オンフルール/Honfleur
【ノルマンディーの可愛らしい港町】
フランス北部セーヌ川の河口に位置するこの街は、
その美しい港の景観で多くの芸術家を魅了した。
歴史地区の石畳が敷かれた道の脇に建ち並ぶのは、
ノルマンディー地方らしい木組みの民家や
深い青色の板石にファサードが覆われた建物。
中世にタイムスリップしたかのような街並みが残り、
可愛らしい土産物屋や雑貨屋などが軒を連ねる。
フランス北部セーヌ川の河口に位置するこの街は、
その美しい港の景観で多くの芸術家を魅了した。
歴史地区の石畳が敷かれた道の脇に建ち並ぶのは、
ノルマンディー地方らしい木組みの民家や
深い青色の板石にファサードが覆われた建物。
中世にタイムスリップしたかのような街並みが残り、
可愛らしい土産物屋や雑貨屋などが軒を連ねる。
フランス北部セーヌ川の河口に位置するこの街は、その美しい港の景観で多くの芸術家を魅了した。
歴史地区の石畳が敷かれた道の脇に建ち並ぶのは、ノルマンディー地方らしい木組みの民家や深い青色の板石にファサードが覆われた建物。
中世にタイムスリップしたかのような街並みが残り、可愛らしい土産物屋や雑貨屋などが軒を連ねる。
絵葉書のように美しいこの街の港には、青を基調としたグラデーションが美しい建物が水面へと映し出される。一年を通じて漁船やヨットが停泊しており、周囲にはレストランやカフェなどが軒を連ねる活気溢れるエリアとなっている。夜になるとライトアップされ、旧港全体がロマンチックな雰囲気に包まれる
現在の港は17世紀にルイ14世の下で財務総監を務めた、ジャン=バティスト・コルベールの命によって拡張された姿がそのまま残されている。とりわけ港の西側に位置するサント・カトリーヌ河岸は拡張工事以前の面影も留めており、16~18世紀に建てられた歴史ある建築物が建ち並ぶ。
絵葉書のように美しいこの街の港には、青を基調としたグラデーションが美しい建物が水面へと映し出される。
一年を通じて漁船やヨットが停泊しており、周囲にはレストランやカフェなどが軒を連ねる活気溢れるエリアとなっている。
夜になるとライトアップされ、旧港全体がロマンチックな雰囲気に包まれる
現在の港は17世紀にルイ14世の下で財務総監を務めた、ジャン=バティスト・コルベールの命によって拡張された姿がそのまま残されている。
とりわけ港の西側に位置するサント・カトリーヌ河岸は拡張工事以前の面影も留めており、16~18世紀に建てられた歴史ある建築物が建ち並ぶ。
港の入口に佇む旧総督の館(La Lieutenance)はその歴史を14世紀に遡ることができ、中心市街地の周囲が要塞化されていた時代を今に伝える貴重な建物となっている。1684年からフランス革命までフランス国王代理官によって用いられていたことが、現在の名前の由来となっている。
また同じく旧港沿いに佇む、オンフルール海洋博物館も一見の価値あり。建物はこの街で最も歴史ある14世紀の旧サン・テティエンヌ教会を活用しており、美しいステンドグラスの下で海にまつわる様々なコレクションが展示されている。特に18~19世紀にかけて大きな富をもたらした漁船や貿易船の模型は、この街の歴史を語る上で欠かすことの出来ない資料となっている。
港の入口に佇む旧総督の館(La Lieutenance)はその歴史を14世紀に遡ることができ、中心市街地の周囲が要塞化されていた時代を今に伝える貴重な建物となっている。
1684年からフランス革命までフランス国王代理官によって用いられていたことが、現在の名前の由来となっている。
また同じく旧港沿いに佇む、オンフルール海洋博物館も一見の価値あり。
建物はこの街で最も歴史ある14世紀の旧サン・テティエンヌ教会を活用しており、美しいステンドグラスの下で海にまつわる様々なコレクションが展示されている。
特に18~19世紀にかけて大きな富をもたらした漁船や貿易船の模型は、この街の歴史を語る上で欠かすことの出来ない資料となっている。
旧港からほど近い旧市街に佇む、サント・カトリーヌ教会はフランスで最も大きな木造建築の教会として知られる。その歴史は12世紀に遡り、当初は石造りの教会だったと言われている。百年戦争の際にイギリス軍によって破壊された後、周辺地域に豊富にあった森林資源と海運によって栄えたことで発展した造船技術を活かして、15世紀に木造建築の教会として再建された。
美しいゴシック様式の教会は、16世紀に改築された当時の姿を留めている。教会内部に足を踏み入れると、まるで船底をひっくり返したかのような天井に魅了される。この街の復興を願った船大工たちの、地元への強い思いを感じることが出来るだろう。また火災に備えて、教会とは独立して建てられた15世紀の鐘楼も必見。
旧港からほど近い旧市街に佇む、サント・カトリーヌ教会はフランスで最も大きな木造建築の教会として知られる。
その歴史は12世紀に遡り、当初は石造りの教会だったと言われている。
百年戦争の際にイギリス軍によって破壊された後、周辺地域に豊富にあった森林資源と海運によって栄えたことで発展した造船技術を活かして、15世紀に木造建築の教会として再建された。
美しいゴシック様式の教会は、16世紀に改築された当時の姿を留めている。
教会内部に足を踏み入れると、まるで船底をひっくり返したかのような天井に魅了される。
この街の復興を願った船大工たちの、地元への強い思いを感じることが出来るだろう。
また火災に備えて、教会とは独立して建てられた15世紀の鐘楼も必見。
1つは火災によって取り壊されてしまったものの、中心市街地に残る2つの塩倉庫は港町として発展してきたこの街の歴史を伝える重要な文化財となっている。港で採れた魚を塩漬けにして保存するため、コルベール財務総監の許可の下で1万トンもの塩を保管していた。ちなみに、この場所に運び込まれた塩の大部分は、「フランスの最も美しい村」協会に加盟するブルアージュからもたらされたと記録されている。
港の拡張工事の際に取り壊された城壁の石材を再利用する形で、1670年に建てられた石造りの倉庫。サント・カトリーヌ教会と同じく地元の船大工らが手掛けたもので、天井が船底のような形になっているのが特徴である。現在は各種文化イベントや会議などに用いることの出来る、多目的ホールとして活用されている。
1つは火災によって取り壊されてしまったものの、中心市街地に残る2つの塩倉庫は港町として発展してきたこの街の歴史を伝える重要な文化財となっている。
港で採れた魚を塩漬けにして保存するため、コルベール財務総監の許可の下で1万トンもの塩を保管していた。
ちなみに、この場所に運び込まれた塩の大部分は、「フランスの最も美しい村」協会に加盟するブルアージュからもたらされたと記録されている。
港の拡張工事の際に取り壊された城壁の石材を再利用する形で、1670年に建てられた石造りの倉庫。
サント・カトリーヌ教会と同じく地元の船大工らが手掛けたもので、天井が船底のような形になっているのが特徴である。
現在は各種文化イベントや会議などに用いることの出来る、多目的ホールとして活用されている。
この街の美しい景観は多くの芸術家を魅了し、19世紀にはオンフルール学派と呼ばれる新しい潮流が生み出された。その中心にいたのがこの街出身の芸術家で「空の王者」とも謳われるウジェーヌ・ブーダンであり、彼の名前を冠した美術館ではノルマンディー地方の長閑な景観を描いた多くの芸術作品を目にすることが出来る。
野外での作品制作を好んだブーダンは、『睡蓮』などの代表作で知られるクロード・モネの才能をいち早く見出したことでも知られ、オンフルール学派は後に印象派へと至る先駆的な芸術表現を生み出した。モネ自身もこの街に滞在中に、数多くの作品を残している。
この街の美しい景観は多くの芸術家を魅了し、19世紀にはオンフルール学派と呼ばれる新しい潮流が生み出された。
その中心にいたのがこの街出身の芸術家で「空の王者」とも謳われるウジェーヌ・ブーダンであり、彼の名前を冠した美術館ではノルマンディー地方の長閑な景観を描いた多くの芸術作品を目にすることが出来る。
野外での作品制作を好んだブーダンは、『睡蓮』などの代表作で知られるクロード・モネの才能をいち早く見出したことでも知られ、オンフルール学派は後に印象派へと至る先駆的な芸術表現を生み出した。
モネ自身もこの街に滞在中に、数多くの作品を残している。
既存の常識にとらわれない作風から「音楽界の異端児」と称されることもある、19世紀末を代表する作曲家エリック・サティもこの街出身の芸術家として欠かすことの出来ない人物。彼の生家は生前の創作活動にまつわる様々な資料と共に、「サティの家」として一般公開されている。
ノルマンディーらしい木組みの民家の中に足を踏み入れれば、彼の作風をイメージした前衛的な世界が広がっている。真っ白に塗られた空間に純白のグランドピアノが置かれた一室では、代表作として知られる『ジムノペディ』がひとりでに奏でられている。
既存の常識にとらわれない作風から「音楽界の異端児」と称されることもある、19世紀末を代表する作曲家エリック・サティもこの街出身の芸術家として欠かすことの出来ない人物。
彼の生家は生前の創作活動にまつわる様々な資料と共に、「サティの家」として一般公開されている。
ノルマンディーらしい木組みの民家の中に足を踏み入れれば、彼の作風をイメージした前衛的な世界が広がっている。
真っ白に塗られた空間に純白のグランドピアノが置かれた一室では、代表作として知られる『ジムノペディ』がひとりでに奏でられている。
旧市街の外れに位置するサン・レオナール教会は、ノルマンディー地方では珍しい八角形の鐘楼が印象的。建物の大部分は17~18世紀に再建されたもので、フランボワイアン・ゴシック様式が用いられている。正面扉は15世紀末の作品と考えられており、豊かな装飾と繊細な彫刻で訪れる人々を楽しませている。
また街を見下ろす高台に佇むノートルダム・ド・グラース礼拝堂は、自然に囲まれた小さくて可愛らしい建物が魅力的。11世紀初頭にノルマンディー公リシャール2世によって建てられた由緒正しき教会で、現在の建物は17世紀に再建されたものである。教会内には船の模型などが飾られ、かつては船乗りの家族が航海の安全を祈った。
旧市街の外れに位置するサン・レオナール教会は、ノルマンディー地方では珍しい八角形の鐘楼が印象的。
建物の大部分は17~18世紀に再建されたもので、フランボワイアン・ゴシック様式が用いられている。
正面扉は15世紀末の作品と考えられており、豊かな装飾と繊細な彫刻で訪れる人々を楽しませている。
また街を見下ろす高台に佇むノートルダム・ド・グラース礼拝堂は、自然に囲まれた小さくて可愛らしい建物が魅力的。
11世紀初頭にノルマンディー公リシャール2世によって建てられた由緒正しき教会で、現在の建物は17世紀に再建されたものである。
教会内には船の模型などが飾られ、かつては船乗りの家族が航海の安全を祈った。
この街と対岸の世界遺産にも登録されるノルマンディー地方の中心都市ル・アーヴルとを結ぶノルマンディー橋も、知る人ぞ知る隠れた名所。セーヌ川の河口に架けられたこの橋は、斜張橋としては世界最長を誇る。優美な流線形を描くその近代美から、デザイン性も国際的に高く評価されている。
またフランスでも最大規模を誇る温室内で、鳥や蝶が自由に飛び回る姿を見ることの出来るナチュロスパス(Naturospace)も家族連れに人気のスポット。熱帯地方原産の動植物が数多く栽培・飼育され、カラフルで愛らしい生き物たちと間近で触れ合うことが出来る。
この街と対岸の世界遺産にも登録されるノルマンディー地方の中心都市ル・アーヴルとを結ぶノルマンディー橋も、知る人ぞ知る隠れた名所。
セーヌ川の河口に架けられたこの橋は、斜張橋としては世界最長を誇る。優美な流線形を描くその近代美から、デザイン性も国際的に高く評価されている。
またフランスでも最大規模を誇る温室内で、鳥や蝶が自由に飛び回る姿を見ることの出来るナチュロスパス(Naturospace)も家族連れに人気のスポット。
熱帯地方原産の動植物が数多く栽培・飼育され、カラフルで愛らしい生き物たちと間近で触れ合うことが出来る。
カルヴァドス県オンフルール/Honfleur (CALVADOS)
面積:13,67km2
人口:6,733人(2019年現在)
写真5枚目:Photoed by Barry Skeates – Flickr
写真6枚目:Photoed by Jim Linwood – Flickr
写真7枚目:Photoed by Dr Bob Hall – Flickr
写真8, 9枚目:Photoed by Frédéric BISSON – Flickr
2022年3月14日:ページ更新
パリから電車、次いでバスに乗り継いで約3時間ほどで訪れることが出来ます。日帰りも可能ですが、町内に見どころも豊富なため1泊すると良いでしょう。
またレンタカーを借りて、ノルマンディー地方に点在する小さな村や街巡りの拠点にするのもお勧めです。モネを初めとする印象派の画家たちが愛した、道中ではノルマンディー地方の美しい自然を車窓から楽しむことが出来ますよ。
パリ・サン・ラザール駅(Paris Saint-Lazare)からSNCFに乗って、ドーヴィル・トゥルーヴィル(Deauville-Trouville)駅下車(※約2時間10分)
ドーヴィル (DEAUVILLE/Gare Routière)駅前停留所から、ノルマンディー交通(Nomad Car)20番線のバスに乗って、オンフルール・アルベール・ソレルバス停留所(HONFLEUR /Place A. Sorel)下車(※約40分)
もしくは、
パリ・サン・ラザール駅(Paris Saint-Lazare)からSNCFに乗って、ル・アーヴル(Le Havre)駅下車(※約2時間20分)
ル・アーヴル(LE HAVRE/Gare Routière)駅前停留所から、ノルマンディー交通(Nomad Car)20番線、39番線もしくは50番線のバスに乗って、オンフルール中心市街地へ(※約40分)
パリから190km(約2時間20分)
パリ・シャルル・ド・ゴール国際空港から210km(約2時間30分)
ノルマンディー地方にある美しい村々を訪れるなら、オンフルールに泊ってみてはいかがでしょうか?
ホテルの予約はbooking.comが便利で、毎回お世話になっています。オンフルールにあるお勧めの宿を紹介いたしますので参考にして頂ければ幸いです。
Booking.comの総合スコア9.0と高評価なこの宿泊施設は、ラグジュアリー・ホテル・グループである「ルレ・エ・シャトー」にも加盟し、質の高いホスピタリティが魅力。可愛らしい木組みの建物に宿泊することができ、ノルマンディー地方の魅力を満喫出来ます。色とりどりの花々に彩られた庭園も見事で、セーヌ川を眺めながらのんびりとした時を過ごすことが出来ますよ。宿泊者のニーズに応じた様々なグレードの部屋があり、料金は2名1泊で400€~640€(朝食別)です。
Booking.comの総合スコア9.5と高評価なこの宿泊施設は、18世紀の館をリノベーションした風情あるホテルです。サント・カトリーヌ教会から徒歩5分ほどの場所に位置しているため、街の散策に便利。アンティーク調の客室は、落ち着きのある大人の空間が広がります。宿泊者のニーズに応じた様々なグレードの部屋があり、料金は2名1泊で260€~420€です。
ノルマンディー地方の白い崖の麓に佇み、村内には藁ぶき屋根の民家が数多く残ります。ヴィクトル・ユゴーなど数多くの芸術家・文筆家に愛された事でも知られています。
17世紀に建設された木造市場が、村の中央広場のシンボル。20世紀フランスを代表する作曲家モーリス・ラヴェルもこの村に滞在して、楽曲を残しました。