ベルカステル

Belcastel

再び命を吹き込まれた美しい城下街

蛇行して流れるアヴェロン川に架かる橋を渡ると、森林に覆われた谷の傾斜に守られながら佇むベルカステルの村が出迎える。かつてはサンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼路上の宿場町としても栄えた。

 

12世紀の封建制時代の初めより、この要塞都市はベルカステル家によって領有され、その勢力をアヴェロンの他の地域にまで拡大した。13世紀にアヴェロンの有力貴族ソーナック(Saunhac)家に城の所有権が譲渡され、代々大切に受け継がれたが、フランス革命期に城の最後の領主クロード・ド・ビュイソン(Claude de Buisson)が亡くなると、17世紀以降城の手入れは行われず廃墟と化してしまった。

 

11世紀にその起源を持つベルカステルの城に再び命を吹き込んだのが、建築家フェルナン・ピュイヨン(Fernand Pouillon)であった。1970年より城は修復され、城へと至る石畳の道、パン焼き窯、金物工房、かつての泉が再生されると村はかつての生き生きとした姿を取り戻した。

 

15世紀には領主アルツィアス・ド・ソーナック(Alzias de Saunhac)によってサント・マドレーヌ教会(Eglise Sainte Madeleine)が建てられた。教会内部には、見事な横臥彫像の下に設立者の墓が眠っている。

 

村の玄関口に架かる橋は対岸の住民の教会へのアクセスを確保するため、同じく15世紀にアルツィアス・ド・ローナックによって建設されたものである。中世の橋の特徴をよく留めたフォルムが非常に美しい。

 

時間に余裕があれば、ロシェ・ド・ロックカント(Rocher de Roquecante)と呼ばれる場所に足を運んでみると良いだろう。領主の椅子(Chaises du seigneur)と呼ばれ、一つの岩から削って作られた7つの椅子が置かれている。16世紀のものと言われ、かつては地方の領主によって裁判をするために用いられていたとの伝説が残っている。また、アヴェロン渓谷とベルカステルの城壁が一望できるので一休みにも最適である。

 

村から500mほど離れた場所にはロック・ダングラール(Roc d’Anglars)という5世紀の城の跡が残されている。川から50メートルほどの高さに位置し、直径20メートルほどの巨大な構造物が残されており、ミディ・ピレネー地方のかつての姿を今に伝える貴重な遺物でる。

 

村の象徴である城が威厳ある姿を取り戻したことで、懐に隠れるように佇んでいたローズ(lauze)の屋根に覆われた石造りの民家と調和をなし、村は一層美しく煌めいている。

アヴェロン県ベルカステル/Belcastel (AVEYRON)

面積:10,74km2

人口:190人(2015年)

公共交通機関の場合:

トゥールーズ(Toulouse)方面もしくはパリ(Paris)方面からSNCFに乗って、ロデーズ(Rodez)駅下車

ロデーズ(Rodez) 駅から、タクシーに乗ってベルカステルへ(※約30分)

車の場合:

トゥールーズ(Toulouse)から160km(約2時間)

クレルモン・フェラン(Clermont-Ferrand)から270km(約3時間)

飛行機の場合:

ロデーズ・アヴェロン空港(Aéroport Rodez-Aveyron)から30km(約30分)

トゥールーズ・ブラニャック空港(Aéroport de Toulouse – Blagnac)から170km(約2時間)

「フランスの最も美しい村」協会 加盟村

Photoed by lecreusois – pixabay.com

2018年8月1日:ページ更新

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