ガルダ湖から両脇に山羊や羊が草をはむ山道を登っていくと現れる小さな村がランゴである。ブレッジョ・スーペリオーレ市の集落の一つである。
村の名前の由来はケルト語の「限界」という意味であり、かつてドゥロネ峠(Passo del Durone)へ辿り着くまでの最後の有人集落であった。また、その後もガルダ湖とジュディカリエ渓谷(valle delle Giudicarie)を結ぶ交通の要所であり、商人や通行客に宿や食事を提供した。
また村には、18世紀から変わらぬジュディカリエ地方に独特の機能的建築様式の民家が残されている。石・木・藁で出来た家に、人間の住まいと家畜小屋が同じ屋根の下に共生している。
中央には泉の広場が存在し、かつては牧草地に向かう前の家畜の水飲み場や靴の洗い場、火事の消化など多目的に使用されていた。現在は村民の憩いの場となっている。
冬にはクリスマスマーケットが有名。またブレッジョ地区の特産品でもあるクルミの栽培でもその名が知られ、2016年にスローフード協会の認定を受けた。
アルプス地方に特有の小さな墓地が供えられたバロック様式のサンタ・ルチア教会や、トレント地方に特有のサレザ(salesà)と呼ばれる石畳の狭い通りなどがあり、村の中を散策すると多くの発見がある。