マルセイユ/Marseille

 

【地中海の風薫るフランス最古の港町】

 

南フランスの太陽がいっぱいに降り注ぎ水面が輝く、

歴史ある港を中心に発展したこの街はフランス第2の都市。

毎朝取れたての魚介類が並ぶ港沿いの魚市は、

地元の人々にも愛される漁師町ならではの光景。

ビザンチン · ロマネスク様式の2 つの大聖堂や

ユネスコの世界遺産にも登録されるル・コルビュジエの傑作に加え、

カランクと呼ばれる入り江が連続する海岸線や島々も魅力的だ。

マルセイユ/Marseille

 

【地中海の風薫るフランス最古の港町】

 

南フランスの太陽がいっぱいに降り注ぎ水面が輝く、歴史ある港を中心に発展したこの街はフランス第2の都市。

 

毎朝取れたての魚介類が並ぶ港沿いの魚市は、地元の人々にも愛される漁師町ならではの光景。

 

ビザンチン · ロマネスク様式の2 つの大聖堂やユネスコの世界遺産にも登録されるル・コルビュジエの傑作に加え、カランクと呼ばれる入り江が連続する海岸線や島々も魅力的だ。




旧港と魚市

 

紀元前6世紀頃に古代ギリシアの都市ポカイアの船乗りと、この地域の先住民の長の娘が結婚したことで、この地に港が作られたとの伝説が残る。そこから数えて26世紀に渡って港町として発展し、特に中世は漁業と地中海貿易を行う船で賑わいを見せた。今日も旧港には多くのレジャー用のボートが停泊し、往時の面影を今に伝えている。

 

旧港の名物となっているのは、毎朝カサゴをはじめとするこの街ならではの新鮮な魚介類が並ぶ魚の朝市。また巨大な鏡上の屋根が旧港を映し出す近未来的なデザインが印象的な「ロンブリエール」と呼ばれるアート作品は、2013年に設置されて以来この街の新しい人気スポットとなっている。

旧港と魚市

紀元前6世紀頃に古代ギリシアの都市ポカイアの船乗りと、この地域の先住民の長の娘が結婚したことで、この地に港が作られたとの伝説が残る。

 

そこから数えて26世紀に渡って港町として発展し、特に中世は漁業と地中海貿易を行う船で賑わいを見せた。

 

今日も旧港には多くのレジャー用のボートが停泊し、往時の面影を今に伝えている。

 

旧港の名物となっているのは、毎朝カサゴをはじめとするこの街ならではの新鮮な魚介類が並ぶ魚の朝市。

 

また巨大な鏡上の屋根が旧港を映し出す近未来的なデザインが印象的な「ロンブリエール」と呼ばれるアート作品は、2013年に設置されて以来この街の新しい人気スポットとなっている。

サン・ニコラ要塞とサン・ジャン要塞

 

地中海から旧港への入り口を見守るように佇むのは、北側のサン・ニコラ要塞と南側のサン・ジャン要塞。その歴史は12世紀に遡り、聖ヨハネ騎士団の時代には聖地エルサレムへと向かう軍隊の出発点として使われ、サン・ジャン要塞には司令官の館が置かれた。

 

17世紀に入ると反乱による政治不安が続き、1660年にフランス国王ルイ14世がこの街を訪問すると要塞の大幅な改修を命じた。そのため外部からの敵から守るという目的に加えて、大砲を街に向けて配置できるようにするなど、マルセイユ市民を威嚇し統制するという独特の構造をしている。

サン・ニコラ要塞とサン・ジャン要塞

地中海から旧港への入り口を見守るように佇むのは、北側のサン・ニコラ要塞と南側のサン・ジャン要塞。

 

その歴史は12世紀に遡り、聖ヨハネ騎士団の時代には聖地エルサレムへと向かう軍隊の出発点として使われ、サン・ジャン要塞には司令官の館が置かれた。

 

17世紀に入ると反乱による政治不安が続き、1660年にフランス国王ルイ14世がこの街を訪問すると要塞の大幅な改修を命じた。

 

そのため外部からの敵から守るという目的に加えて、大砲を街に向けて配置できるようにするなど、マルセイユ市民を威嚇し統制するという独特の構造をしている。

欧州地中海文明博物館

 

先ほど紹介したサン・ジャン要塞は、2013年にMuCEM(ミュセム)の愛称で呼ばれる欧州地中海文明博物館の一部として開業。メインの展示室となる「J4」と名付けられた建物は「石と水と風の調和」を表現しており、ガラス張りの建物に被さるようにコンクリートで出来た細かな網目模様の外壁が囲んでいるのが印象的。

 

博物館の総面積は4万5千平米にも及び、地中海やヨーロッパの文明/暮らしを伝える出土品・写真・ポストカード・芸術作品など、新石器時代から現代に至る多種多様な資料が保管・展示されている。また「J4」とサン・ジャン要塞とを結ぶ130mの「空中遊歩道」は、地中海の素晴らしいパノラマが広がる人気のスポットとなっている。

欧州地中海文明博物館

先ほど紹介したサン・ジャン要塞は、2013年にMuCEM(ミュセム)の愛称で呼ばれる欧州地中海文明博物館の一部として開業。

 

メインの展示室となる「J4」と名付けられた建物は「石と水と風の調和」を表現しており、ガラス張りの建物に被さるようにコンクリートで出来た細かな網目模様の外壁が囲んでいるのが印象的。

 

博物館の総面積は4万5千平米にも及び、地中海やヨーロッパの文明/暮らしを伝える出土品・写真・ポストカード・芸術作品など、新石器時代から現代に至る多種多様な資料が保管・展示されている。

 

また「J4」とサン・ジャン要塞とを結ぶ130mの「空中遊歩道」は、地中海の素晴らしいパノラマが広がる人気のスポットとなっている。

マルセイユ大聖堂

 

旧港から少し離れた場所に佇むのは、この街の宗教の中心的な役割を担っているサント・マリー・マジュール大聖堂。この街の大聖堂の歴史は5世紀に遡ることが出来ると考えられており、現在の建物は19世紀に4度目の建て替えによって誕生したもの。その最初の石はフランス皇帝ナポレオン3世によって置かれた。

 

ビザンチン · ロマネスク様式の建物は多様な産地から厳選された色とりどりの建築材が用いられることで、どこかオリエンタルな雰囲気を醸し出している。また12世紀に建てられた3代目の大聖堂は、解体中に起きた歴史的建築物の保護運動のおかげで、現在もその一部がヴィエイユ・マジュール教会として大聖堂横に残されている。

マルセイユ大聖堂

旧港から少し離れた場所に佇むのは、この街の宗教の中心的な役割を担っているサント・マリー・マジュール大聖堂。

 

この街の大聖堂の歴史は5世紀に遡ることが出来ると考えられており、現在の建物は19世紀に4度目の建て替えによって誕生したもの。

 

その最初の石はフランス皇帝ナポレオン3世によって置かれた。

 

ビザンチン · ロマネスク様式の建物は多様な産地から厳選された色とりどりの建築材が用いられることで、どこかオリエンタルな雰囲気を醸し出している。

 

また12世紀に建てられた3代目の大聖堂は、解体中に起きた歴史的建築物の保護運動のおかげで、現在もその一部がヴィエイユ・マジュール教会として大聖堂横に残されている。

ノートルダム・ド・ラ・ガルド大聖堂

 

港を中心に広がる街を見下ろすことの出来る、小高い丘の上に佇むノートルダム・ド・ラ・ガルド大聖堂は13世紀にその歴史を遡る。当時は小さな礼拝堂だったが、増え続ける巡礼者を受け入れるために1853年から現在のバジリカ聖堂の建設が始まった。

 

丸天井に色とりどりの石材、金の装飾にモザイク画など、ビザンチン · ロマネスク様式の代表的な建物として有名。船乗りの街だけあって、船の模型や海にちなんだ装飾が教会内を魅力的に彩っている。また鐘楼の頂上からは、フランス語で「良き母」を意味する「ラ・ボンヌ・メール」と親しみを持って呼ばれている子供を抱えた聖母マリア像が街を見守っている。

ノートルダム・ド・ラ・ガルド大聖堂

港を中心に広がる街を見下ろすことの出来る、小高い丘の上に佇むノートルダム・ド・ラ・ガルド大聖堂は13世紀にその歴史を遡る。

 

当時は小さな礼拝堂だったが、増え続ける巡礼者を受け入れるために1853年から現在のバジリカ聖堂の建設が始まった。

 

丸天井に色とりどりの石材、金の装飾にモザイク画など、ビザンチン · ロマネスク様式の代表的な建物として有名。

 

船乗りの街だけあって、船の模型や海にちなんだ装飾が教会内を魅力的に彩っている。

 

また鐘楼の頂上からは、フランス語で「良き母」を意味する「ラ・ボンヌ・メール」と親しみを持って呼ばれている子供を抱えた聖母マリア像が街を見守っている。

サン・ヴィクトール修道院

 

旧港からすぐ隣の小高い丘の上に佇むサン・ヴィクトール修道院は、5世紀に建立された歴史ある修道院。中央の外陣はロマネスク様式、交差廊と内陣にはゴシック様式が採用されており、11世紀以降に建設された地下礼拝堂は4世紀終わりから5世紀前半にかけての石棺のコレクションが充実している。

 

毎年2月2日の聖燭祭(Chandeleur)の朝には、旧港から出発してサン・ヴィクトール修道院へと向かう宗教行列が催され、地下礼拝堂に祀られている黒い聖母像がお披露目される。宗教行列の後には大規模なミサが開催され、敬虔なキリスト教の巡礼者が集う大切な一日となっている。

サン・ヴィクトール修道院

旧港からすぐ隣の小高い丘の上に佇むサン・ヴィクトール修道院は、5世紀に建立された歴史ある修道院。

 

中央の外陣はロマネスク様式、交差廊と内陣にはゴシック様式が採用されており、11世紀以降に建設された地下礼拝堂は4世紀終わりから5世紀前半にかけての石棺のコレクションが充実している。

 

毎年2月2日の聖燭祭(Chandeleur)の朝には、旧港から出発してサン・ヴィクトール修道院へと向かう宗教行列が催され、地下礼拝堂に祀られている黒い聖母像がお披露目される。

 

宗教行列の後には大規模なミサが開催され、敬虔なキリスト教の巡礼者が集う大切な一日となっている。

ヴァロン・デ・ゾフ漁港

 

この街の古き良き時代の雰囲気を留めるのが、両サイドを崖に囲まれた小さな入り江に佇むヴァロン・デ・ゾフ漁港。南仏らしいカラフルな色どりが可愛らしい漁師の民家が50件ほど残されており、港には現在でも漁に出るための小さなボートが数多く停泊している。

 

3つのアーチが美しいコルニッシュ・ケネディー橋から細くて曲がりくねった階段上の小道を下れば、港沿いに多くのレストランが軒を連ねており、漁師町らしい景色を眺めながらの食事が楽しめる。またすぐ近くには第一次世界大戦中の犠牲者を追悼する戦争記念碑があり、高さ5mにも及ぶ両手を掲げた女性の銅像はその存在感に圧倒される。

ヴァロン・デ・ゾフ漁港

この街の古き良き時代の雰囲気を留めるのが、両サイドを崖に囲まれた小さな入り江に佇むヴァロン・デ・ゾフ漁港。

 

南仏らしいカラフルな色どりが可愛らしい漁師の民家が50件ほど残されており、港には現在でも漁に出るための小さなボートが数多く停泊している。

 

3つのアーチが美しいコルニッシュ・ケネディー橋から細くて曲がりくねった階段上の小道を下れば、港沿いに多くのレストランが軒を連ねており、漁師町らしい景色を眺めながらの食事が楽しめる。

 

またすぐ近くには第一次世界大戦中の犠牲者を追悼する戦争記念碑があり、高さ5mにも及ぶ両手を掲げた女性の銅像はその存在感に圧倒される。

世界遺産:ユニテ・ダビタシオン

 

近代建築の三大巨匠の一人として名高い、ル・コルビュジエの代表的な建築がみられるのがこの街。「シテ・ラディウーズ」の名でも呼ばれる集合住宅は、単なる寝床を提供するだけではなく、建物自体をコミュニティの場として定義し直すというこれまでとは全く新しいコンセプトの下で建てられた。

 

屋上には庭園や保育園、体育館、プールといった施設が備えられ、店舗や郵便局など生活を支えるサービスが一つの建物の中で完結するように設計されている。2016年には「ル・コルビュジエの建築作品-近代建築運動への顕著な貢献-」としてユネスコの世界遺産にも登録され、マルセイユのユニテ・ダビタシオンはその最も代表的な建築物として知られている。

世界遺産:ユニテ・ダビタシオン

近代建築の三大巨匠の一人として名高い、ル・コルビュジエの代表的な建築がみられるのがこの街。

 

「シテ・ラディウーズ」の名でも呼ばれる集合住宅は、単なる寝床を提供するだけではなく、建物自体をコミュニティの場として定義し直すというこれまでとは全く新しいコンセプトの下で建てられた。

 

屋上には庭園や保育園、体育館、プールといった施設が備えられ、店舗や郵便局など生活を支えるサービスが一つの建物の中で完結するように設計されている。

 

2016年には「ル・コルビュジエの建築作品-近代建築運動への顕著な貢献-」としてユネスコの世界遺産にも登録され、マルセイユのユニテ・ダビタシオンはその最も代表的な建築物として知られている。

ロンシャン宮、マルセイユ美術館

 

1862年に建てられたロンシャン宮は、ネオ・クラシカル様式の美しい外観が印象的。元々は水不足のために蔓延したコレラの流行を改善するために、デュランス川から85kmにも及ぶ運河によって運ばれてきた水の給水塔が建てられ、その完成を祝うために豪華絢爛な宮殿と涼やかな水の魅力を感じる公園が作られた。

 

建物の右翼はマルセイユ自然史博物館、左翼にはマルセイユ美術館が開業している。特にマルセイユ美術館は、パリのルーヴル美術館などと同様、フランス革命後の1801年に開業した由緒ある美術館で、16~19世紀のコレクションを中心に展示している。この街をはじめとするプロヴァンス地方で活躍した芸術家の作品のほか、オーギュスト・ロダンの傑作「内なる声」などが見どころとなっている。

ロンシャン宮、マルセイユ美術館

1862年に建てられたロンシャン宮は、ネオ・クラシカル様式の美しい外観が印象的。

 

元々は水不足のために蔓延したコレラの流行を改善するために、デュランス川から85kmにも及ぶ運河によって運ばれてきた水の給水塔が建てられ、その完成を祝うために豪華絢爛な宮殿と涼やかな水の魅力を感じる公園が作られた。

 

建物の右翼はマルセイユ自然史博物館、左翼にはマルセイユ美術館が開業している。

 

特にマルセイユ美術館は、パリのルーヴル美術館などと同様、フランス革命後の1801年に開業した由緒ある美術館で、16~19世紀のコレクションを中心に展示している。

 

この街をはじめとするプロヴァンス地方で活躍した芸術家の作品のほか、オーギュスト・ロダンの傑作「内なる声」などが見どころとなっている。

イフ島、イフ城

 

マルセイユの港からフェリーに乗って、20分ほどの場所に浮かぶイフ島。フランス国王フランソワ1世の命により建てられ、1529年に完成した要塞イフ城が島の中央に佇む。当初の目的は地中海沿岸地域の防衛強化で、神聖ローマ帝国皇帝カール5世が1536年にマルセイユ侵攻を試みた際には海軍を早々に退けることに成功した。

 

1540年からは400年に近くに渡り、周囲を海に囲まれた脱獄困難な牢獄として使用された。そんな想像力を掻き立てる孤島の牢獄は、19世紀フランスを代表する作家アレクサンドル・ドュマの小説『モンテ・クリスト伯(巌窟王)』の舞台となったことでも有名。

イフ島、イフ城

マルセイユの港からフェリーに乗って、20分ほどの場所に浮かぶイフ島。

 

フランス国王フランソワ1世の命により建てられ、1529年に完成した要塞イフ城が島の中央に佇む。

 

当初の目的は地中海沿岸地域の防衛強化で、神聖ローマ帝国皇帝カール5世が1536年にマルセイユ侵攻を試みた際には海軍を早々に退けることに成功した。

 

1540年からは400年に近くに渡り、周囲を海に囲まれた脱獄困難な牢獄として使用された。

 

そんな想像力を掻き立てる孤島の牢獄は、19世紀フランスを代表する作家アレクサンドル・ドュマの小説『モンテ・クリスト伯(巌窟王)』の舞台となったことでも有名。

カランク国立公園

 

白い石灰岩の海岸と地中海の澄んだ青のコントラストが美しいカランク国立公園も、豊かな自然を感じる人気のスポット。カランクとはフランス語で「入り江」を意味していて、砂浜のビーチの他にも、海岸線沿いのハイキングやカヤックなどのマリンスポーツを楽しむことも出来る。

 

またカランク国立公園には、海上に浮かぶ島々も含まれている。先ほど紹介したイフ島を含むフリウル諸島も、マルセイユの港から船で気軽にアクセスすることが可能。手つかずの自然が残る島々には多種多様な野生の動植物が生息し、波と海風の浸食によって削られた海岸線はまるで芸術的な彫刻作品を見ているかのような景色が広がります。

カランク国立公園

白い石灰岩の海岸と地中海の澄んだ青のコントラストが美しいカランク国立公園も、豊かな自然を感じる人気のスポット。

 

カランクとはフランス語で「入り江」を意味していて、砂浜のビーチの他にも、海岸線沿いのハイキングやカヤックなどのマリンスポーツを楽しむことも出来る。

 

またカランク国立公園には、海上に浮かぶ島々も含まれている。

 

先ほど紹介したイフ島を含むフリウル諸島も、マルセイユの港から船で気軽にアクセスすることが可能。

 

手つかずの自然が残る島々には多種多様な野生の動植物が生息し、波と海風の浸食によって削られた海岸線はまるで芸術的な彫刻作品を見ているかのような景色が広がります。

街の名物:ブイヤベース

 

この街を代表する郷土料理が、魚介の旨味たっぷりのブイヤベース。元々は売れ残った魚を煮込んだシンプルな漁師の家庭料理だったが、時代と共に新鮮な魚やサフランなどのハーブを加えるようになり、より洗練された高級感のあるレシピへと変わっていった。

 

街の観光化が進むと簡素化されたブイヤベースを提供するお店が増加し、1980年には伝統的なレシピを守り続けるレストランが掲げることを許される「ブイヤベース憲章」が定められた。材料と付け合わせが明確に定められているほか、スープと魚が別々に提供されるのは本物のお店ならではのサービスです。

街の名物:ブイヤベース

この街を代表する郷土料理が、魚介の旨味たっぷりのブイヤベース。

 

元々は売れ残った魚を煮込んだシンプルな漁師の家庭料理だったが、時代と共に新鮮な魚やサフランなどのハーブを加えるようになり、より洗練された高級感のあるレシピへと変わっていった。

 

街の観光化が進むと簡素化されたブイヤベースを提供するお店が増加し、1980年には伝統的なレシピを守り続けるレストランが掲げることを許される「ブイヤベース憲章」が定められた。

 

材料と付け合わせが明確に定められているほか、スープと魚が別々に提供されるのは本物のお店ならではのサービスです。

サントン人形市

 

年末年始に開催されるサントン人形市は、1803年から続くこの街の歴史ある重要行事。フランス南部のプロヴァンス地方ではクリスマスの時期が近づくと、聖母マリアや様々な動物を象った「小さな聖人」を意味するサントン人形を用いてお祝いをする伝統がある。

 

「クレッシュ」と呼ばれるキリスト生誕の場面の再現は13世紀イタリアで生まれ、教会などで模型展示が行われていた。しかし18世紀のフランス革命の際に教会での展示が禁止されたことから、プロヴァンス地方では個人の家々でクレッシュを作ることが一般的となり、フランスで初めてサントン人形を専門に扱うクリスマス・マーケットが催されたのがこの街だった。

サントン人形市

年末年始に開催されるサントン人形市は、1803年から続くこの街の歴史ある重要行事。

 

フランス南部のプロヴァンス地方ではクリスマスの時期が近づくと、聖母マリアや様々な動物を象った「小さな聖人」を意味するサントン人形を用いてお祝いをする伝統がある。

 

「クレッシュ」と呼ばれるキリスト生誕の場面の再現は13世紀イタリアで生まれ、教会などで模型展示が行われていた。

 

しかし18世紀のフランス革命の際に教会での展示が禁止されたことから、プロヴァンス地方では個人の家々でクレッシュを作ることが一般的となり、フランスで初めてサントン人形を専門に扱うクリスマス・マーケットが催されたのがこの街だった。

マルセイユについて詳しく知りたい!

基本情報

ブーシュ・デュ・ローヌ県マルセイユ/Marseille (BOUCHES-DU-RHÔNE)

面積:240,62 km2

人口:87万人(2020年現在)

写真1枚目:Photoed by ChiemSeherin – pixabay.com

写真2枚目:Photoed by keopol – pixabay.com

写真3, 4枚目:Photoed by djedj – pixabay.com

写真5枚目:Photoed by fred2600 – pixabay.com

写真7枚目:Photoed by Patrick Nouhailler – Flickr

写真9枚目:Photoed by Fred Romero – Flickr

写真10枚目:Photoed by comuirgheasa – pixabay.com

写真11枚目:Photoed by gdmoonkiller – pixabay.com

写真12枚目:Photoed by Noel_Bauza – pixabay.com

写真16枚目:Photoed by Fred Bigio – Flickr

写真18枚目:Photoed by jackmac34 – pixabay.com

写真19枚目:Photoed by dkatana – pixabay.com

2023年6月17日:ページ更新

行き方

パリからTGVに乗って3時間30分ほどで訪れることが出来ます。また、マルセイユ・プロヴァンス空港を利用するのも便利です。

 

プロヴァンス=アルプ=コート・ダジュール地域圏に点在する小さな村巡りの拠点の街としてもお勧めですよ。

パリ・リヨン駅(Paris Gare De Lyon)からTGVに乗って、マルセイユ・サン・シャルル駅(Marseille Saint-Charles)下車。(約3時間30分)

パリから780km(約7時間30分)

リヨンから320km(約3時間20分)

ニースから200km(約2時間10分)

マルセイユ・プロヴァンス空港からシャトルバスもしくは電車に乗って、マルセイユ中心市街地へ(約30分)。

ミシュラン星付きレストラン

2023年のミシュランガイドで星を獲得した、7つのレストラン(3つ星2店、1つ星5店)を紹介させて頂きます。

ラグジュアリー・ホテル・グループである「ルレ・エ・シャトー」にも加盟する5つ星ホテル内で、同じ名前を冠して営業するミシュラン3つ星のレストラン。1917年の開業以来パセダ家によって脈々と受け継がれ、その3代目であるジェラール・パセダ氏は名門「トロワグロ」や「ミシェル・ジェラール」などで修行した後、1984年からシェフとして加わり少しずつ店の評判を高めてきました。

 

「地中海は私の畑」と語るように、65を超える魚の特徴を最大限に生かしながら絶品海鮮フレンチを生み出します。6品で構成されたコースが230€からあり、地中海を望む広々と開放感のある窓辺の席で一生の思い出に残る食事を楽しむことが出来ますよ。

大都市マルセイユの中でも閑静でおしゃれな住宅街に佇むこのお店は、2021年にミシュラン3つ星昇格を果たした新進気鋭のレストラン。アフリカのコンゴで過ごしたシェフの幼少期の思い出が自由なインスピレーションを与え、燻製や焙煎といった様々な調理手法を駆使したクリエイティブな料理の数々を生み出しています。

 

最も値段を抑えて楽しむのであれば、水曜日と木曜日のお昼のみ提供される195€のコースから。最高のサービスと共に、唯一無二の食の冒険へと誘います。

この街の象徴である旧港沿いに佇むレストランで、観光の合間に訪れるのも便利。シェフの手により現代風なアレンジが加えられた、郷土料理アイオリとブイヤベースはこのお店の看板メニューです。

 

前菜+アイオリ+ブイヤベース+デザートの4品で構成される、平日お昼のコースは85€から。たくさんの船が停泊する港と、丘の上に佇むノートルダム・ド・ラ・ガルド大聖堂を望む眺めは、洗練された料理をより一層引き立てます。

世界的な最高級ホテルとして有名なインターコンチネンタル・マルセイユの中で営業する、ミシュラン一つ星レストラン。三ッ星を獲得したアラン・デュカス氏やエリック・フレション氏などの下で学んだシェフ、リオネル・レヴィ氏が作り出す料理は地元食材を使いながらクリエイティブな料理を生み出します。

 

5品で構成されるコースが110€からで、それぞれの料理に合わせたワインを75€で追加することが出来ます。洗練された空間と最高のサービスと共に、忘れられない食事を楽しむことが出来ますよ。

ノートルダム・ド・ラ・ガルド大聖堂のある丘を下った先にある、カステラーヌ広場に佇むレストラン。近代的でスタイリッシュな店内が、シェフのアイデア溢れる料理の魅力をより一層引き立てます。

 

前菜+メインもしくはメイン+デザートで構成される、平日お昼のコースは35€からとリーズナブルに楽しめます。また地中海産の伊勢海老を余すことろなく楽しめるコースも、このお店を代表するメニューとなっています。

小さくて可愛らしい、ヴァロン・デ・ゾフ漁港に佇むレストラン。先述のこの街を代表するレストラン「プティ・ニース」や、フランスを代表するレストラン「トロワグロ」など名立たる店で修行を経た実力派シェフ、ギヨーム・スリウ氏が生み出す創作海鮮フレンチは高い評価を獲得しています。

 

5品で構成される平日お昼のコースは95€から。この街の郷土料理ブイヤベースに大胆にアレンジを加えた、125€のコースも人気です。

マルセイユ郊外の閑静なエリアに佇む、小さなレストラン。数々の有名シェフの下で修行をしたのち、2019年にこの街でレストランをオープンされると、瞬く間に評判が広がりました。女性シェフ、コリーヌ・フォルキエ氏が生み出すのは、繊細で宝石のように輝く、見た目にも華やかな料理。

 

前菜+メイン+デザートの3品で構成される、平日お昼のコースは39€から。女性シェフ、コリーヌ・フォルキエ氏が生み出す繊細で宝石のように輝く見た目にも華やかな料理が魅力です。

ブイヤベースの美味しいレストラン

既に紹介したこの街の名物ブイヤベースの伝統の味の証、「ブイヤベース憲章」を掲げるこの街のお勧めレストランを紹介させて頂きます。

旧港沿いに店を構えるこのレストランは、誰もが認めるブイヤベースの老舗レストラン。79€で楽しめる本物のブイヤベースはもちろん、様々な海鮮料理を楽しむことが出来ます。

 

またブイヤベース普及のための活動にも積極的に取り組んでいて、毎月第三木曜日には代々伝わるこのレストランの名物を見学する料理教室も実施しています。マルセイユ観光協会を通じて申し込みが出来るので、興味のある方は参加してみてはいかがでしょうか?

大都市マルセイユに今なお残る、貴重な漁村ヴァロン・デ・ゾフに佇むこのレストラン、知る人ぞ知る隠れた名店として知られています。親子4代に渡って大切に受け継がれてきたブイヤベースは62€で、世界中にファンがいるそうです。

 

私は2022年の年末にこのレストランでブイヤベースを食べましたが、今までのブイヤベースというイメージを覆すような濃厚な魚の旨味が非常に印象的でした。ぜひこの街を訪れたら、皆様も食べてみて下さいね!

特産品

フランス第二の都市であるマルセイユは、お土産物屋から高級ブランドのブティックまで建ち並んでいるため買い物には困りません。特に旧港へと続くラ・カヌビエール通りは、この街のメインストリートで、観光案内所などもあるのでぜひ一度歩いてみると良いでしょう。

 

ここではマルセイユを訪れたらぜひ買いたい、そして味わいたい、お勧めの特産品を紹介させて頂きます。

オリーブオイルを原料として用いる石けんは、この南仏地域では古くから作られてきました。石けんの生産がこの街の代名詞ともなったのは、17世紀ルイ14世の時代に伝統的な製法と原料によってこの地域で生産された石けんのみが、「サヴォン・ド・マルセイユ」の名称を用いて販売することが出来るという規則が設けられたから。品質が保証されたことで、マルセイユ石けんは有産階級御用達の高級石けんとしての地位を確立しました。

 

天然原料にこだわった肌にも優しい石けんは、どんな方へのお土産としても最適ですよ。

マルセイユの郷土菓子として知られているのは、小舟の形をした「ナヴェット」と呼ばれる素朴な焼き菓子です。通常フランスでは2月2日の聖燭祭(Chandeleur)にクレープを食べる習慣があるのですが、この街では伝統的にこのお菓子と共に家族でお祝いをしました。

 

特に有名なのは、サン・ヴィクトール修道院のすぐ近くにある「フール・デ・ナヴェット」と呼ばれるパン屋です。元々は修道院付属のパン屋で創業は1781年に遡り、2月2日に開催される宗教行列の終着点にもなっています。

 

オレンジの花の薫りが楽しめるこの街の名物を、ぜひ本場でご賞味ください。




マルセイユのお勧めホテル

南仏プロヴァンス地方にある美しい村々を訪れるなら、マルセイユを拠点にしてみてはいかがでしょうか?

 

ホテルの予約はbooking.comが便利で、毎回お世話になっています。この街にあるお勧めの宿を紹介いたしますので参考にして頂ければ幸いです。

Booking.comの総合スコア8.3と高評価なこの宿泊施設は、この街の中心地に位置している五つ星ホテル。建物は1753年に建てられた大病院を綺麗にリノベーションしたもので、歴史と威厳を感じる美しい外観が印象的です。先述のミシュラン一つ星レストラン「Alcyone」もこのホテルで営業しており、贅沢で忘れられない上質な滞在を楽しむことが出来ますよ。宿泊者のニーズに応じて値段が異なり、料金は2名1泊で350€~1200€(朝食別)です。

Booking.comの総合スコア9.5と高評価なこの宿泊施設は、この街の中心である旧港まで150mほどと観光に便利。部屋はセンスの良い家具と共に、快適な空間が広がっています。キッチンや洗濯機を備えた、アパートの一室を丸ごと借りることができ、住んでいるように街を観光したい方や、少し長めの滞在をしたいという方にもお勧め。宿泊者のニーズに応じて値段が異なり、料金は2名1泊で170€~240€です。

Booking.comの総合スコア8.4と高評価なこの宿泊施設は、マルセイユ大聖堂からすぐの場所に佇んでおり観光にも便利。ナポレオン3世の命を受けて1864年に建てられたオスマン様式の建物は、大都市ならではの気品あふれる外観が魅力です。客室は白を基調としており、シンプルで清潔感があります。フロントにスタッフが常駐しているので、初めて海外旅行に行くという方にも安心です。宿泊者のニーズに応じて値段が異なり、料金は2名1泊で180€~290€(朝食別)です。



Booking.com




マルセイユ近郊の美しい村

南仏プロヴァンス

夏にはラベンダーが咲くことでも有名なこの地域には、ゴルドやレ・ボー・ド・プロヴァンスなどフランス屈指の人気を誇る美しい村が集中しています。

コート・ダジュール

美しい地中海を望む集落にはオレンジ色の瓦屋根の民家が佇み、まるで絵葉書のような景観。中世にはイスラム教徒からの侵略を阻むように、内陸部の険しい山の上に集落が築かれました。