アルス・アン・レ

Ars-en-Ré

花香る路地へと誘う港町

大西洋へと飛び出るイル・ド・レ(レ島)の西の端、村の教会の鐘は常に海とフィエール・ダルス(Fiers d’Ars)の湾を見守り続ける。村はイル・ド・レの中でも最も古い小教区の一つである。

 

村の中心に構えるサン・テティエンヌ教会(Église Saint-Étienne)には12世紀のアーチ状の扉に15世紀の鐘楼が残されている。教会の歴史は7世紀に遡るとされ、現在は11世紀のルネサンス様式に15世紀のゴシック様式が組み合わされた構造となっている。白と黒の独特のデザインが目を引く尖塔は、船乗りのための目印として用いられ、高さは40メートルにも及ぶ。

 

教会のある広場から続くガンベッタ通り(Rue Gambetta)には、セネシャルの館(maison du Sénéchal)がある。家の角に取り付けられた2つの塔は16世紀の建築で、ルネサンス期の見事な特徴を留めている。家の名前は、この家の最初の持ち主だったアルスと隣村のロワ(Loix)を治めるセネシャルと呼ばれる地域行政官であり領主裁判官でもあったエティエンヌ・ド・ビュッフシュ氏(Étienne de Buffechou)に由来している。

 

アルスの特産品はフルール・ド・セルと呼ばれる天日塩である。塩田は11世紀に生まれ、現在でも60を超える製塩職人によって利用され、年間の生産量は2000トンを誇る。アルスの塩を使った塩キャラメルはお土産にも最適である。また、塩が造られる湾は歩いて散策することも出来る。最も長いコースで一周2時間の道のりだが、大西洋と教会の屋根が突き出るアルスの街を見渡すことができる気持ちの良いハイキングコースだ。

 

18世紀にアルス・アン・レの港は塩田へと出かける小舟の停泊所でしかなかったが、塩の商取引が拡大した19世紀前半に村の港は拡張された。今日では、塩を積むためにやってくる北ヨーロッパからの貨物船の姿は見られなくなったものの、たくさんのクルージング用の船が港に停泊して賑わいを見せている。

 

また、イル・ド・レ名産の牡蠣も生産も盛んであり、4月から9月には養殖場を巡る試食付きのガイドツアーも開催されているので、時間が合えば参加してみるのも良いだろう。

 

村にはヴネル(venelle)と呼ばれる路地が張り巡らされ、白い壁と緑や明るい青の扉に囲まれた小さな迷宮のようになっている。フランス大西洋岸オニス地方(Aunis)の伝統的な民家が立ち並び、ピンク色の花が可愛らしいタチアオイが彩りを添える。徒歩や自転車での散策が楽しい街である。




シャラント・マリティーム県アルス・アン・レ(アル・サン・レ、アル・アン・レ、アルスアンレ、アルサンレ)

/Ars-en-Ré (CHARENTE-MARITIME)

面積:10,95 km2 

人口:1,312人(2016年現在)

公共交通機関の場合:

パリ・モンパルナス駅(Paris Montparnasse 1 et 2)からTGVに乗って、ラ・ロシェル駅(La Rochelle)下車。(約2時間50分)

ラ・ロシェル駅前停留所(LA ROCHELLE Gare SNCF)からヌーヴェル・アキテーヌ交通(Transports Nouvelle-Aquitaine)3番のバスに乗って、アルス・アン・レ・デヴィアシオン停留所(ARS-EN-RÉ/Déviation)下車(約1時間40分)

車の場合:

ナント(Nantes)から170km(約2時間10分)

飛行機の場合:

ナント・アトランティック空港から180km(約2時間10分)

「フランスの最も美しい村」協会 加盟村(1982年より加盟)

Villages de Pierres et d’Eau(石と水の村)

  • 2011年より加盟

2019年02月23日:ページ更新

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