アルバラシン/Albarracín

 

【宗教間の因縁によって特徴づけられた村】

 

自然の要塞として古くから街が築かれたこの村は、

標高は約1200mの高台に位置する。

蛇行して流れるグアダラビアル川を見下ろすように佇む集落は、

北はアルバラシン山地、南はウニベルサレス山地に取り囲まれている。

イスラム教・キリスト教・ユダヤ教が

時に共存し、時に争ったことで、

世界に類を見ない唯一無二の景観を生み出している。

アルバラシン/Albarracín

 

【宗教間の因縁によって特徴づけられた村】

 

自然の要塞として古くから街が築かれたこの村は、標高は約1200mの高台に位置する。

 

蛇行して流れるグアダラビアル川を見下ろすように佇む集落は、北はアルバラシン山地、南はウニベルサレス山地に取り囲まれている。

 

イスラム教・キリスト教・ユダヤ教が時に共存し、時に争ったことで、世界に類を見ない唯一無二の景観を生み出している。




村の歴史

 

この村の名は、11世紀にバヌ・ラシン家を中心とするタイファと呼ばれるイスラム教徒の小国家により支配がなされていたことに由来する。イベリア半島ではキリスト教徒軍によるレコンキスタと呼ばれる武力征服が盛んに行われていたが、アルバラシン国は1170年にピレネー山脈一帯を治めていたナバラ家の末裔に割譲されたことで平和的にキリスト教国家へと移行した。当初はカスティーリャ王国やアラゴン王国といった強国へ帰属することなく、フエロと呼ばれる特権と司教区をもつ独自の支配を作り上げた。

 

1220年のアラゴン王ハイメ1世による侵攻は守り抜いたものの、1285年には再びアラゴン王ペドロ3世が進軍を開始し街は包囲される。最終的に14世紀にはアラゴン王国の支配下となったが、この街の特権は16世紀後半のスペイン王フェリペ2世の時代まで引き継がれた。

村の歴史

この村の名は、11世紀にバヌ・ラシン家を中心とするタイファと呼ばれるイスラム教徒の小国家により支配がなされていたことに由来する。

 

イベリア半島ではキリスト教徒軍によるレコンキスタと呼ばれる武力征服が盛んに行われていたが、アルバラシン国は1170年にピレネー山脈一帯を治めていたナバラ家の末裔に割譲されたことで平和的にキリスト教国家へと移行した。

 

当初はカスティーリャ王国やアラゴン王国といった強国へ帰属することなく、フエロと呼ばれる特権と司教区をもつ独自の支配を作り上げた。

 

1220年のアラゴン王ハイメ1世による侵攻は守り抜いたものの、1285年には再びアラゴン王ペドロ3世が進軍を開始し街は包囲される。

 

最終的に14世紀にはアラゴン王国の支配下となったが、この街の特権は16世紀後半のスペイン王フェリペ2世の時代まで引き継がれた。

アルバラシン城

 

敵国からの侵略に備えてこの都市が要塞化していた時代の名残りは、急峻な山肌に築かれたアルバラシン城の跡から伺い知る事が出来る。最も古い文献によれば10世紀後半にはこの場所に城が築かれていたとされ、11世紀にはバヌ・ラシン家によってアルカサルと呼ばれるイスラム教徒の砦が築かれた。

 

14世紀にはペドロ3世によって大幅な改修がなされ、強固な城壁も築かれた。アルバラシン城は16世紀まで用いられ、廃墟となった今も往時の威厳を感じることが出来る。

アルバラシン城

敵国からの侵略に備えてこの都市が要塞化していた時代の名残りは、急峻な山肌に築かれたアルバラシン城の跡から伺い知る事が出来る。

 

最も古い文献によれば10世紀後半にはこの場所に城が築かれていたとされ、11世紀にはバヌ・ラシン家によってアルカサルと呼ばれるイスラム教徒の砦が築かれた。

 

14世紀にはペドロ3世によって大幅な改修がなされ、強固な城壁も築かれた。

 

アルバラシン城は16世紀まで用いられ、廃墟となった今も往時の威厳を感じることが出来る。

サン·サルバドール大聖堂

 

16世紀に建てられたサン·サルバドール大聖堂は、青と黄色で描かれる独特の模様の屋根が印象的。最も古い部分には、12世紀ごろのかつての教会跡も残る。

 

教会内に足を踏み入れると、美しい幾何学模様が描き出された天井に目を奪われる。16世紀に作られた祭壇画はルネサンス様式の優美な雰囲気が漂い、繊細な彫刻の数々が黄金色に輝きを放つ。また18世紀バロック様式の祭壇画も必見。

 

教会脇に佇む大司教の館は、美しいバロック様式の入り口が見事。館内にはかつてユダヤ教の教会として使われていた痕跡も存在し、複雑に宗教が混ざり合っていたこの街の独特の歴史を反映している。

サン·サルバドール大聖堂

16世紀に建てられたサン·サルバドール大聖堂は、青と黄色で描かれる独特の模様の屋根が印象的。最も古い部分には、12世紀ごろのかつての教会跡も残る。

 

教会内に足を踏み入れると、美しい幾何学模様が描き出された天井に目を奪われる。

 

16世紀に作られた祭壇画はルネサンス様式の優美な雰囲気が漂い、繊細な彫刻の数々が黄金色に輝きを放つ。また18世紀バロック様式の祭壇画も必見。

 

教会脇に佇む大司教の館は、美しいバロック様式の入り口が見事。

 

館内にはかつてユダヤ教の教会として使われていた痕跡も存在し、複雑に宗教が混ざり合っていたこの街の独特の歴史を反映している。

フリアネタの家

 

村に立ち並ぶ民家は上の階が道に迫り出して傾斜のある造りとなっている。これは要塞化していた時代に限られた土地を最大限利用しようとした名残であり、見上げると空が狭く感じるほどである。

 

この村を象徴するようなスポットであるフリアネタの家は、14世紀に建てられたこの村で最も古い建築。逆台形の構造が印象的で、アラゴン州政府による改修の後、現在は芸術家のアトリエとして用いられている。

フリアネタの家

村に立ち並ぶ民家は上の階が道に迫り出して傾斜のある造りとなっている。

 

これは要塞化していた時代に限られた土地を最大限利用しようとした名残であり、見上げると空が狭く感じるほどである。

 

この村を象徴するようなスポットであるフリアネタの家は、14世紀に建てられたこの村で最も古い建築。

 

逆台形の構造が印象的で、アラゴン州政府による改修の後、現在は芸術家のアトリエとして用いられている。

マヨール広場

 

村の中心にあるマヨール広場の周囲は、バルやレストランなどが建ち並び活気に溢れる。

 

広場の最も奥に佇む木組みのバルコニーを備えた村役場は、16世紀に建てられたもの。川の上にもアーケード状になった渡り廊下が伸びており、崖の上に佇むこの村の美しい街並みが眼下に広がる。

マヨール広場

村の中心にあるマヨール広場の周囲は、バルやレストランなどが建ち並び活気に溢れる。

 

広場の最も奥に佇む木組みのバルコニーを備えた村役場は、16世紀に建てられたもの。

 

川の上にもアーケード状になった渡り廊下が伸びており、崖の上に佇むこの村の美しい街並みが眼下に広がる。

見どころ豊富な村の郊外

 

この場所は先史時代から人々が居住していたと考えられ、村の郊外に残る岩絵は「イベリア半島の地中海沿岸の岩絵」の一部としてユネスコの世界遺産登録を受けている。

 

アルバラシンとセリャの間には1世紀建造の水道橋が残っており、ローマ時代の足跡を垣間見ることが出来る

 

また周辺部の地形はむき出しになった岩の斜面が多く見られ、ボルダリングの聖地として世界中から愛されている。

見どころ豊富な村の郊外

この場所は先史時代から人々が居住していたと考えられ、村の郊外に残る岩絵は「イベリア半島の地中海沿岸の岩絵」の一部としてユネスコの世界遺産登録を受けている。

 

アルバラシンとセリャの間には1世紀建造の水道橋が残っており、ローマ時代の足跡を垣間見ることが出来る

 

また周辺部の地形はむき出しになった岩の斜面が多く見られ、ボルダリングの聖地として世界中から愛されている。

アルバラシンについて詳しく知りたい!

スペインの最も美しい村

テルエル県アルバラシン/Albarracín(TERUEL)

面積:452,72km2

人口:1,044人(2017年現在)

世界文化遺産:ユネスコ(U.N.E.S.C.O.)

  • 登録名:「イベリア半島の地中海沿岸の岩絵」(Rock Art of the Mediterranean Basin on the Iberian Peninsula)

写真2枚目:Photoed by Iraia Martínez – Flickr

写真3, 5枚目:Photoed by MemoryCatcher – pixabay.com

写真6枚目:Photoed by Martin Cox – Flickr

写真9枚目:Photoed by Jocelyn Erskine-Kellie – Flickr

2018年4月28日:ページ更新

2020年12月2日:ページ更新

行き方

テルエル県の県庁所在地の置かれたテルエルからバスが運行しており、公共交通機関のみでも訪れる事が可能です。ただし月~土のみ1日1便のみの運行のため、村内で1泊すると良いでしょう。

 

 

2017年に訪れた際は、1度目はレンタカー、2度目は現地の観光バスを利用しました。中心市街地は道路幅が非常に狭いため、村の入口に設けられたパーキングを利用するのがお勧めです。

テルエルからNavarro社のバスにのって、アルバラシン停留所下車(約1時間)

※日曜祝日の運行はなし

テルエル(Teruel)から約40分

バレンシア(València)から約2時間30分

マドリッド(Madrid)から約3時間

テルエル空港から約30分




アルバラシンのお勧めホテル

村内がオレンジに輝く夕暮れ時や、夜のライトアップ、朝霧に包まれた街並みなど、時間によって様々な表情を見せるのが美しい村の魅力。

 

スペインの最も美しい村の予約はbooking.comが便利で、毎回お世話になっています。アルバラシンにあるお勧めの宿を紹介いたしますので参考にして頂ければ幸いです。

Booking.comの総合スコア9.2と高評価なこの宿泊施設は、村の郊外の閑静なエリアに佇んでいます。褐色の丸い瓦屋根を被った、この地域の伝統的な建物に宿泊可能。客室は木の梁をそのまま活かしたナチュラルな内装で、落ち着いた空間が広がっています。中心市街地までは600mほど距離があるので、車で移動できるとなお良いでしょう。料金は2名1泊で70€~90€(朝食込)と良心的です。

Booking.comの総合スコア9.3と高評価なこの宿泊施設は、中心市街地の民家の一室を借りることが可能で、まるで村にホームステイしているかのような滞在が楽しめます。客室は優しさを感じるアットホームな内装。この村を一望できる素晴らしいパノラマが広がるテラスも魅力的です。料金は2名1泊で110€(朝食込)です。



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