
ル・アーヴル/Le Havre
【20世紀の計画都市における最高傑作と名高い街】
クロード・モネの名作『印象:日の出』が描かれた、
華やかで活気に満ちたフランスを代表する港町は、
第二次世界大戦中に壊滅的な被害を受ける。
悲しい歴史を背負いながらも前に進み続け、
世界遺産にも登録される美しい街並みを取り戻した。
その立役者である建築家オーギュスト・ペレは、
均整と調和を重んじる古典主義の理想を体現した。

ル・アーヴル/Le Havre
【20世紀の計画都市における最高傑作と名高い街】
クロード・モネの名作『印象:日の出』が描かれた、華やかで活気に満ちたフランスを代表する港町は、第二次世界大戦中に壊滅的な被害を受ける。
悲しい歴史を背負いながらも前に進み続け、世界遺産にも登録される美しい街並みを取り戻した。
その立役者である建築家オーギュスト・ペレは、均整と調和を重んじる古典主義の理想を体現した。

印象派ゆかりの街
フランス国王フランソワ1世によって1517年によって港が築かれて以降、貿易によって街は大きく発展した。また19世紀には海水浴場として人気を博し、パリからの観光客を中心に大きな賑わいをみせることになる。そんな活気溢れる華やかな雰囲気に惹かれるように、街には多くのアーティストが滞在し芸術の新しい可能性を切り拓いていった。
その代表とも言えるのがクロード・モネで、5歳から幼少期をこの街で過ごした。特に印象派の名前の由来となった名作『印象・日の出』は、1872年にこの街の港をモチーフとして描いたものである。その他にも、モネの師としても名高いウジェーヌ・ブーダンや、「色彩の魔術師」の名でも呼ばれるフォービズム(野獣派)の巨匠ラウル・デュフィなど、この街ゆかりの画家は枚挙にいとまがない。
印象派ゆかりの街

フランス国王フランソワ1世によって1517年によって港が築かれて以降、貿易によって街は大きく発展した。
また19世紀には海水浴場として人気を博し、パリからの観光客を中心に大きな賑わいをみせることになる。
そんな活気溢れる華やかな雰囲気に惹かれるように、街には多くのアーティストが滞在し芸術の新しい可能性を切り拓いていった。
その代表とも言えるのがクロード・モネで、5歳から幼少期をこの街で過ごした。
特に印象派の名前の由来となった名作『印象・日の出』は、1872年にこの街の港をモチーフとして描いたものである。
その他にも、モネの師としても名高いウジェーヌ・ブーダンや、「色彩の魔術師」の名でも呼ばれるフォービズム(野獣派)の巨匠ラウル・デュフィなど、この街ゆかりの画家は枚挙にいとまがない。
世界遺産:ル・アーヴル、オーギュスト・ペレによる再建都市
第二次世界大戦中に壊滅的な被害を受け更地と化してしまったこの街の復興を担ったのは、20世紀フランスを代表する建築・都市計画家オーギュスト・ペレ。コンクリートと鉄という2つの建材が持つ長所と短所の補完性に着目し、鉄筋コンクリート造りという当時の革新的な建築技法の可能性を追求したペレは「コンクリートの父」や「コンクリートの詩人」の愛称でも知られている。
ペレ建築の代名詞ともいえる6.24mの倍数で構成される建物および道路は、秩序と調和を重視した古典的な様式美の理想を追求した街並みを形作っている。またそれぞれの建物は円柱が採用されるなど、古典様式の魅力を最大限引き出している。伝統と革新が交わる唯一無二の特徴が評価され、2005年より中心市街地は『ル・アーヴル、オーギュスト・ペレによる再建都市』としてユネスコの世界遺産に登録されている。

世界遺産:ル・アーヴル、オーギュスト・ペレによる再建都市

第二次世界大戦中に壊滅的な被害を受け更地と化してしまったこの街の復興を担ったのは、20世紀フランスを代表する建築・都市計画家オーギュスト・ペレ。
コンクリートと鉄という2つの建材が持つ長所と短所の補完性に着目し、鉄筋コンクリート造りという当時の革新的な建築技法の可能性を追求したペレは「コンクリートの父」や「コンクリートの詩人」の愛称でも知られている。
ペレ建築の代名詞ともいえる6.24mの倍数で構成される建物および道路は、秩序と調和を重視した古典的な様式美の理想を追求した街並みを形作っている。
またそれぞれの建物は円柱が採用されるなど、古典様式の魅力を最大限引き出している。
伝統と革新が交わる唯一無二の特徴が評価され、2005年より中心市街地は『ル・アーヴル、オーギュスト・ペレによる再建都市』としてユネスコの世界遺産に登録されている。

ル・アーヴル市庁舎と集合住宅
1958年に完成したペレ設計のル・アーヴル市庁舎は、再建都市の象徴的な場所。上に向かって膨らんでいく円柱が並ぶ、古典的なスタイルと前衛的なデザインが融合する外観が印象的。すぐ脇に佇む塔は高さ72mに及び、17階には展望台が設けられている。そこからは市庁舎を起点に港に向かって三角形に広がる、計算されつくした中心市街地の街並みを一望することが出来る。
ル・アーヴル市庁舎前に建ち並ぶアパートも、ペレの哲学が詰まった貴重な建物。円柱をアクセントとして部屋を区切った各アパート内部は、住民一人一人の暮らしに合わせて柔軟に空間を変更できるように工夫がなされている。その他にも1950年代当時の最先端のライフスタイルを数多く取り入れた集合住宅は、ペレの思いを現代へと伝えるモデルルームとして一般公開されている。
ル・アーヴル市庁舎と集合住宅

1958年に完成したペレ設計のル・アーヴル市庁舎は、再建都市の象徴的な場所。
上に向かって膨らんでいく円柱が並ぶ、古典的なスタイルと前衛的なデザインが融合する外観が印象的。
すぐ脇に佇む塔は高さ72mに及び、17階には展望台が設けられている。
そこからは市庁舎を起点に港に向かって三角形に広がる、計算されつくした中心市街地の街並みを一望することが出来る。
ル・アーヴル市庁舎前に建ち並ぶアパートも、ペレの哲学が詰まった貴重な建物。
円柱をアクセントとして部屋を区切った各アパート内部は、住民一人一人の暮らしに合わせて柔軟に空間を変更できるように工夫がなされている。
その他にも1950年代当時の最先端のライフスタイルを数多く取り入れた集合住宅は、ペレの思いを現代へと伝えるモデルルームとして一般公開されている。
サン・ジョセフ教会
またオーギュスト・ペレの遺作にして集大成として知られる、1957年完成のサン・ジョセフ教会も必見。高さ107mに達する八角形の建物は街のどこからでも眺める事が出来るのに加え、第二次世界大戦の犠牲者を追悼するための石碑としての役割も担っている。濃淡の異なるコンクリートを用いることで優美な色合いを実現し、20世紀フランス建築の傑作と名高い。
より魅力的な空間を実現しているステンドグラスの存在も、教会を語る上で欠かすことが出来ない。20世紀フランスを代表するガラス職人マルグリット・ユレが手掛けたもので、色鮮やかな1万2768枚のステンドグラスを使用。東西南北で異なる配色は、上層へ向かうにつれて徐々に淡い色合いが採用され、教会内は神秘的な雰囲気に満ちている。

サン・ジョセフ教会

またオーギュスト・ペレの遺作にして集大成として知られる、1957年完成のサン・ジョセフ教会も必見。
高さ107mに達する八角形の建物は街のどこからでも眺める事が出来るのに加え、第二次世界大戦の犠牲者を追悼するための石碑としての役割も担っている。
濃淡の異なるコンクリートを用いることで優美な色合いを実現し、20世紀フランス建築の傑作と名高い。
より魅力的な空間を実現しているステンドグラスの存在も、教会を語る上で欠かすことが出来ない。
20世紀フランスを代表するガラス職人マルグリット・ユレが手掛けたもので、色鮮やかな1万2768枚のステンドグラスを使用。
東西南北で異なる配色は、上層へ向かうにつれて徐々に淡い色合いが採用され、教会内は神秘的な雰囲気に満ちている。

アンドレ・マルロー近代美術館(MuMa)
ペレによって見事な復興を遂げた街は、その後も20世紀の芸術を取り入れながら街の発展を進めることとなる。その第一歩として建設されたのが、フランスを代表する文豪であると共に、当時文化省の大臣として戦後の文化芸術振興に貢献したアンドレ・マルローの名を冠した1961年開業の美術館である。
ル・アーヴル美術館は第二次世界大戦中に破壊されてしまったが、戦禍を逃れた貴重な作品の展示が行われている。特にこの街ゆかりの印象派絵画の所蔵作品は、フランスでも屈指の規模を誇る。また20世紀に発展した近代美術を柱としてミュージアムの充実が図られており、心が感じるままに色彩を表現するフォービスム(野獣派)のコレクションは世界的に有名。
アンドレ・マルロー近代美術館(MuMa)

ペレによって見事な復興を遂げた街は、その後も20世紀の芸術を取り入れながら街の発展を進めることとなる。
その第一歩として建設されたのが、フランスを代表する文豪であると共に、当時文化省の大臣として戦後の文化芸術振興に貢献したアンドレ・マルローの名を冠した1961年開業の美術館である。
ル・アーヴル美術館は第二次世界大戦中に破壊されてしまったが、戦禍を逃れた貴重な作品の展示が行われている。
特にこの街ゆかりの印象派絵画の所蔵作品は、フランスでも屈指の規模を誇る。
また20世紀に発展した近代美術を柱としてミュージアムの充実が図られており、心が感じるままに色彩を表現するフォービスム(野獣派)のコレクションは世界的に有名。
ル・ヴォルカンとバン・デ・ドック
1982年に完成した文化センター「ル・ヴォルカン」も、建築史に名を刻む傑作と謳われる。ブラジルの首都ブラジリアの建築物を担当し、1987年の世界遺産登録に多大な貢献をした近代建築家オスカー・ニーマイヤーが設計。劇場や図書館などの入った、文化センターとして活用されている。
また巧みにガラスを用いることで世界的な評価を受けている、フランス人建築家ジャン・ヌーヴェル設計の市営プールも2006年に完成。古代ローマの公衆浴場からインスピレーションを受けた空間は、幾何学的な白い直線で構成される前衛的で大胆なアレンジが加えられている。

ル・ヴォルカンとバン・デ・ドック

1982年に完成した文化センター「ル・ヴォルカン」も、建築史に名を刻む傑作と謳われる。
ブラジルの首都ブラジリアの建築物を担当し、1987年の世界遺産登録に多大な貢献をした近代建築家オスカー・ニーマイヤーが設計。
劇場や図書館などの入った、文化センターとして活用されている。
また巧みにガラスを用いることで世界的な評価を受けている、フランス人建築家ジャン・ヌーヴェル設計の市営プールも2006年に完成。
古代ローマの公衆浴場からインスピレーションを受けた空間は、幾何学的な白い直線で構成される前衛的で大胆なアレンジが加えられている。

グラヴィル大修道院とノートルダム大聖堂
第二次世界大戦の被害から逃れた歴史的建築物も、近代的な街並みとの対比の中で存在感を放っている。最も歴史ある建物は、街の郊外の高台の上に佇むグラヴィル大修道院である。その設立は9世紀に遡り、ノルマンディー地方のロマネスク建築の代表作と名高い。現在は宗教美術などを展示する、ミュージアムとして営業している。
この街の宗教の中心であるノートルダム大聖堂は16世紀に建設されて以来、幾度にも渡る改築を経て現在の姿へと至る。そのためフランボワイヤン・ゴシック様式、ルネサンス様式、バロック様式、古典派様式など様々なスタイルが混在しているのが特徴である。宰相としてルイ13世を支えたリシュリュー枢機卿から寄贈された、1638年製のオルガンは見応えがある。
グラヴィル大修道院とノートルダム大聖堂

第二次世界大戦の被害から逃れた歴史的建築物も、近代的な街並みとの対比の中で存在感を放っている。
最も歴史ある建物は、街の郊外の高台の上に佇むグラヴィル大修道院である。
その設立は9世紀に遡り、ノルマンディー地方のロマネスク建築の代表作と名高い。
現在は宗教美術などを展示する、ミュージアムとして営業している。
この街の宗教の中心であるノートルダム大聖堂は16世紀に建設されて以来、幾度にも渡る改築を経て現在の姿へと至る。
そのためフランボワイヤン・ゴシック様式、ルネサンス様式、バロック様式、古典派様式など様々なスタイルが混在しているのが特徴である。
宰相としてルイ13世を支えたリシュリュー枢機卿から寄贈された、1638年製のオルガンは見応えがある。
メゾン・ド・ラルマトゥールと自然史博物館
18世紀に建てられたメゾン・ド・ラルマトゥールは、第二次世界大戦中に激しい攻撃を受けた港のエリアに残る数少ない遺物。元々は貿易商の事務所として用いられ、円柱をアクセントとする新古典派様式の美しい外観が印象的。2006年からは装飾芸術美術館として営業しており、一般公開されている。
また1760年に建てられた旧裁判所は、1876年に博物館へと役割を変えた。戦時中に南翼棟が全壊するなど大きな被害を受けたため取り壊しも検討されたが、見事に修復され戦前の優美な街並みを伝える貴重な建物となっている。現在も自然史博物館として、動植物や鉱物の世界をより深く理解できる展示を行っている。

メゾン・ド・ラルマトゥールと自然史博物館

18世紀に建てられたメゾン・ド・ラルマトゥールは、第二次世界大戦中に激しい攻撃を受けた港のエリアに残る数少ない遺物。
元々は貿易商の事務所として用いられ、円柱をアクセントとする新古典派様式の美しい外観が印象的。
2006年からは装飾芸術美術館として営業しており、一般公開されている。
また1760年に建てられた旧裁判所は、1876年に博物館へと役割を変えた。
戦時中に南翼棟が全壊するなど大きな被害を受けたため取り壊しも検討されたが、見事に修復され戦前の優美な街並みを伝える貴重な建物となっている。
現在も自然史博物館として、動植物や鉱物の世界をより深く理解できる展示を行っている。
ル・アーヴルについて詳しく知りたい!
基本情報

セーヌ・マリティーム県ル・アーヴル/Le Havre (SEINE-MARITIME)
面積:54,75 km2
人口:16万人(2022年現在)
写真1, 2, 3, 6, 7, 9枚目:Photoed by Jean-Pierre Dalbéra – Flickr
写真4, 8, 11, 12枚目:Photoed by ddzphoto – pixabay.com
写真5枚目:Photoed by photosforyou – pixabay.com
写真10枚目:pixabay.com
2025年1月25日:ページ更新
行き方

パリから在来線(NO_MA_D)に乗って2時間10分ほどで訪れることが出来ます。
またレンタカーを借りて、ノルマンディー地方に点在する小さな村や街巡りの拠点にするのもお勧めです。道中ではモネを初めとする印象派の画家たちが愛した、ノルマンディー地方の美しい自然を車窓から楽しむことが出来ますよ。
パリ・サン・ラザール駅(Paris Saint-Lazare)からTERに乗って、ル・アーヴル駅(Le Havre)下車。(約2時間10分)
パリから210km(約2時間50分)
パリ・シャルル・ド・ゴール国際空港から230km(約2時間40分)
ミシュラン星付きレストラン

2024年のミシュランガイドで1つ星を獲得した、レストランを紹介させて頂きます。
オーギュスト・ペレによって再建された、この街の世界遺産エリアに佇むレストラン。生産者と直接コミュニケーションを取るなど、海の恵みや畜産・酪農といった地元の美味しい食材を大切にしているのは、ノルマンディー出身のシェフならではのこだわり。
シェフが子供の頃から慣れ親しんできた味をベースにしながらも、創造的で芸術的な料理が魅力となっています。創作おつまみ+メイン+デザートで構成されるお昼のコース(祝日を除く)は、55€からです。
ル・アーヴルのお勧めホテル

フランス・ノルマンディー地方にある美しい村々を訪れるなら、ル・アーヴルを拠点にしてみてはいかがでしょうか?
ホテルの予約はbooking.comが便利で、毎回お世話になっています。この街にあるお勧めの宿を紹介いたしますので参考にして頂ければ幸いです。
Booking.comのロケーションスコア9.3と高評価なこの宿泊施設は、世界遺産にも登録されるオーギュスト・ペレによって再建されたエリアに佇んでいるため街の散策に便利。有名ホテルグループによる運営で、24時間対応のフロントがあるため、初めてフランスに旅行されるという方も安心してご利用頂けます。港沿いに位置しているため、モネが描いたこの街の海と港を望む美しい客室も備えています。宿泊者のニーズに応じて値段が異なり、料金は2名1泊で170€~280€(朝食別)です。
Booking.comの総合スコア8.6と高評価なこの宿泊施設は、ル・アーブル駅からすぐの場所に佇んでいるため電車での移動にも便利。カジュアルな若者間のある雰囲気で、学生での利用にもお勧めです。宿泊者のニーズに応じて値段が異なり、料金は2名1泊で80€~160€です。公式サイトではよりリーズナブルな価格で宿泊できるドミトリー(相部屋)の部屋も紹介しているので、可能な限り価格を抑えた旅行をしたいという方は併せて見てみると良いでしょう。
ル・アーヴル近郊の美しい村
ヴール・レ・ローズ
この街から、ノルマンディー地方の海岸線に沿って進むと姿を現す美しい村です。白亜の断崖の麓に佇んでおり、小川の流れる村内には藁葺屋根や火打石の民家などが残ります。
ブランジー・ル・シャトー
ノルマンディー地方伝統の木組みの民家が、数多く残された美しい村です。20世紀の新しい街と古くから続く素朴な街並みを対比してみることで、両者をより一層深く理解することが出来ますよ。

