アンジェ/Angers
【プランタジネット朝文化が花開いた街】
世界遺産にも登録されるアンジェ城を中心に広がるこの街は、
ロワール川の支流であるメーヌ川の畔に佇む。
イングランド王となるアンジュー伯家の中心地として、
13世紀からはフランス王家の直轄地として栄華を極める。
ロワール地方らしい石灰岩で造られた建物は、
シストと呼ばれる板石に葺かれ、
白と黒のコントラストが美しい街並みを演出する。
世界遺産にも登録されるアンジェ城を中心に広がるこの街は、
ロワール川の支流であるメーヌ川の畔に佇む。
イングランド王となるアンジュー伯家の中心地として、
13世紀からはフランス王家の直轄地として栄華を極める。
ロワール地方らしい石灰岩で造られた建物は、
シストと呼ばれる板石に葺かれ、
白と黒のコントラストが美しい街並みを演出する。
世界遺産にも登録されるアンジェ城を中心に広がるこの街は、ロワール川の支流であるメーヌ川の畔に佇む。
イングランド王となるアンジュー伯家の中心地として、13世紀からはフランス王家の直轄地として栄華を極める。
ロワール地方らしい石灰岩で造られた建物は、シストと呼ばれる板石に葺かれ、白と黒のコントラストが美しい街並みを演出する。
メーヌ川を望む岩山の上に佇むアンジェ城は、最盛期の12世紀にプランタジネット朝の君主としてフランス王国の西半分とイングランドを統治することとなるアンジュー伯家の住居として建てられた。現在の城はこの地がフランス王国の領地となった13世紀に国王ルイ9世の命により軍事要塞として再建されたものが原型となっており、フランス王族家に引き継がれた歴代のアンジュー公が居を構えた。
この街を含むロワール川流域には数多くの城が残っており、2000年には「シュリー=シュル=ロワールとシャロンヌ間のロワール渓谷」としてユネスコの世界遺産にも登録されている。17個の強固な塔に結ばれた城壁は高さ800mにも及び、防衛のための城塞としてはロワール川流域でも屈指の規模を誇っている。
メーヌ川を望む岩山の上に佇むアンジェ城は、最盛期の12世紀にプランタジネット朝の君主としてフランス王国の西半分とイングランドを統治することとなるアンジュー伯家の住居として建てられた。
現在の城はこの地がフランス王国の領地となった13世紀に国王ルイ9世の命により軍事要塞として再建されたものが原型となっており、フランス王族家に引き継がれた歴代のアンジュー公が居を構えた。
この街を含むロワール川流域には数多くの城が残っており、2000年には「シュリー=シュル=ロワールとシャロンヌ間のロワール渓谷」としてユネスコの世界遺産にも登録されている。
17個の強固な塔に結ばれた城壁は高さ800mにも及び、防衛のための城塞としてはロワール川流域でも屈指の規模を誇っている。
深い藍色に染まる岩シストと黄土色に輝く砂岩とのコントラストが美しい城壁内に一度足を踏み入れれば、緑豊かなフランス式庭園が広がる。その歴史は住居としてより快適に過ごせるように改築された、15世紀アンジュー公ルネの時代に遡ることが出来る。
城内で展示されているタペストリーは必見で、1375年にアンジュー公ルイ1世の命により制作されたフランスに現存する室内装飾用の織物として最古のもの。「新約聖書」最後の聖典「ヨハネの黙示録」に出てくる71もの場面が描かれ、高さ4,5m・長さ103mにも及ぶ織物は中世に作られたタペストリーとして世界最大を誇る。
深い藍色に染まる岩シストと黄土色に輝く砂岩とのコントラストが美しい城壁内に一度足を踏み入れれば、緑豊かなフランス式庭園が広がる。
その歴史は住居としてより快適に過ごせるように改築された、15世紀アンジュー公ルネの時代に遡ることが出来る。
城内で展示されているタペストリーは必見で、1375年にアンジュー公ルイ1世の命により制作されたフランスに現存する室内装飾用の織物として最古のもの。
「新約聖書」最後の聖典「ヨハネの黙示録」に出てくる71もの場面が描かれ、高さ4,5m・長さ103mにも及ぶ織物は中世に作られたタペストリーとして世界最大を誇る。
12世紀に建てられたサン・モーリス大聖堂は、アンジュー様式(プランタジネット様式)ゴシック建築の傑作と名高い。その象徴であるヴォールト天井は、まるで柱から花が開くような美しい曲線を描き思わず見とれてしまう。
教会内を彩るステンドグラスは、最も古いもので12世紀のものが残されている。その中でも15世紀アンジェを代表するガラス職人アンドレ・ロバンの手掛けた2枚のロザースは評価が高く、バラの花をモチーフとした優美な模様が柔らかな光によって浮かび上がる。
12世紀に建てられたサン・モーリス大聖堂は、アンジュー様式(プランタジネット様式)ゴシック建築の傑作と名高い。
その象徴であるヴォールト天井は、まるで柱から花が開くような美しい曲線を描き思わず見とれてしまう。
教会内を彩るステンドグラスは、最も古いもので12世紀のものが残されている。
その中でも15世紀アンジェを代表するガラス職人アンドレ・ロバンの手掛けた2枚のロザースは評価が高く、バラの花をモチーフとした優美な模様が柔らかな光によって浮かび上がる。
同じくアンジュー様式ゴシック建築の特徴を良く留めているのが、サン・マルタン参事会教会。この街で最も古い教会で、その歴史を5世紀に遡る。地上部分は10世紀以降に再建・改築されているが、現在でも地下礼拝堂で建設当時の基礎部分を見ることが出来る。
教会内でまるで美術館のように展示されているのが、貴重な宗教芸術の数々。全部で14体以上ある聖母マリア像の中でも特に評価の高いのが、『幼児のキリストに授乳する聖母マリア』。16世紀後半の作品で、高さ33cmと小さいながら細部に至るまで繊細な彫刻が施されている。
同じくアンジュー様式ゴシック建築の特徴を良く留めているのが、サン・マルタン参事会教会。
この街で最も古い教会で、その歴史を5世紀に遡る。
地上部分は10世紀以降に再建・改築されているが、現在でも地下礼拝堂で建設当時の基礎部分を見ることが出来る。
教会内でまるで美術館のように展示されているのが、貴重な宗教芸術の数々。
全部で14体以上ある聖母マリア像の中でも特に評価の高いのが、『幼児のキリストに授乳する聖母マリア』。
16世紀後半の作品で、高さ33cmと小さいながら細部に至るまで繊細な彫刻が施されている。
トゥサン大修道院の設立は1040年に遡り、現在は13世紀に再建された大修道院付属教会を見ることが出来る。20世紀初めにはすでに使われなくなってしまっていたものの、1984年にリノベーションを終え、現在はこの街出身の偉大な芸術家ダヴィッド・ダンジェの作品を展示するギャラリーとして用いられている。
パリのルーヴル美術館でも数多くの作品が所蔵されるダヴィッド・ダンジェは19世紀に活躍した芸術家で、肖像を描いたメダル彫刻は特に評価が高い。神聖な雰囲気漂う空間の中で、約1000点近いコレクションが並ぶ姿は圧巻の光景である。
トゥサン大修道院の設立は1040年に遡り、現在は13世紀に再建された大修道院付属教会を見ることが出来る。
20世紀初めにはすでに使われなくなってしまっていたものの、1984年にリノベーションを終え、現在はこの街出身の偉大な芸術家ダヴィッド・ダンジェの作品を展示するギャラリーとして用いられている。
パリのルーヴル美術館でも数多くの作品が所蔵されるダヴィッド・ダンジェは19世紀に活躍した芸術家で、肖像を描いたメダル彫刻は特に評価が高い。
神聖な雰囲気漂う空間の中で、約1000点近いコレクションが並ぶ姿は圧巻の光景である。
ダヴィッド・ダンジェ美術館から庭園を挟んですぐの場所に佇むのが、アンジェ美術館。15世紀に建てられたバロック様式の美しい館バロー邸を活用しており、パリのルーヴル美術館同様フランス革命が起こった1797年以降に様々な美術品が集められた歴史ある美術館でもある。
約3000平方メートルの展示スペースでは、14世紀以降の絵画や彫刻350点、先史時代の考古学的遺物500点を超えるコレクションを見ることが出来る。特にこの街の貴族リヴォワ侯爵が蒐集した一連の絵画は評価が高く、フラゴナール、ワトー、シャルダンなど美しく詩的な描写で18世紀フランス貴族を魅了したロココ美術は見応えがある。
ダヴィッド・ダンジェ美術館から庭園を挟んですぐの場所に佇むのが、アンジェ美術館。
15世紀に建てられたバロック様式の美しい館バロー邸を活用しており、パリのルーヴル美術館同様フランス革命が起こった1797年以降に様々な美術品が集められた歴史ある美術館でもある。
約3000平方メートルの展示スペースでは、14世紀以降の絵画や彫刻350点、先史時代の考古学的遺物500点を超えるコレクションを見ることが出来る。
特にこの街の貴族リヴォワ侯爵が蒐集した一連の絵画は評価が高く、フラゴナール、ワトー、シャルダンなど美しく詩的な描写で18世紀フランス貴族を魅了したロココ美術は見応えがある。
この街のタペストリーに興味を抱いたのなら、ジャン・リュルサ・現代タピスリー美術館もお勧め。美術館の入っている旧サン・ジャン施療院は12世紀アンジュー様式ゴシック建築の優美な空間が広がり、回廊を備えた中庭も見事。
ジャン・リュルサは20世紀を代表するフランス人タペストリー作家で、同年代を生きたマチスやピカソと同様に抽象的でありながらメッセージ性の強い作品を数多く生み出した。その中でも代表作『世界の歌』は必見で、冷戦と原爆の時代を生きたジャン・リュルサによる平和への希望が表現されている。
この街のタペストリーに興味を抱いたのなら、ジャン・リュルサ・現代タピスリー美術館もお勧め。
美術館の入っている旧サン・ジャン施療院は12世紀アンジュー様式ゴシック建築の優美な空間が広がり、回廊を備えた中庭も見事。
ジャン・リュルサは20世紀を代表するフランス人タペストリー作家で、同年代を生きたマチスやピカソと同様に抽象的でありながらメッセージ性の強い作品を数多く生み出した。
その中でも代表作『世界の歌』は必見で、冷戦と原爆の時代を生きたジャン・リュルサによる平和への希望が表現されている。
第二帝政時の19世紀にパリと同様街並みが整備され、エレガントな街並みが広がる。大火災の後に再建され、1871年に開業した演劇場グラン・テアトルはそんなこの街を象徴する建築物。建物内はイタリア風の豪華絢爛な装飾に彩られた空間が広がり、コンサートや演劇・オペラなどが一年を通じて上演される。
この街を訪れたら見逃せないもう一つの建築物が、1491年に建てられた木組みの民家。アダムの家の名で呼ばれるこの建物の柱には、一風変わった人物や空想上の動物・天使などの彫刻が施されている。現在は80人以上のクリエイターが共同で作品を展示・販売する場所となっているので、中を覗いてみるのも楽しい。
第二帝政時の19世紀にパリと同様街並みが整備され、エレガントな街並みが広がる。
大火災の後に再建され、1871年に開業した演劇場グラン・テアトルはそんなこの街を象徴する建築物。
建物内はイタリア風の豪華絢爛な装飾に彩られた空間が広がり、コンサートや演劇・オペラなどが一年を通じて上演される。
この街を訪れたら見逃せないもう一つの建築物が、1491年に建てられた木組みの民家。
アダムの家の名で呼ばれるこの建物の柱には、一風変わった人物や空想上の動物・天使などの彫刻が施されている。
現在は80人以上のクリエイターが共同で作品を展示・販売する場所となっているので、中を覗いてみるのも楽しい。
メーヌ・エ・ロワール県の県庁所在地でもあるこの街は、パリからTGVで約1時間40分・車で約3時間と近く、気軽に訪れることが出来ます。
またロワール川流域に点在する古城や村巡りの拠点の街としてもお勧めですよ。
パリ・モンパルナス駅(Paris Montparnasse 1 et 2)からTGVに乗って、アンジェ・サン・ロー駅(Angers Saint-Laud)下車。(約1時間40分)
パリから300km(約3時間)
パリ・シャルル・ド・ゴール国際空港から330km(約3時間10分)
ナント・アトランティック空港から110km(約1時間10分)
人口の4分の1ほどが学生という街で、市内にも比較的リーズナブルなお店やスーパーが建ち並びます。ここでは紹介しませんが、アンジェ周辺のアンジュー地方はロワールワインの一大産地としても知られているので、様々なワインを試してみるのも楽しいです。
ここではアンジェを訪れたらぜひ味わいたい、お勧めの味を紹介させて頂きます。
コアントロー兄弟が最高のオレンジリキュールを求めて開発したのが、カクテルやお菓子作りの定番コアントローです。エタノールを95%以上に濃縮したニュートラルスピリッツに、乾燥させたビターオレンジと乾燥およびフレッシュのスイートオレンジを絶妙な割合で配合した世界に愛されるリキュール。実は1875年にこの街アンジェで生まれました。
コアントロー博物館では製造過程を見学できるほか、パティスリーで販売されるコアントローを使ったケーキなどもこの街ならではの味わいですよ。
日本語では「クレームダンジュ」の名前で呼ばれることもある、白いフワフワのケーキ「クレメ・ダンジュ」もこの街の名物。
実は日本で一般的なフロマージュ・ブランと呼ばれるヨーグルトを使って作られるタイプはアンジェ風(Crémet d’Angers)、生クリームとメレンゲのみで作られるのはアンジュー地方風(Crémet d’Anjou )と区別されることもあるそう。せっかくなら二種類の「クレームダンジュ」を試してみてくださいね。
この街定番のお土産として知られているのが、レ・ケルノン・ダルドワーズ(Les quernons d’Ardoise)です。建物の屋根を覆うアルドワーズと呼ばれる石板をイメージして作られています。
中にたっぷりと詰められているのは、キャラメリゼされたアーモンドとヘーゼルナッツが入ったヌガティーヌ。香り豊かな青色のチョコレートにコーティングされていて、とても美味しいですよ。
特産品の項目でクレメ・ダンジュというデザートを紹介させていただきましたが、実はこの街で食べることの出来るお店はごく僅かに限られています。
そこでこの地域伝統のクレメ・ダンジュを食べることの出来る、2022年に実際に利用したアンジェのお勧めレストランを紹介させて頂きますので、参考にして頂ければ幸いです。
サン・モーリス大聖堂のすぐ目の前に佇むラ・フェルムは、手作りの料理にこだわりのあるレストランです。家庭的な料理でありながら、手間暇をかけて作っていることが良くわかる本格的な味わいが魅力です。
前菜+メインの2品から構成される平日お昼のランチコースが17,9€から。料理は日替わりですが、クレメ・ダンジュはアラカルトメニューにもあるので追加で頼むことも出来ますよ。
2022年のミシュランガイドで、一ツ星に輝いたレストランを紹介させて頂きます。
木組みの古い民家が数多く残るメーヌ川右岸に佇むこのレストランは、アンジェ城から徒歩10分と便利な立地。ロワール川で取れる季節の魚を軸に、クリエイティブな発想から今までに無かった食材の組み合わせの料理を数多く生み出しています。
店内は16席と限られているため、予約推奨。火曜日から土曜日までの夜のみの営業で、92€の少量多皿で出すデギュスタシオン・コースのみの提供となっています。
ロワール川流域にある美しい村々を訪れるなら、アンジェを拠点にしてみてはいかがでしょうか?
ホテルの予約はbooking.comが便利で、毎回お世話になっています。アンジェにあるお勧めの宿を紹介いたしますので参考にして頂ければ幸いです。
Booking.comのロケーションスコア9.7と高評価なこの宿泊施設は、この街の象徴アンジェ城のすぐ目の前という最高の立地。白と黒のコントラストが美しい城壁を、客室の窓から望むことも出来ます。サンジェ・サン・ロー駅までも徒歩5分ほどなので、近郊の村や古城巡りの拠点の滞在先としても便利です。宿泊者のニーズに応じた値段が異なり、料金は2名1泊で100€~130€(朝食別)です。
この街と同じく世界遺産に登録されているモンソロー城のある村。防衛的な性格の強いアンジェ城とは異なり、住居として建てられたロワール地方らしい優美なシルエットの城を楽しむことが出来ますよ。
モンソローを訪れたなら隣接する、この村も併せて訪れると良いでしょう。数々の伝説を語り継ぐサン・マルタン参事会教会が街の象徴で、中世には水上運送の拠点として栄えました。
アンジェの中心を流れるメーヌ川流域の中でも、その美しさから「メーヌの真珠」と呼ばれることもあるこの村。11世紀にその歴史を遡るサント・スザンヌ城の周りに集落が広がります。
アンジェから南へ100kmほどの場所に佇むこの村では、11世紀に建てられたロマネスク様式のノートルダム教会を見ることが出来ます。多くの芸術家が集まる画家の村としても知れらていて、夏には様々なイベントが開催されますよ。