【ジェルブロワ】アンリ・ル・シダネル発案の「バラ祭り」とは?

ジェルブロワのバラ祭りとは?

ジェルブロワのバラ祭り(fête des roses)は、新印象派主義の画家アンリ・ル・シダネル(Henri Le Sidaner)によって発案されました。

それぞれの民家の前に2本のバラを植えるようお願いをしたのが始まりと言われ、1928年以来止むことなく続けられてきました。今日ではこのバラ祭りに参加するため、

世界中から10,000近い人々が人口たった100人ほどのジェルブロワの村を訪れています。

バラの苗木の販売

バラ祭りはいつ開催されるの?

ジェルブロワのバラ祭りは伝統的には6月第3日曜日に開催されることになっています。

しかしながら、2017年は大統領選の影響から6月4日(日)に日程が前倒しされ開催されました。ピエール・シャヴォネ(Pierre Chavonnet)村長が、

「私たちは気候を考慮することにしました。というのも6月20日前後にバラの花びらが落ちてしまうのです。」

と発表し2018年も6月3日(日)と日程の前倒しが継続されたことから、今後の開催日には注意が必要です。

「バラ祭り」のポスター

バラ祭りのプログラム

2018年のバラ祭りに参加してきましたので、そのプログラムを紹介したいと思います。ちなみに、今回は90周年記念だそうで、いつもより若干のイベントが追加されているそうです。

開催日:2018年6月3日
時間:9:30~18:00
入場無料
常設の催し物
「バラの村(Le village des Roses)」(路上):バラの生産者による販売、バラを使った製品の販売
「職人の村(Le village des artisans)」(ジュ・ド・タミ通り):芸術品、装飾品、地域産品(チーズ、はちみつ、パティスリー、コンフィズリー、ワイン、ジャム、アイスなど)、洋服、おもちゃなどの販売
「展覧会(Exposition)」(美術館):アンリ・ル・シダネル(Henri Le Sidaner)の絵画のガイドツアー
「子供向け(Pour les enfants)」:乗馬、巨大遊具、アヒル釣りゲーム(pêche aux canards)
「屋台(Restauration-buvette)」:BBQ、サンドイッチ、その他軽食
「その他(Animation des rues)」:マーチング・バンドによるジャズコンサート、ルイ14世の時代の暮らしの再現など

特別プログラム
9:30:ヴィンテージ・トラクターの走行および展示
11:30:クラシックカーの展示
12:00:ウクレレガールズによる公式レセプションおよび開会式
13:30~17:00:音楽学校エミオン(Emion)の生徒たちによるコンサート
15:00:ヴェネチア風仮装カーニバルおよびクラシックカーのパレード
18:00:閉会式

ヴィンテージ・トラクターの展示

ルイ14世の時代の暮らしの再現

バラ祭りの実用的なメモ

宿泊先についてジェルブロワの中にも宿泊施設はありますが、バラ祭り期間中は予約を受け付けていないそうです。車の場合は周辺に泊まるのが良いようです。
昼食について:通常のレストランに加えて屋台が出るとはいえ、訪れるお客さんに対して食事のキャパシティが大幅に不足しているという印象を受けました。「バラ祭り」は日曜日のため周辺の村のレストランやカフェも閉まっていますので、村に着いたらすぐにレストランに入って早めの昼食をとる(※可能なら予約推奨)、あらかじめサンドウィッチなどの軽食を購入してから訪問する、大きな街で昼食を食べてから午後に村を訪れるなどの対策を考えた方が無難だと思います。
駐車場について:車の場合は2ユーロ、バイクの場合は1ユーロの駐車料金がかかります。
10時についた時には村に最も近い駐車場は満車で、牧場を利用した臨時駐車場に案内されました。昼過ぎに行くと、さらにその奥の区画の臨時駐車場に停めていたようでした(※どちらも徒歩10分~12分程度)。駐車スペースが無くて停められないということは無いようですが、バラ祭り当日は非常に混雑するので誘導の係の指示に従ってください。
移動方法について:当日は日本人専用の大型観光バスも見かけたため、バスツアーを利用するという手もあるかもしれません。

特産品の販売

地元のクリエイターによる手作り人形

バラ祭りの感想

有名なジェルブロワの「バラ祭り」ですが、人口100人の村なので「祭り」といっても特別大規模なイベントがあるわけではなく地域の催し物の延長といった感じでした。バラの苗木の販売は祭りにとって非常に重要なものとなっており、実際に地元の方の多くがバラの苗木を買い求めていました。販売のために色とりどりで多品種のバラが路上に飾られ、その分普段より華やかな村の雰囲気が楽しめたと思います。またマーチング・バンドによるジャズコンサートなど、村の散策を一層愉快なものにしてくれたので個人的には今回参加できて本当に良かったと思っています。ただし村に人が溢れかえってしまうので、ゆっくりと村を散策したいという方はその日を外した方が楽しめるかもしれません。

マーチング・バンド

今回訪れて何より驚いたのは、人口の100倍近くの人が訪れるといわれるその人の数でした。家の軒先にバラを植えるというシンプルなアイデアがここまで大きなインパクトを残すことが出来るのだという貴重な事例に触れることが出来ました。

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