サン・サヴァン・シュル・ガルタンプ/Saint-Savin-sur-Gartempe

 

【フレスコ画が天井を彩る大修道院】

 

「ロマネスク期のシスティーナ礼拝堂」の異名を持つ、

大修道院を中心として広がる村。

フレスコ画の描かれた宗教建築が集中する、

20km以上にも渡って続くガルタンプ川流域の中でも、

最高傑作と名高い大修道院付属教会は村の誇り。

天井一面を覆いつくす壁画を眺めれば、

旧約聖書の物語の世界へと誘われる。

サン・サヴァン・シュル・ガルタンプ/Saint-Savin-sur-Gartempe

 

【フレスコ画が天井を彩る大修道院】

 

「ロマネスク期のシスティーナ礼拝堂」の異名を持つ、大修道院を中心として広がる村。

 

フレスコ画の描かれた宗教建築が集中する、20km以上にも渡って続くガルタンプ川流域の中でも、最高傑作と名高い大修道院付属教会は村の誇り。

 

天井一面を覆いつくす壁画を眺めれば、旧約聖書の物語の世界へと誘われる。




世界遺産:サン・サヴァン・シュル・ガルタンプ修道院教会

 

11~12世紀の美しいフレスコ画が彩る、サン・サヴァン・シュル・ガルタンプ大修道院付属教会がこの村のシンボル。ミケランジェロが描いた『最後の審判』に代表されるルネサンス期のフレスコ画に彩られたバチカンのシスティーナ礼拝堂になぞらえ、「ロマネスク期のシスティーナ礼拝堂」という愛称で呼ばれる。

 

この時代のフレスコ画として非常に保存状態が良く、中世ヨーロッパ文明における宗教芸術の発展を今に伝える象徴的な場所として知られている。こうした重要性が評価され、1983年より『サン・サヴァン・シュル・ガルタンプ教会』(2006年より大修道院の要素も追加)として世界遺産に登録されている。

世界遺産:サン・サヴァン・シュル・ガルタンプ修道院教会

11~12世紀の美しいフレスコ画が彩る、サン・サヴァン・シュル・ガルタンプ大修道院付属教会がこの村のシンボル。

 

ミケランジェロが描いた『最後の審判』に代表されるルネサンス期のフレスコ画に彩られたバチカンのシスティーナ礼拝堂になぞらえ、「ロマネスク期のシスティーナ礼拝堂」という愛称で呼ばれる。

 

この時代のフレスコ画として非常に保存状態が良く、中世ヨーロッパ文明における宗教芸術の発展を今に伝える象徴的な場所として知られている。

 

こうした重要性が評価され、1983年より『サン・サヴァン・シュル・ガルタンプ教会』(2006年より大修道院の要素も追加)として世界遺産に登録されている。

サン・サヴァン・シュル・ガルタンプ大修道院

 

伝説によれば5世紀に迫害され、この地で殉職した2人のキリスト教徒の兄弟(聖サヴァンと聖シプリアン)の聖遺物を祀るためにカール大帝の秘書官バディロスが大修道院を建立することを決めた。その後、カール大帝の三男でフランク国王および神聖ローマ皇帝を務めたルートヴィヒ1世および、その片腕として補佐を務めたアニアーヌの聖ブノワによって9世紀初めに最初の教会が建てられた。

 

現在の大修道院付属教会は11世紀前半より建てられたもので、ロマネスク様式の重厚かつ荘厳な外観が印象的。14世紀にはゴシック様式の尖塔が付け加えられた他、英仏百年戦争の影響により大きな被害を受けたことから隣接する修道士が生活を営む建物は17世紀に新たに建設された。

サン・サヴァン・シュル・ガルタンプ大修道院

伝説によれば5世紀に迫害され、この地で殉職した2人のキリスト教徒の兄弟(聖サヴァンと聖シプリアン)の聖遺物を祀るためにカール大帝の秘書官バディロスが大修道院を建立することを決めた。

 

その後、カール大帝の三男でフランク国王および神聖ローマ皇帝を務めたルートヴィヒ1世および、その片腕として補佐を務めたアニアーヌの聖ブノワによって9世紀初めに最初の教会が建てられた。

 

現在の大修道院付属教会は11世紀前半より建てられたもので、ロマネスク様式の重厚かつ荘厳な外観が印象的。

 

14世紀にはゴシック様式の尖塔が付け加えられた他、英仏百年戦争の影響により大きな被害を受けたことから隣接する修道士が生活を営む建物は17世紀に新たに建設された。

大修道院付属教会のフレスコ画

 

高さ17mの天井に描かれた総面積420m2にも及ぶ身廊のフレスコ画は、ロマネスク時代の壁画としてヨーロッパ最大級のものである。旧約聖書の重要な場面をモチーフとしており、『ノアの箱舟』や『紅海横断(モーセがエジプトから脱出するために海を渡る場面)』、『バベルの塔』など44のエピソードが描かれている。

 

その他にも教会内は見応えのある壁画に彩られており、ゴシック様式の尖塔の下にある玄関ホールには『聖母子像(子供を抱く聖母マリア)』や『ヨハネの黙示録』が描かれている。また壁画の保存のため現在は一般公開されていないが、地下礼拝堂の壁面や天井にも11世紀終わりに聖サヴァンと聖シプリアンの物語を題材として描かれたフレスコ画が残されている。

大修道院付属教会のフレスコ画

高さ17mの天井に描かれた総面積420m2にも及ぶ身廊のフレスコ画は、ロマネスク時代の壁画としてヨーロッパ最大級のものである。

 

旧約聖書の重要な場面をモチーフとしており、『ノアの箱舟』や『紅海横断(モーセがエジプトから脱出するために海を渡る場面)』、『バベルの塔』など44のエピソードが描かれている。

 

その他にも教会内は見応えのある壁画に彩られており、ゴシック様式の尖塔の下にある玄関ホールには『聖母子像(子供を抱く聖母マリア)』や『ヨハネの黙示録』が描かれている。

 

また壁画の保存のため現在は一般公開されていないが、地下礼拝堂の壁面や天井にも11世紀終わりに聖サヴァンと聖シプリアンの物語を題材として描かれたフレスコ画が残されている。

サン・サヴァン橋

 

大修道院を中心として広がる市街地は城壁に囲まれていたと考えられており、ミュライユ通りとタヌリー通りには現在も塔が残り、かつての趣を今に伝えている。またバン通りは17世紀に手紙を運ぶ飛脚の駅が設けられていた場所で、中世には疲れた馬を乗り換えるための馬小屋が存在していた。

 

ガルタンプ川を跨ぐように架けられているのが、13~14世紀初めに造られたサン・サヴァン橋。全長は100mを超え、6つのアーチに支えられた美しい姿を水面に反射させている。大修道院の修道士によって建てられたこの橋は、1852年に新しい橋が出来るまでポワティエとブールジュを結ぶ主要路として用いられていた。

サン・サヴァン橋

大修道院を中心として広がる市街地は城壁に囲まれていたと考えられており、ミュライユ通りとタヌリー通りには現在も塔が残り、かつての趣を今に伝えている。

 

またバン通りは17世紀に手紙を運ぶ飛脚の駅が設けられていた場所で、中世には疲れた馬を乗り換えるための馬小屋が存在していた。

 

ガルタンプ川を跨ぐように架けられているのが、13~14世紀初めに造られたサン・サヴァン橋。

 

全長は100mを超え、6つのアーチに支えられた美しい姿を水面に反射させている。

 

大修道院の修道士によって建てられたこの橋は、1852年に新しい橋が出来るまでポワティエとブールジュを結ぶ主要路として用いられていた。

ファブリック・ドゥ・ポワン・ドゥ・ジュール

 

村の郊外にある6000 m2の広大な庭園の中には、ファブリック・ドゥ・ポワン・ドゥ・ジュールの名で呼ばれるフォリー(装飾用の建物)が佇む。中世の城を模倣した人口廃墟であり、1910年にこの村の道路管理官を務めていた建築家アンドレ・デュシェーヌによって建てられた。

 

感受性や主観に重きを置くロマン主義から影響を受けた建物は、唯一無二の独創的な空間を演出している。またアンドレ・デュシェーヌはその他にも村役場や戦争記念碑などを手掛けており、併せて見ることで彼の建築をより深く理解することが出来る。

ファブリック・ドゥ・ポワン・ドゥ・ジュール

村の郊外にある6000 m2の広大な庭園の中には、ファブリック・ドゥ・ポワン・ドゥ・ジュールの名で呼ばれるフォリー(装飾用の建物)が佇む。

 

中世の城を模倣した人口廃墟であり、1910年にこの村の道路管理官を務めていた建築家アンドレ・デュシェーヌによって建てられた。

 

感受性や主観に重きを置くロマン主義から影響を受けた建物は、唯一無二の独創的な空間を演出している。

 

またアンドレ・デュシェーヌはその他にも村役場や戦争記念碑などを手掛けており、併せて見ることで彼の建築をより深く理解することが出来る。

サン・サヴァン・シュル・ガルタンプについて詳しく知りたい!

基本情報

ヴィエンヌ県サン・サヴァン(サンサヴァン、サン・サヴァン・シュル・ガルタンプ、サンサヴァンシュルガルタンプ)/Saint-Savin (VIENNE)

面積:18,8 km2

人口:817人(2021年現在)

写真1, 2, 5枚目:Photoed by Daniel Jolivet – Flickr

写真3枚目:Photoed by Nicolas Ledez – Flickr

写真4枚目:Photoed by Grégory Legeais – Flickr

写真6枚目:Photoed by Pom’ – Flickr

写真7枚目:Photoed by Simon Cope – Flickr

写真8枚目:Photoed by Alex Ranaldi – Flickr

2024年9月2日:ページ更新

行き方

この村が位置するヴィエンヌ県の県庁所在地ポワティエからバスで訪れることが出来ます。

 

またフランス大西洋岸地方に点在する美しい村も併せて訪れるのであれば、レンタカーを利用するのもお勧め。海や川など綺麗な水が美しさを惹きたてる、自然豊かな景観を眺めながらの移動はとても気持ちが良いですよ。

パリ・モンパルナス駅(Paris-Montparnasse 1-2)からTGVに乗って、ポワティエ駅(Poitiers)下車。(約1時間20分)

 

ポワティエ駅前停留所(Poitiers Gare Routière)からSNCFの高速バス(Car TER)に乗って、サン・サヴァン停留所(Saint-Savin)下車。(約30分)

パリから360km(約3時間40分)

パリ・シャルル・ド・ゴール国際空港から380km(約4時間20分)




サン・サヴァン・シュル・ガルタンプのお勧めホテル

村内がオレンジに輝く夕暮れ時や、夜のライトアップ、朝霧に包まれた街並みなど、時間によって様々な表情を見せるのが美しい村の魅力。

 

フランスの最も美しい村の予約はbooking.comが便利で、毎回お世話になっています。今回はサン・サヴァン・シュル・ガルタンプにあるお勧めのホテルを紹介いたしますので参考にして頂ければ幸いです。

Booking.comのロケーションスコア8.7と高評価なこの宿泊施設は、中心市街地に位置しているため村の散策に便利なホテル。白を基調とした客室は、清潔感があって好印象です。17世紀に大修道院の住居として用いられていた建物をリノベーションして営業しているレストラン『ル・セラシュス(Le Cérasus)』と提携関係にあるので、一緒に利用するのもお勧め。料金は2名1泊で90€、ベッドが3台ある4人部屋は110€からです。




サン・サヴァン・シュル・ガルタンプ近郊の美しい村

アングル・シュル・ラングラン

この村から車で20分ほどの距離にあり、一緒に訪れるのがお勧めです。アングラン川の畔の崖の上に佇むアングル城塞や、ポアトゥー・ロマネスク様式のサン・マルタン教会が見どころです。