カンド・サン・マルタン

Candes-Saint-Martin

交わる川の流れと共に歩む伝説の村

古くから漁師町として知られたカンドの村の名は「川の合流点(confluent)」を意味し、ヴィエンヌ川とロワール川が交わる水上運送の拠点として栄えた。とりわけ、ロワール川流域で生産されたワインやスモモ、石灰岩などを積み込んだ商船が往来していた。

 

近くには同じく「フランスの最も美しい村」に登録されているモンソローなど、数多くの城下町が残っており、カンド・サン・マルタンを含むロワール川流域は2000年に「シュリー=シュル=ロワールとシャロンヌ間のロワール渓谷」としてユネスコの世界遺産に登録されている。

 

村の一番の見どころは、中央の広場に堂々と構えるサン・マルタン参事会教会である。現在の建物は、聖マルタン(聖マルティヌス)によって築かれた修道院を、1175年から1225年にかけて建て替えたものが基礎となっている。15世紀には要塞化され、この村で生没しトゥール司教でガリア地方における福音伝道師だった聖マルタンに捧げられた。アンジュ地域を中心に広まったプランタジネット朝ゴシック様式が魅力的である。内部で輝くステンドグラスは、物乞いとなって表れた半裸で凍えるイエス・キリストに聖マルタンが自身のマントを分け与えたと伝えられる伝説を描写している。その他にも聖マルタンは数々の奇跡的な伝説で知られ、死後16世紀以上経った今でも人々に崇拝されている。

 

聖マルタンが分け与えたマントは397年11月11日にトゥールから船で村へと運ばれたとされ、聖遺物が通過したロワール川には再び繁栄の時がもたらされたという。この事柄は「聖マルタンの夏」と呼ばれ親しまれている。

 

教会を見学した後には、丘の上に整備されたパノラマスポットへ足を運ぶのもお勧め。周囲に拡がるロワール・アンジュー・トゥーレーヌ自然国立公園(Parc naturel régional Loire-Anjou-Touraine)の雄大な自然を見渡すことが出来る。道中には可愛らしい石畳の道やロワール地方に広くみられた穴居式住宅の跡などを見ることも出来、興味深い散歩となるだろう。

 

村を一通り散策し終えたら、地元のワインと共に休憩しよう。村の周辺はトゥーレーヌやシノン・トゥーレーヌ、ソミュール・トゥーレーヌといったロワール地方を代表するワインの一大生産地となっている。

 

アルドワーズと呼ばれる石で覆われた屋根と、石灰土の白壁で飾られた民家のコントラストが美しいカンドの街並み。バラ薫る小路を抜ければ、ロワール川の穏やかな水の流れが私たちを迎えてくれる。




アンドル・エ・ロワール県カンド・サン・マルタン(カンドサンマルタン)/Candes-Saint-Martin (INDRE-ET-LOIRE)

面積:5,77 km2 

人口:217人(2016年現在)

公共交通機関の場合:

パリ・モンパルナス駅(Paris-Montparnasse 1-2)からSNCFに乗って、トゥール(Tours)駅で乗り換え、ソミュール(Saumur)駅下車(※約2時間30分)

ソミュール旧市街(Saumur: Centre-Ville)停留所へ移動して、ソミュール交通(SAUMUR AGGLOBUS)1番のバスに乗ってモンソロー停留所下車(※約20分)

モンソロー停留所からカンド・サン・マルタン旧市街まで徒歩で約20分(※2km)

車の場合:

アンジェ(Anjers)から80km(約1時間)

パリ(Paris)から310km(約3時間20分)

飛行機の場合:

パリ・シャルル・ド・ゴール国際空港から340km(約3時間40分)

「フランスの最も美しい村」協会 加盟村

世界文化遺産:ユネスコ(U.N.E.S.C.O.)

  • 登録名:「シュリー=シュル=ロワールとシャロンヌ間のロワール渓谷」(Val de Loire entre Sully-sur-Loire et Chalonnes)

2019年05月29日:ページ更新

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