【紹介動画】フラヴィニー・シュル・オズラン/Flavigny-sur-Ozerain|フランス人が選ぶお気に入りの村(2013年)

ブルゴーニュ/コート・ドール県(Bourgogne / Côte d’Or)

「フランスの最も美しい村」協会 加盟村

中世の城塞都市フラヴィニー・シュル・オズランは、アニスを使った砂糖菓子の生産で世界的にその名を知られている。その小さなお菓子は、ベネディクト会修道士によって8世紀に建設されたサン・ピエール大修道院で作られている。城壁に囲まれたフラヴィニーは、なだらかで緑豊かな丘に上に佇んでおり、村の麓には三つの川が流れている。城門や城壁、職人のアトリエや商店、織物資料館やジャルダン・ボタニックなど村内に見どころは多く、熱心な住民により入念に保全されているブルジョワの館は、階段として使われる小さな塔を備えている。そして忘れてはならないのは、サン・ジェネスト小教区教会と聖レギーナ(Sainte-Reine)地下礼拝堂だ。丘の上の小さな村は、ロマンチックな魅力に溢れた素敵な場所である。

 

▼村の詳しい紹介はこちらから

【フラヴィニー・シュル・オズラン】甘い香りに包まれる修道士の村

【難攻不落の城塞都市】

小路を包み込む甘い香り。私たちはもちろん、ブルゴーニュ地方のフラヴィニー・シュル・オズランに来ている。この村はディジョンから62kmほど離れた場所にあり、この村の甘いお菓子はミス・ブルゴーニュと同じくらい有名だ。

 

マリーヌさん:「フランス人が選ぶお気に入りの村は、当然のことながらブルゴーニュにあります。そうだと確信しています。」

(※マリーヌ・ロルフラン(Marine Lorphelin)さんは、2012年ミス・ブルゴーニュ、2013年ミス・フランスに選出。医師免許を持ち、現在は美容・健康アドバイザーとして活躍する。)

 

同じくこの村が最も素敵な村であることを確信しているアントワネットさんは、フラヴィニーに住みはじめて25年になる。今日は友人のジェラールさんのもとへ、私たちを案内してくれた。

アントワネットさん:「ここはとっても美しい景色でしょ。」
ジェラールさん:「ここは少し世界から切り離された場所にあるんです。大昔からあるのにフラヴィニーへと至る大きな道はありません。ここは防衛のための場所でもあり、避難所でもありました。

難攻不落の街としてその名を轟かせ、村の小路には当時の住民による防衛のための巧妙な仕掛けが存在する。

ジェラールさん:「この細い路地は、防衛のための仕掛けとして使われていました。自己防衛のための軍事的配置で、大人数の部隊を率いる敵は攻めてきたときに、この小路へと誘い込むのです。この道は武装した大人が1人づつしか進むことが出来ず、出口に優秀な兵士が1人いれば、敵の部隊に対して抵抗することが出来たのです。」

【村の名物:アニス・ド・フラヴィニー】

厳しい闘いの後は、甘いもので体力を回復するより他に良いアイデアがあるだろうか?フラヴィニーが世界的に有名なのは、ほのかにアニス香る甘いお菓子のおかげだ。この村のドラジェは、遠く中国でも知られ愛されている。

かつて修道士によって生産されていたこのキャンディの一番のオリジナリティは、現在でも旧大修道院の建物内で作られているということだ。

カトリーヌさん:「フランス革命の際に修道士は立ち去ってしまいましたが、ご覧のように『アニス・ド・フラヴィニー』は、いまでもこの大修道院の中で製造されています。なぜならその後、村の人々は無断入居者のように大修道院の中に住み始めキャンディを作り続けたからです。」
マリーヌさん:「フラヴィニーで製造されるアニスのキャンディは手作りではありますが、世界中に輸出されています。小さな村で作られるお菓子とはいえ、本当にたくさんの人々に愛されています。」

719年に起源を持つレシピの秘密を知りたければ、この帽子を身に着けたグループの様に、砂糖菓子を製造する工房を見学することが出来る。

【村の女性が協力して運営する農家レストラン】

少し登った場所にある村の中心では、多くの人々が農家レストランの扉へと向かっていた。平日はいつでも盛況で、14年前に孤独を感じていた農家の女性たちが、自分たちの作った産品を売るために協力することを決めた。

農家レストランの女性:「新鮮でシンプルなので、毎日食べるには丁度良いのです。」
農家レストランの女性:「私は農業をしていますが、こんな具合に手伝いをしています。暇つぶしになりますし、みんなにも会えますしね!」

今日この場所は「ラ・グランジュ(La Grange)」の名で呼ばれ、住民のみならず観光客も歓迎し喜びをもたらす食堂へと姿を変えた。

レストランの客:「ここは本当に素晴らしい場所。イギリスにはこのような場所はないわ。女性がすべて手作りの料理を作っていて、サービスは完璧。素晴らしいわ。」

【映画『ショコラ』の忘れられない思い出】

この村にはオーセンティックなものが数多く残されている。道沿いには調和のとれた民家が建ち並び、多くの映画監督を魅了してきた。そんな理由で映画「ショコラ」を見ると、ジョニー・デップとジュリエット・ビノシュの傍らに村民のガビィさんが出演している。

アントワネットさん:「この建物は映画の中でチョコレート屋さんとして使われていました。ジュリエットさんと娘が住んでいる設定で、この窓の向こうに美味しそうなチョコレートが並べられていたんです。」

それ以来、ガビィさんは他の映画にも出演したがフランス人女優が残した思い出を忘れることが出来ないようだ。

ガビィさん:「ジュリエット・ビノシュさんは本当に優しくて、そこに見えるテーブルで彼女は私にキスをしてくれたんです。」
アントワネットさん:「それだから彼女は評判が高いんですよ。すぐに夢中にさせてしまうのですから。」

【初めての郵便番号】

フラヴィニーのもう一つの小さな特徴は、少し前まで民家が郵便番号を持っていなかったこと。最近行政が改善の決定をして、それぞれの建物が一つの番号を持つようになった。アントワネットさんは、クラスー・ル・フェロニエさんのアトリエを訪れ、初めて自分の家の前に掲げる番号を探しに来た。

クラスーさん:「工業化された場所に住むか、村に住むか選択することが出来ますよね。私は人間性が豊かな場所が好きなので、この村に移り住みました。人間らしく生きることは、私の人生にとって最も大事なことです。」
アントワネットさん:「(出来たばかりの表札を受け取って)とても素晴らしいわ!」

アントワネットさんは急いで家の前に番号を掲げた。

アントワネットさん:「ほら、出来た。私は自分の番号があるわ。フラヴィニーで初めての郵便番号よ!」

【一緒に読みたい】

※このページでは、フランス2のテレビ番組「Le Village préféré des Français」の公式チャンネルから、各村の紹介を取り上げ、運営者が日本語でまとめの記事を作成しています。

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