【2018年】第1位:カッセル/Cassel|フランス人が選ぶお気に入りの村

この年の放送はフランス2から、ローカル・チャンネルを数多く放送するフランス3へと国営テレビ局内で枠が移動しました。

この年もフランスの大人気司会者ステファン・ベルンさん(Stéphane Bern)が、実際に村を訪れて村人にインタビューを行っているのでその様子にも注目してください!

オー・ド・フランス/ノール県(Hauts-de-France / Nord)

【カッセルのカーニバル】

中央の広場では、カーニバルの熱気に包まれていた。司会のステファンさんは、帽子が似合う村人のエマニュエルさんにフランドル語で迎えられます。

ステファンさん:「カーニバルは、通常年に2回しか行われないのですよね?」
エマニュエルさん:「今回は特別に皆様のためにご用意しました。」
ステファンさん:「あそこに見える、巨大な人形は何と呼ばれているのですか?」
エマニュエルさん:「ルーズ・パパ(Reuze Papa)とルーズ・マモン(Reuze Maman)と呼ばれます。」

巨人の中に入ってお茶目に遊ぶステファンさん。人形の予想以上の重さに驚いてしまったようです。

カーニバル以外の日にこの巨大な人形に出会いたいと思った人は、中央広場にあるフランドル博物館で展示されているので訪れてみてくださいね。

【カッセルを一望できる山頂】

お祭り騒ぎから抜け出したステファンさんは、カッセルで最も美しい景観が広がっているカッセル山へと移動をします。

ステファンさん:「ここからカッセルの村が見渡せますね。」
エマニュエルさん:「私たちはフランドルの屋根の上に来ています。」
ステファンさん:「つまり、ここが頂上ということですか?」
エマニュエルさん:「その通りです。このローマ街道が放射状に交わり、フランドル地方を見守る黒い聖母がいたとされています。」

【村に立ち並ぶ貴族の館】

波乱に富んだ歴史を歩んだカッセルだったが、村の街並みは中世の小さな集落の魅力をよく留めている。

ステファンさん:「この村には豊かな建築物群が残されていますね。」
エマニュエルさん:「カッセルはかつて本当に豊かな建築物が残されていましたが、不幸なことに第2次世界大戦の際にドイツ軍の爆撃によって大きな被害を受けてしまいました。」
ステファンさん:「つまり、この北側の地区の建物はすべて復元されたということですね。爆撃を受けたために。」
エマニュエルさん:「しかしながら、この村の南側の地区はとても美しい貴族の館が残されていて、信じられないほど綺麗な街並みを見ることが出来ます。また、家々のファサードの反対側には見事な庭が広がっているのです。」

【フランドル風の庭】

思いがけない機会が待っていた。モン・デ・ルコレの庭というカッセルで最も美しい庭の一つをガイドのエマニュエルさんが所有していたのだ。中心部から数百メートル離れた場所に位置し、一年を通じて素晴らしい景色が広がっている。

ステファンさん:「フランドル地方の庭とはどのようなものなのですか?」
エマニュエルさん:「フランドル風の庭は、四角い区画を自分の家のように移動をして、明暗をはっきりと感じられるように通路は明るく造られています。この地方の庭は、ルネサンス・フランドル派の絵画に大きな影響を与えています。

庭を移動する二人が目にしたのは、美しく象られた木々が印象的な空間でした。

ステファンさん:「見事ですね!」
エマニュエルさん:「この庭は、ベルランゴの庭(Jardin des berlingots)と呼んでいます。」
ステファンさん:「斜めに裁断面が特徴的に見えますが、何か意味がありますか?」
エマニュエルさん:「フランドルの人々は厳格主義者のように描かれることもありますが、ビールを飲むことが生きる喜びです。庭師は針葉樹をボール状に成形するのではなく、直線で裁断することで、そのような型にはまらない生き方を表現しています。」

【村の伝統!空へと放つアーチェリー】

雨が降るかもしれないということで、天気の良いうちにステファンさんは村伝統のアーチェリーを体験するため庭を後にします。

垂直に矢を放つアーチェリーは、フランドル地方では数多くのクラブによって行われる地元で親しまれているスポーツです。

ステファンさんも住民の皆様に手ほどきを受けて、早速実践してみます。筋は悪くないステファンさんですが、的に当てるのはなかなか難しかったようです。

ステファンさん:「この遊戯はいつ頃始まったんでしょうか?」
住民:「このスポーツは446年に始まりました。」
ステファンさん:「446年?もうすでにアーチャーがいたんですね?」
住民:「村を守るためにアーチャーがいて、訓練のために行われていました。」
ステファンさん:「実際、水平に矢を放つより、空に向かって狙いを定める方が難しいですね。」
住民:「そうです。風がありますし、天気も影響します。今日みたいに雨が降ることもありますから。」

アーチェリーに使う矢の簡単な説明を受けた後に、空へと放つアーチェリーの手ほどきをして頂いたことに感謝して、次の場所へと向かいます。

【地域の宴会エスタミネを楽しむ住民たち】

カッセルの訪問の最後に、住民が集うエスタミネ(Estaminet)で夜の宴会を勧められたステファンさん。訪れると温かく迎え入れられ、村のすべてのエスタミネを仕切っているというブルーノさんを紹介されます。

ステファンさん:「エスタミネとは、祝宴をするために住民が集まる場所のことですよね。
ブルーノさん:「そうです。毎週末開催をしていて、100%フランドルのものなんです。」

テーブル・ゲームに興じる人々に、食事と共に会話を楽しむ人々。本当に楽し気な時間が流れています。

ステファンさん:「一般的に、エスタミネではどのようなものを食べるのですか?」
ブルーノさん:「最もよく食べられているのはカルボナード・フラマンドで、牛肉を使った料理です。ビールにパン・デピスやカソナードと呼ばれる砂糖を加えて煮込まれます。この地方の典型的なメイン料理で、フライドポテトと共に味わいます。

皆さんもカッセルに来た時には、村のエスタミネで夜の宴会を過ごすのをお忘れなく。また、モン・デ・ルコレの庭を散策して、美しい大邸宅を眺めてくださいね。

【一緒に読みたい】

このページでは、2018年に放映されたフランスのテレビ番組「Le Village préféré des Français」を公開しているフランス3オー・ド・フランス公式チャンネルから、村の紹介を取り上げ、運営者が日本語でまとめの記事を作成しています。

※この村は2019年1月1日現在「フランスの最も美しい村」協会には加盟していません。

※フォトクレジット:Photoed by fdecomite– Flickr

 

 

 

 

 

 

 

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