェーヌ・シュネデール2性(Eugene Schneider II)によって城が管理されることとなった。1942年に亡くなるまで、彼は建築家であり室内装飾家のジャン・フランソワ・ガレア(Jean-François Galéa)の協力を得ながら、城と村内の民家の修復に情熱を注いだ。

 

シュネデールの孫のジル・ド・ブリサック(Gilles de Brissac)は祖父の意思を受け継ぎ、1970年からはイギリスのシシングハースト・カースル・ガーデン(Sissinghurst Castle Garden)から着想を得た城の周囲に拡がる英国式庭園パルク・フローラルの制作に取り掛かった。「Fabrique(※18世紀の空想上の建物のミニチュア)」というアイデアに着想を受けた中国風の橋やトルコ風のパヴィリオンなどが建ち異国的な雰囲気を醸し出している。池や滝など水が流れる庭は、1000種類を超える樹木や花々の香りや色に包まれている。

 

また、パルク・フローラルに置かれた高台を飾り立てる9つのパネルは、完成に10年もの月日が費やされ、近郊の街ヌヴェール(Nevers)の陶器で作られた。ウクライナの画家アレクサンドル・セレブリャコフ(Alexandre Sérébriakoff)はイタリア喜劇プルチネッラ(Pulcinella)をモチーフに異世界を描き、訪れた人はイマジネーションの世界へと旅行することが出来る。

 

瑠璃色の川に、くすんだ茶色の屋根に覆われた民家。生き生きとした緑の庭に、水色の屋根と象牙色の城。カラフルな花々に飾られた村を散歩して、柔らかな色の移り変わりを楽しみたい。

シェール県アプルモン・シュル・アリエ(アプルモンシュルアリエ)/Apremont-sur-Allier(CHER)

面積:30,69km2

人口:71人(2015年現在)

公共交通機関の場合:

パリ(Paris)方面からクレルモン・フェラン方面のSNCFに乗って、ヌヴェール(Nevers)駅下車

ヌヴェール(Nevers)駅からタクシーで、アプルモン・シュル・アリエへ(約30分)

車の場合:

パリ(Paris)から270km(約2時間40分)

リヨン(Lyon)から260km(約3時間)

飛行機の場合:

パリ・シャルル・ド・ゴール国際空港から300km(約3時間)

リヨン・サン・テグジュベリ(Lyon-Saint Exupery)空港から、アプルモン・シュル・アリエ(Apremont-sur-Allier)まで280km(約3時間10分)

「フランスの最も美しい村」協会 加盟村

注目すべき庭園(Jardin remarquable):フランス文化省

  • パルク・フローラル(Parc Floral)

Photoed by GabrielDeSiam – pixabay.com

2018年8月4日:ページ更新

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