ルビエロス・デ・モラはテルエル県の南東、県庁所在地テルエル(Teruel)より55kmほど離れた所に位置する。世界的なネットワークのあるスローシティ/チッタスロー(Città Slow / Cittaslow)にも加盟し、ゆっくりとした時間が流れている。
この村を訪れたら見逃すことが出来ないのが旧サンタ・マリア参事会教会(Ex colegiata de Santa María la Mayor)であり、聖母マリアを主題とした14世紀ゴシック様式の祭壇画が据えられている。
1523年に建築が開始され、ヴィスカヤ・ペドロ・デ・ラ・ホヤ(Vizcaya Pedro de la Hoya)の手によって1571年に完成したルビエロス・デ・モラ役場も1983年に重要文化財に指定されている。ルネサンス期の公共建築として最も歴史的価値ある建物の一つと考えられており、当時は農産物や海産物・羊毛・織物などの市場として用いられていたと考えられている。
村はペドロ4世(Pedro IV)の時代に要塞化がなされた。防壁に囲まれており7つの入口があるが、14世紀に作られた聖アントニオ(San Antonio)門とカルメン(Carmen)門は現在でも残っている。
時間に余裕があればサルヴァドール・ヴィクトリア近代美術館(Museo de Arte Contemporáneo Salvador Victoria)も立ち寄ると良い。巡礼者や拠り所のない人々を受け入れることを目的として、1785年に建設が許可されたヌエストラ・セニョーラ・デ・グラシア慈善病院(Hospital de Nuestra Señora de Gracia)をリノヴェーションして2002年に完成した。ルビエロス・デ・モラ出身の芸術家サルヴァドール・ヴィクトリアの作品を中心に展示が行われている。
決して派手さはないものの、村の歴史と伝統を重んじ、古くから残る民家や細くて狭い道が生活と共存している。この場所を訪れると、時間の概念を忘れるほどである。