イェーヴル・ル・シャテル

Yèvre-le-Châtel

ヴィクトル・ユゴーも魅せられたフランス国王の封建地

パリとオルレアンの間に位置するイェーヴル・ル・シャテルの村は、リマルド川を望む岩山の上で中世から続く美しい姿を留めながら佇んでいる。

 

12世紀初め、フランス国王ルイ6世が城主支配権と国王裁判所を置くためにこの地を買い取った。その後、フランス王フィリップ2世の命によって城が築かれたのは13世紀のこと。現在は最近修復された高い城壁と円形の4つの塔、堅強な造りの出入口となる門などが残されており、誇り高い城砦の面影を今に残している。

 

城砦のすぐ脇に佇むサン・ゴー教会(Eglise Saint-Gault)は、ノルマンディー王国からの侵攻から逃れたブルターニュ人修道士によって11世紀に基礎が築かれた。現在残されている中で最も古い部分は13世紀に建てられた側廊部分であり、アーチ型天井の美しい玄関から入ることが出来る。

 

サン・リュバン教会(Eglise Saint-Lubin)はこの村で見逃すことの出来ないもう1つの歴史的文化財である。13世紀に人口が大きく増えたため、住民達は墓地として使っていた敷地の中に2つ目の教会を建設することを許可された。その後工事は中断され、百年戦争の後に再開されたものの、ついに完成されることはなく現在もその外壁だけが取り残されている。

 

この村では色とりどりの花に彩られた中世の道を散策するのも心地良い。連続する石灰岩の民家に、古い井戸、スーヴィル橋や150種を超える植物が植えられた庭など、どこを切り取っても絵になる風景が楽しめる。また時折、フランス有数の穀倉地帯ボース(Beauce)やロアン川沿いに広がる農業地帯ガティネ(Gâtinais)、オルレアンの森など村を取り囲む豊かな自然景観も顔を覗かせる。

 

村の美しさに惹かれた多くのアーティストが村の色々な場所でギャラリーを開いているので、散歩の合間に立ち寄ってみると良いだろう。夏のシーズンには、屋内や野外での芸術作品の展示やコンサート、中世にタイムスリップしたかのようなイベントが催され、訪れる人々の雰囲気を盛り上げている。

 

最後にこの村を語る上で欠かすことが出来ないのは、『レ・ミゼラブル』などで知られるヴィクトル・ユゴーとの関係である。イェーヴル・ル・シャテルを訪れたヴィクトル・ユゴーは、1834年8月22日に綴った手紙の中で、魅力あるこの村に惜しみない賛辞を送っている。廃墟の中に完璧さを見出したヴィクトル・ユゴーに思いを馳せながら、そぞろ歩きを楽しみたい村である。

ロワレ県イェーヴル・ラ・ヴィル村イェーヴル・ル・シャテル(イェーヴルルシャテル、イエーヴル・ル・シャテル、イエーヴルルシャテル)

/Yèvre-le-Châtel (Yèvre-la-Ville, LOIRET)

面積:26,77 km2 (イェーヴル・ラ・ヴィル村

人口:231人(2016年現在)

公共交通機関の場合:

パリ・オーステルリッツ駅(Gare d’Austerlitz)からSNCFに乗って、オルレアン駅(Orléans)下車。(約1時間10分)

オルレアン駅から、タクシーに乗ってイェーヴル・ル・シャテルへ(約50分)

車の場合:

パリ(Paris)から100km(約1時間30分)

オルレアン(Orléans)から70km(約50分)

飛行機の場合:

パリ・シャルル・ド・ゴール国際空港から120km(約1時間40分)

「フランスの最も美しい村」協会 加盟村(2002年より加盟)

2019年11月13日:ページ更新

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